「シリコン塗料」は、日本国内で多く利用されている塗料のひとつです。機能性・耐久性・価格面においてバランスがよく、優れたパフォーマンスを発揮します。汚れにも強く、季節によって変動する天候や気候にも対応できるため、多くの外壁や屋根の塗装に使用されています。
今回はシリコン塗料の特徴と、塗装する前に知っておくべきことについて紹介します。
シリコン塗料とは
「シリコン塗料」とは、シリコン系・アクリルシリコン系の合成樹脂を主成分としている塗料を指します。
また、ほとんどの塗料メーカーはシリコン塗料のひとつである「アクリルシリコン樹脂塗料」を略して「シリコン塗料」として販売しています。
似た名称のもので、アクリル樹脂を主材料とした「アクリル塗料」もあります。寿命が短く、外壁や屋根にはほとんど使用されません。
シリコン塗料の特徴
シリコン塗料にはセラミック成分が配合されていることがほとんどです。そのため、汚れに対する耐性があり、断熱性・遮熱性が高いといったメリットもあります。
撥水性も高いことから、雨や泥を弾き、塗装したての外観を保てる上、汚れが付着しても簡単な清掃できれいに落とすことが可能です。
また、外壁の内側に生じる内部結露を防止する効果もあるため、結露対策としてリフォームで使用されることも多いです。
シリコン塗料の耐用年数と費用
シリコン塗料の耐用年数は10~15年といわれています。
また、シリコン塗料を塗装する場合、1㎡あたり2,300~3,000円かかります。
以下の表で、外壁や屋根塗装に使われるほかの塗料と耐用年数や費用を比較してみましょう。
塗料の種類 | 耐用年数(年) | 費用相場(円/㎡) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 約5~7 | 1,400~1,600 |
ウレタン塗料 | 約8~10 | 1,700~2,200 |
シリコン塗料 | 約10~15 | 2,300~3,000 |
ラジカル塗料 | 約10~15 | 2,500~4,000 |
ピュアアクリル塗料 | 約12~15 | 3,500~4,500 |
フッ素塗料 | 約15~20 | 3,800~4,800 |
無機塗料 | 約20~25 | 4,500~5,500 |
光触媒塗料 | 約15~20 | 4,200~5,000 |
遮熱塗料 | 約15~20 | 5,000~5,500 |
比較的耐用年数があり、ほかの塗料よりも安いシリコン塗料は、コストパフォーマンスに優れていることが分かります。
また、外壁や屋根を塗装する場合、塗料代とは別に、足場の設置代や業者の人件費などがかかります。
シリコン塗料はどんな人におすすめ?
価格や費用のバランスが良く、人気が高いシリコン塗料ですが、どのような人に選ばれているのでしょうか。
こだわりがなく、何を選べばよいか分からない方
シリコン塗料は、コストパフォーマンスがよいことから、多くの塗装現場で利用されています。
塗料に迷ったり、こだわりがない方は耐久性や価格のバランスがとれたシリコン塗料を選択する場合がほとんどです。また、業者からしても一番提案する頻度が高いものです。
定期的なメンテナンス、清掃が面倒な方
シリコン塗料は汚れがつきにくく、汚れを落としやすいので、メンテナンスを楽に行えます。
そのため、外壁の美観を維持するのが面倒な方は、シリコン塗装がおすすめです。
光沢がある仕上がりにしたい方
シリコン塗料の艶(ツヤ)ありタイプでは、色あせがしにくく、艶が長期間維持できます。
無機質塗料の方が艶は長持ちしますが、予算的に厳しい場合はシリコン塗料を選択するとよいでしょう。
シリコン塗装する前に知っておくべきこと
シリコン塗装を業者へ依頼する場合も自身で行う場合でも、失敗は避けたいところです。
失敗すると、再塗装することになり、本来なら不要な費用が発生してしまう可能性があります。
また、業者に不当な請求をされる可能性もあります。
納得がいくシリコン塗装をするために、事前に知っておくべきことを紹介します。
自宅にあった塗料選びが大事
シリコン塗料は、商品の種類が豊富なため、自宅の状況や将来的なプランを考慮し最適な塗装方法と塗り替え時期を確認しておく必要があります。
塗料を選ぶ際のポイントとして、以下が挙げられます。
- 地域、方角、地形などの環境
- 築年数、外壁の状態
- 外壁材との相性
メンテナンスや塗り替えのタイミングは、ライフプランや資金計画とも密接に関わりがあります。長期的な目線でどの塗料が最適であるか検討しましょう。
早めに業者に相談して、複数の提案を比較することをおすすめします。
シリコン含有率
シリコン塗料はアクリルとシリコンを混ぜて作られますが、シリコンの含有率に関する規定はありません。既存製品のシリコン含有率は、低いもので20%以下、高いもので45~65%です。
このシリコン含有率は、塗料の効果に大きく影響します。含有率が高いほど汚れにくく耐久性が高くなり、費用も高額です。
含有率を把握できればよいですが、残念ながらカタログやメーカー公式サイトでは記載されていないことがほとんどです。これを逆手に、シリコン含有率の低い塗料を使用し、高額な請求をする悪質な業者が存在するため、注意が必要です。
不当な請求を受けないように、以下の2点に注意するのが、最も安全でしょう。
- 信頼できる施工業者を選ぶ
- 単価が明示されている大手メーカーの塗料で施工してもらう
水性か油性か
塗料は、「水性」と「油性」の2種類に分けられます。
基本的に、塗料は液体で薄めて壁に塗ります。塗装後は乾かし、液体を蒸発させることで密着させます。
そこで、水で溶かすのが水性、シンナーなどの溶剤で溶かすのが油性です。
水性と油性の特徴は下記のとおりです。
- 水性
- においが少なく油性塗料に比べて安いものが多い
- 油性
- においがきついが耐久性に優れる
信頼できる業者へ依頼する
自身が塗装に関する知識をもたない場合、見積もりを見ただけでは、本当に適正な価格で施工されるのか分かりません。
そのため、信頼できる施工業者に依頼することが大切です。
その塗装業者をどうやって探せばよいのでしょうか。
対策として、地域で実績の高い業者を選定してみましょう。ここで1社に絞る必要はありません。地域に根付いている、ということは、優良な実績と信頼があるということです。悪質な場合は、口コミや各種評価・レビューなどでも酷評を受け、その地域で仕事を続けられなくなります。
各企業のホームページなどから情報を集め、施行事例を実際に見てみるのもよいでしょう。
他にも業者に依頼する際は以下のポイントを確認するとよいでしょう。
- 担当者の対応が丁寧か
- アフターサービス、保証があるか
- 分からない専門用語を使われ、契約を急がされていないか
業者選択に迷った場合は、相見積もりを取りましょう。極端に高い・安い場合や交渉で大幅な値下げをする、といった行為が見られた場合は優良店とは言えません。
相見積もりを取る際は、一括査定サイトを活用することをおすすめします。
一括査定サイトで依頼することによって、同時に複数社から提案を受けられます。
複数社と接点ができるので、騙されるリスクが少ないです。また、相見積もりにより業者同士の価格競争が起こり、費用を安く済ませられるかもしれません。
当サイトの登録業者は実績・経験が豊富な優良店の場合が多く、知識を持たない顧客にも丁寧にサポートしてくれます。