「外壁に小さい虫が集まって困っている」というお悩みは、よく耳にします。外壁塗装中の住宅だけでなく、すでに塗装済みの住宅や新築住宅でも被害は報告されており、虫が集まる原因は一つに限りません。
外壁に虫が集まっている場合、どのような対策を行えばよいのでしょうか。問題を解決するには、外壁に虫が集まる原因を理解したうえで、その原因に合わせた対策が必要です。
本記事では外壁に虫が集まる原因と対処法を紹介しているため、外壁に虫が集まってお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
自宅の外壁に虫が集まる原因
外壁に虫が集まる原因として、以下の3つが挙げられます。
- シンナーなどの外壁の塗料に反応
- 紫外線に反応
- 外壁の色に反応
虫の被害を解決するには、根本的な原因を特定することが大切です。原因を把握できないまま、やみくもに対策を行っても効果は見込めません。
まずは、外壁に虫が集まっている原因は何に該当するのか、把握しましょう。
シンナーなどの外壁の塗料に反応
外壁塗料は、大きく4つの材料で構成されています。
構成材料 | 役割 |
---|---|
色付けを行う | |
合成樹脂 | 塗料の耐久性を高める |
顔料や合成樹脂を溶かし、塗りやすくする | |
添加物 | 塗料に機能を付加する(防腐・乾燥・艶消しなど) |
油性塗料の場合、希釈材に用いられる溶媒はシンナーです。匂いに敏感な種類の虫は油性塗料、独特の匂いに寄ってくることから、シンナー、またはシンナーに含まれるトルエンという成分に反応していると考えられています。
油性塗料で外壁塗装している際に虫が寄ってきたら、シンナーやトルエンが原因となっている可能性を考えてみるとよいでしょう。
紫外線に反応
バイオメカニズム学会誌の「光に対する昆虫の反応とその利用技術」によると、ガや一部の甲虫は、紫外線を多く出す光源に誘引されることが確認されています。
虫は波長が約360nm(ナノメートル)前後の光、つまり紫外線に反応しやすい生き物です。夜の外灯に、小さい虫が集まるのも、蛍光灯が紫外線を発しているためです。
明るい色の外壁は、紫外線の反射率が高いことから、虫が寄ってきやすい状態です。特に、白に近い色や淡色の外壁材、塗料を使用している場合、虫が寄ってくる原因は外壁の可能性があります。
参考:パナソニック「各種材料の反射率」
外壁の色に反応
早春から活動を始める昼行性のハエ目やハチ目などの虫は、黄色に多く集まる性質があります。
日本の春に咲く花に多い色は、黄色です。虫の活動によって受粉を行うため、花の香りや蜜に加えて、黄色い色で虫を誘引していると考えられます。
そのため、黄色または黄色に近いクリーム色などの外壁は、虫が集まりやすいとされています。
参考:バイオメカニズム学会誌「光に対する昆虫の反応とその利用技術」
外壁に虫がいるときの対処法
外壁に虫が複数発生している場合には被害が拡大する前に、早めに対処することが大切です。
虫が寄ってくる場合の対処法は以下の3つを参考にしてください。
- 虫除けスプレーで応急処置する
- 虫の発生原因を特定、解決する
- 外壁塗装会社に相談する
虫除けスプレーで応急処置する
すぐに虫を駆除したい場合には、虫除けスプレーの使用が効果的です。ホームセンターやドラッグストアで、駆除したい害虫に合わせた虫除けスプレーを購入できます。
「IGR剤」の虫除けスプレーは成虫だけではなく、幼虫や卵にも効果があります。安全性を重視する方にもおすすめです。
ただし外壁用の虫除けスプレーであっても、使用箇所が変色したりやシミができたりするおそれがあり、注意が必要です。虫除けスプレーを使いたい場合、まずは目立たない部分で試してみるとよいでしょう。
虫の発生原因を特定、解決する
外壁に大量の虫が寄ってくる場合、家のまわりに発生原因が潜んでいる可能性があります。自宅が以下の発生原因に当てはまらないか、確認してみましょう。
- 家の周りに物が多く置かれている
- ベランダなどの排水口が汚れている
- ガーデニングの土に虫の卵があった、虫の卵を産み付けられた
家の周りに物が多く置かれている
