アルミサッシは丁寧に扱っていても、時とともに劣化していきます。
劣化を補修するために、塗装をするという選択肢があります。
しかし、アルミサッシは金属のイメージが強く、塗装がしにくいと考えている方が多いのではないでしょうか。
本記事では、アルミサッシの塗装方法やその効果、塗料などを解説します。あわせて費用も紹介するので、アルミサッシの塗装を検討されている方のご参考になれば幸いです。
アルミサッシの塗装は必要?
アルミサッシが劣化すると、変色や、通常の清掃では取り除けない汚れやサビが目立つようになります。そのまま放置すると、建物の耐久性にも影響があるので注意しなければなりません。
劣化に対処する方法として、塗装は本当に効果的なのか、みてみましょう。
アルミサッシを塗装して得られる効果
アルミサッシを塗装して得られる効果は、見た目や建物の耐久性に関わるものです。
傷やサビの補修
アルミサッシの中には、傷つきやすいタイプのものも少なくありません。
たとえば、特殊塗装や木製のアルミサッシは、メラニンスポンジでこするだけで傷つくこともあります。
一般のアルミサッシについては、扱いに慎重になる必要はありません。しかし、掃除や物をぶつけるなど、無意識のうちに傷つけてしまうことも少なくありません。
また、アルミサッシは雨風が直接あたり、湿気にさらされます。そのため、サビやすいと言われています。
塗装をすることで、傷ついて剝げた箇所や付着したサビをカバーして、目立たなくできます。
汚れをきれいにする
アルミサッシは空気中の汚れや雨などによって、非常に汚れやすい部分です。
普段からお手入れをしていても、落ちにくい汚れが付きます。さらに、掃除を長期間怠ると、通常の清掃では汚れを落とすことが難しくなってしまいます。
アルミサッシの塗装を行う場合、剥がれてしまった塗装の処理や汚れを落とす作業を最初に行います。これにより、アルミサッシをきれいな状態に戻すことができます。
汚れが落ちない場合は、汚れの上に塗料を重ねることで、目立たなくできます。
デザインを変えられる
アルミサッシは部屋内で目立つ箇所です。そのため、アルミサッシのデザインを変えるだけで、部屋の雰囲気も大きく変わります。
部屋の模様替えに合わせて、アルミサッシのデザインや色を変えたいという方も少なくありません。
アルミサッシの劣化症状
アルミサッシは、新品の状態での塗装の耐用年数は、一般的に20~40年と言われています。
しかし、住宅環境や塗装方法によって、耐用年数は大きく前後する場合があります。そのため、自身で適切な塗装時期を見極める必要があると言えるでしょう。
以下で紹介する劣化症状がアルミサッシに見られる場合、塗装を検討してみてください。
サビ
アルミサッシは、茶色や黒色にサビついてしまうことがあります。サビを放っておくと、アルミと接する窓枠まで劣化するおそれがあります。
チョーキング
アルミサッシを触ると、手に白い粉がつくことがあります。この症状は、チョーキング現象と呼ばれ、塗膜が劣化して、顔料が浮いていることが原因です。
剥がれた顔料が、部屋中に散らばることが懸念されます。さらに、放置しておくとサビついてくるため、手に白い粉が付いたらできるだけ早く対応しましょう。
白い斑点
アルミサッシの表面に浮き出ている白い斑点は、酸化アルミニウムです。アルミサッシに付いた白い斑点を放っておくと、雨漏りに発展することもあるので気をつけてください。
雨漏り
アルミサッシの劣化によって雨漏りが起こると、DIYでは対処が難しいです。そのため、専門の業者に依頼する必要があります。
雨漏りを放置すると、以下のような影響があるため、即対応しましょう。
- 害虫が部屋に入ってくる
- 建物全体にカビが発生する
アルミサッシの塗装方法
アルミサッシの塗装は見た目の美しさを保つためだけでなく、建物を守るためにも重要なことが分かりました。
塗装は以下のような流れで行います。
- 下地処理
- 荒い部分をプラサフで滑らかにする
- プライマーで下塗りをする
- 塗装
- 養生を剥がす
それぞれの手順におけるポイントを確認してみましょう。
下地処理
塗装を行う前に、下地の処理をしっかりと行います。
