屋根の機能はさまざまで、屋根材や塗料によって雨や紫外線、熱などから室内を守っています。
今回は、そんな屋根に塗装する「断熱塗料」について説明していきます。
屋根に使う断熱塗料の特徴や種類は?
まずは屋根に使う断熱塗料の特徴や種類について解説します。
断熱塗料と似たような塗料である遮熱塗料との違いや、屋根におすすめの断熱塗料など、いろいろな観点でみていきましょう。
断熱塗料と遮熱塗料の違い
断熱塗料と遮熱塗料とでは、何が違うのでしょうか。特徴、耐用年数、費用の3つの観点から違いを確認します。
断熱塗料 | 遮熱塗料 | |
---|---|---|
特徴 | 室内への熱や冷気の侵入を防ぎ、室内の温度を外に逃がしにくくします。 | 熱を反射させ、屋根の表面温度を下げます。 |
耐用年数 | 約15年~20年 | 約10年~20年 |
費用 | 3,500~4,000円/㎡ | 2,300~3,500円/㎡ |
断熱塗料は、熱や冷気の室内への侵入を防ぐ効果があります。そのため、夏と冬、どちらでも快適に室温を快適に保つ効果があります。
ある実証試験では、断熱塗料によって1カ月の電気代が約3%低下するというデータもあるようです。 一方の遮熱塗料は、屋根の表面温度を下げる効果なので、夏の暑さ対策に対して有効であるといえます。
また、耐用年数や費用でみてみると、遮熱塗料よりも断熱塗料のほうが長持ちするものの、平米単価は高いことがわかります。断熱塗料の費用について詳しくは後述します。
屋根におすすめの断熱塗料は?
一般的によく使われる断熱塗料を選定し、効果や細かな特徴を一覧にまとめました。
断熱塗料 | 効果 | 特徴 | 耐用年数(年) |
---|---|---|---|
ガイナ | 断熱・遮熱・防音効果 | ロケットの技術を応用しており、断熱効果が非常に高いといわれます。耐久性にも優れており、費用対効果の高さに定評があります。また、防音効果にも優れており、国道近くなど音が気になる住宅にも向いています。 | 15~20 |
断熱コートEX | 断熱・遮熱・保温 | 光安定剤や紫外線吸収剤が入っているため、トップコート(最後に塗る塗料)が不要です。トップコートが不要な分、工期が短く、工事費が安く抑えられます。 | 8~10 |
キルコート | 断熱・遮熱・防音効果 | 断熱、遮熱、防音効果があります。また、伸縮性に優れており、モルタル仕上げなど、ひび割れが発生しやすい下地への塗装に適しています。 | 15~20 |
ドリームコート | 断熱・防水・透湿効果 | 断熱だけでなく、防水機能があるため雨水を防止できます。また、透湿性があるため、梅雨の時期などに気になる湿気を逃がす効果があります。 | 12~15 |
屋根に断熱塗料を使うメリットは?
屋根に断熱塗料を使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを紹介します。
エアコンの省エネが期待できる
断熱効果により室内への熱や冷気の侵入を防ぎ、また、室内の熱を外に逃がしにくくします。そのため、暑い時期や寒い時期にエアコンの使用頻度を抑えることができ、省エネに繋がります。
上述の塗料「ガイナ」の場合、約20%の節電に成功した事例もあるようです。
ランニングコストを抑えられる
シリコン塗料など一般的な塗料の場合、耐用年数は10~15年です。それに対して断熱塗料は、使用塗料にも寄りますが、15~20年と約5年長いです。
耐用年数が長いので、ランニングコストは安く抑えられる可能性があります。
ちなみに、詳しくは後述しますが、初期費用が高い塗料ほど長持ちする傾向があります。つまり、最初に高いお金をだせば、その後のメンテナンスにかかるお金を抑えられる可能性があるというわけです。もちろん、立地条件などにより塗料を塗り替えるタイミンが早くに訪れることがあるので、塗装時に確認しておきましょう。
結露の発生を抑えられる
断熱効果があれば、室内の結露を防止することができます。
室内で結露が発生すると、壁や天井の石膏ボードに水が付着します。そのまま放置すると、石膏ボードが痛み、張り替えが必要になります。それに合わせてクロスの張り替えも発生し、結果として、内装工事費が余分にかかる可能性があります。断熱塗料なら、それを未然に防ぐことができます。
屋根に使う断熱塗料の費用は?
屋根に使う断熱塗料の費用は、どれくらいなのでしょうか。塗料の種類毎の相場や、適正価格を知る方法について説明します。
費用は断熱塗料の種類によって違う
先述のように、断熱塗料にはさまざまな種類があります。また、選ぶ色によっても費用が異なります。
ここで実際の商品をもとに、金額をみてみましょう。
断熱塗料 | 容量 | 価格(円) | 単価 | |
---|---|---|---|---|
ガイナ | ホワイト | 14kg | 56,000 | 4,000円/kg |
カラー | 14kg | 58,000 | 4,143円/kg | |
断熱コートEX | 白 | 10kg | 15,000 | 1,500円/kg |
淡彩 | 10kg | 18,000 | 1,800円/kg | |
濃彩色 | 10kg | 20,000 | 2,000円/kg | |
キルコート | キルコートB(BW) | 16kg | 42,000 | 2,625円/kg |
キルコート主剤 | 12kg | 48,000 | 4,000円/kg | |
キルコートTS遮熱 | 16kg | 80,000 | 5,000円/kg | |
ドリームコート | 14L | 11,000 | 786円/L |
断熱塗料の価格は種類によってかなりの差があります。そのため、立地条件や初期費用ランニングコストなどを考慮し、専門の事業者と打ち合わせをしながら選定するとよいでしょう。
断熱塗料の相場を把握する方法は?
所有する住宅に適した性能、金額を持つ断熱塗料を選ぶために重要なことは、複数の事業者から見積書をもらうことです。
手間と時間がかかるからと一社のみの見積書で決める方もいますが、結果として高い工事代金を支払うケースが散見されます。屋根の塗装工事は決して安い買い物ではありません。また、なかなか経験することがない工事なので本来は慎重に検討すべきものです。手間を惜しまず、複数の事業者に相談をするとよいでしょう。
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