家の周りに物が多く置かれていると風通しが悪くなり、虫が発生しやすい環境を知らずのうちに作っているときがあります。
さらに、外壁近くに物を多く置いている場合、風通しが悪く湿った環境となり虫が発生する原因となる場合があります。
虫の発生場所を特定したら駆除を行うと同時に、虫が発生しづらい環境にすることが大切です。
ベランダなどの排水口が汚れている
雨水が流れ湿気がたまりがちなベランダなどの排水口に、ゴミが付着したまま放置されていれば、チョウバエなどの虫が寄り付く原因となるでしょう。チョウバエは越冬し、大量の卵を産む特性があります。
室内に侵入すれば大量のチョウバエが発生し、不衛生な環境になるおそれもあります。虫が大量に発生していれば、排水口まわりも確認し、定期的な清掃を心がけましょう。
ガーデニングの土に虫の卵があった、虫の卵を産み付けられた
庭でガーデニングをしている場合、土からも虫が発生するケースがあります。たとえば、最初から土に虫の卵が混ざっているケースです。
また、水が乾きにくい水はけのよくない土を使用していた場合は、湿った場所を好む虫に卵を産みつけられやすいです。
外壁塗装会社に相談する
虫除けスプレーの使用や、虫の発生原因の解決によっても被害が収まらない場合、外壁のプロである外壁塗装会社に相談し、解決策を見つけられるとよいでしょう。
外壁の匂いや色によって虫が寄ってくる場合、防虫塗料を用いたり、外壁の色を変更したりすることで解決できる可能性があります。
もう虫を見たくない!外壁に虫を寄せ付けない方法4選
外壁に寄り付く虫を100%防ぐ方法はありません。しかし、以下の4つの方法で虫を寄せ付けにくくすることは可能です。
- 外壁の色を虫が寄りにくい色にする
- 水性塗料で塗装する
- 水性塗料のうえに防虫塗料を塗る
- 屋外ライトをLEDにする
外壁塗装で虫が寄ってきやすい色に塗り替えたり、防虫塗料を使用したりして対策できます。また、屋外ライトを変更することも効果的です。
下記で虫を寄せ付けない、4つの方法を詳しく紹介します。
外壁の色を虫が寄りにくい色にする
虫は紫外線にひきつけられる性質があるため、外壁を紫外線を反射しにくい色にすることで虫の寄り付きを防ぐ効果があります。
下記の色は、紫外線反射率が低く、虫が寄りにくい色とされています。
- 黒
- ブラウン
- グレー
ただし、黒い外壁にする場合は注意が必要です。黒は紫外線を反射しづらいために、太陽の熱を吸収する性質があります。
そのため、黒い外壁の家は壁から熱が伝わることで室内に熱がこもりやすくなるでしょう。夏場の省エネや断熱を考えると、虫対策のためだけに黒い外壁にするのはおすすめできません。
水性塗料で塗装する
外壁塗装の際に、水性塗料を使用するのも有効な方法です。虫は、油性塗料の溶媒であるシンナーの匂いに反応して、外壁に寄ってきます。
しかし、水性塗料の溶媒には水が使われているため、虫が寄り付く確率は低くなるでしょう。
水性塗料のうえに防虫塗料を塗る
防虫塗料は、虫を寄せ付けない成分を配合した塗料です。
たとえば、関西ペイントから発売されている「アレスムシヨケクリーン」は、防虫効果のある成分を配合しており、以下の虫を寄せ付けにくくなっています。
- ユスリカ
- チョウバエ
- キイロショウジョウバエ
- ガ
- 羽アリ
- 白アリ
- ハチ
- クモ
- カメムシ
- ブヨ
- アブ
人体や動物にも安全で、塗装後に乾燥すれば無色透明、壁の保護にも役立ちます。ただし、無塗装のコンクリートやモルタル、しっくいなどアルカリ性の強い外壁には直接塗装できないため注意が必要です。
屋外ライトをLEDにする
屋外ライトを蛍光灯からLEDに変更することで、外壁の防虫対策につながります。
屋外のライトが蛍光灯の場合、微量な紫外線が発生して虫が集まる原因になります。しかし、LEDライトは蛍光灯に比べて発生する紫外線が少ないため、虫が集まりにくいのです。
外壁の虫対策は外壁塗装の一括見積もりサイトへ
虫が寄ってくる外壁は、塗装に工夫をすることで対策が可能です。虫対策で外壁塗装を検討される際には、一括見積サイトを利用しましょう。
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