まず、サッシ以外の部分に塗装が付かないよう、養生テープで保護します。次に、サッシの汚れや古い塗料を剥がし、新しい塗料がきれいに密着するよう整えましょう。
これらの作業を怠ってしまうと、色ムラができるなど見た目が悪くなるばかりでなく、耐久性も低下します。
荒い部分をプラサフで滑らかにする
下処理でできた荒い部分やキズをプラサフ※で滑らかに整えます。プラサフには表面のデコボコを整える効果があるほか、塗料の密着力をアップさせる効果もあります。
下塗り用塗料のひとつで、塗料の密着性を高めるプライマーと傷などを埋めるサーフェイサーの両方を併せたものです。
プライマーで下塗りをする
プライマー※で下塗りを行います。
塗料の密着性を高め、ムラを出さないための重要な工程です。
下塗り用塗料のことです。中塗り上塗り塗料の密着させる特性があります。 ミッチャクロンなどが有名です。
塗装
塗装は、下塗り、中塗り、上塗りと3回重ね塗りすることが一般的です。塗装が乾いたらコーティング剤を塗ります。
養生を剥がす
塗料が乾いたら、養生をゆっくり、丁寧に剥がします。塗料が完全に乾く前に、養生を剥がさないように気をつけましょう。
アルミサッシを塗装する際の注意点
アルミサッシの塗装を検討されている方は、塗装後に後悔しないためにも、事前にしっかりと注意点を押さえておきましょう。
塗料について
アルミサッシの塗装には、どのような塗料を使用するのがよいのでしょうか。
塗料は種類によって耐久性や扱いやすさが大きく異なります。
いくつかの塗料の特徴を確認してみましょう。
弱溶剤塗料
弱溶剤塗料は、最も一般的に使用されている塗料です。アルミだけでなく、鉄部や木部にも使用できます。密着性、耐久性がともに優れており、比較的持ちが良いと言われています。
油性塗料と比較すると耐久性は弱いですが、一般的に使用する上では問題ないでしょう。
水性塗料
水性塗料は安全性に優れており、においも弱いことから使いやすい塗料です。保存がしやすく、価格も安いため、初心者の方でも扱いやすいでしょう。
一方、密着性が弱く、気温が低いと乾燥しにくいというデメリットがあります。
油性塗料
油性塗料は密着性が強く、耐久性もあります。また、光沢もあるため、塗装後の見た目も良いです。
油性塗料の希釈にシンナーを使うため、においが強く、作業中は窓を閉め切る必要があります。また、危険物のため、取り扱いには気をつけなければなりません。
アルミ用の油性塗料もありますが、においがきつく、扱いにくいという声も少なくありません。
色選びについて
アルミサッシは、内側と外側の両方について、塗装の色を選ぶ必要があります。
それぞれ部屋の雰囲気や外壁の色などとマッチするか、シミュレーションしましょう。
特に、アルミサッシの外側の色を選ぶ際、外壁との組み合わせだけでなく、手入れがしやすいかどうかも考えましょう。
アルミサッシは、日々雨風や砂埃を浴びます。そのため、たとえば白い塗装を選ぶと汚れが目立ちます。
外壁の色については、以下の記事をご覧ください。
費用について
アルミサッシの塗装を業者に依頼した場合、サッシひとつにつき約4万~6万円が相場です。ただ、アルミサッシのサイズや、作業をする場所によっては、価格が相場以上にかかることがあります。
また、アルミサッシ自体を新しいものにする場合、サッシひとつにつき約15万~20万円かかります。
専門業者に依頼しよう
アルミサッシは、自分自身で塗装すると、色ムラのないきれいな仕上がりや、優れた耐久性を期待することは難しいです。
専門の業者に依頼する場合、DIYよりも予算が必要です。しかし、耐久性はもちろんのこと、見た目の美しさも保障されると考えてよいでしょう。
部屋の中でアルミサッシは、意外にもよく目立ちます。アルミサッシに汚れや色ムラがあると、きれいに整えられた室内でも寂れた印象を与えかねません。
そのため、アルミサッシの塗装は、専門業者に依頼することをおすすめします。
アルミサッシの塗装を検討されている方は、まずは一括査定サイトを利用することをおすすめします。一括査定サイトでは、見積額を比較できるだけでなく、あなたの自宅近くの業者についての情報も入手できます。