外壁塗装の塗料のなかでも、高級感のある仕上がりになるのがセラミック塗料です。セラミック塗料には外壁に汚れがつきにくいという特徴があるため、家の外観をきれいに保てます。
ただし、施工会社のなかには質の悪いセラミック塗料を使う悪質な会社もあります。
大切な家を長く使うためにも、セラミック塗料の特徴や注意点を確認しておきましょう。
セラミック塗料の特徴
セラミック塗料とは、陶磁器、ガラス、天然の砂や石などのセラミック成分を配合した塗料のことをいいます。
外壁塗装に使われる塗料には、アクリル、ウレタン、シリコン、ラジカル、フッ素といった種類がありますが、これらの塗料にセラミック成分を配合したものがセラミック塗料です。 セラミック成分の割合が多い塗料は、無機塗料や無機ハイブリッド塗料とも呼ばれます。
外壁塗装にセラミック塗料を使うことで、次のような効果があります。
- 外壁に汚れが付きにくい
- 家のなかが暑くなりにくい
- デザイン性が高い
それぞれの特徴について確認していきましょう。
外壁をきれいに状態を保てる
セラミック塗料は、外壁についた汚れが落ちやすい特徴があります。
塗料に含まれているセラミック成分は、親水性が高く水分が馴染みやすい性質があり、雨水が外壁に当たると膜のように薄く広がります。その結果、汚れが浮き上がるため、雨水と一緒に流れやすくなるのです。セラミック塗料は、雨が降るたびに外壁の汚れを落としてきれいに保ってくれるため、家の外観をきれいな状態に保てます。
遮熱・断熱効果がある
セラミック塗料に含まれるセラミック成分のなかには、遮熱効果や断熱効果を持つものがあります。
たとえば、高日射反射がある成分を配合したセラミック塗料は、太陽光に含まれる光を反射してくれます。外壁に直射日光が当たっても熱を持ちにくくなるため、家のなかの温度が上昇するのを抑えてくれるのです。また、内部が空洞になっている中空粒子の成分を配合したセラミック塗料では、セラミック成分の内部にある空間が空気の移動を抑えてくれます。
そのため、外部からの熱が家のなかに侵入するのを抑えるだけでなく、家のなかの熱を外部に逃がしにくくする断熱効果があります。
デザイン性が高い
セラミック塗料には、鉱物を主にした成分が含まれています。これらの成分は、外壁に立体感と深みのある色合いを出します。
セラミック塗料に含まれる成分によっては、本物の御影石を貼り付けたような重厚感を出すことが可能です。成分の異なるセラミック塗料を使用すれば、砂壁調の高級感のある外壁に仕上げることもできます。
セラミック塗料の注意点
セラミック塗料には、次の注意点もあります。
- 耐用年数が長いとは限らない
- 材料の単価が高い
- ヒビ割れしやすい
- 施工できる会社が少ない
それぞれの注意点について確認しておきましょう。
耐用年数が長いとは限らない
セラミック塗料の耐用年数は、ほかの塗料と比べて長いということはありません。
セラミック塗料の成分に含まれている鉱物は、紫外線で劣化しにくいものが多いため、直射日光による劣化がゆるやかです。
しかし、セラミック塗料は、ベースとなる塗料の影響を受けます。セラミック成分の劣化が遅くても、塗料の劣化速度はほかの塗料と変わりません。そのため、セラミック塗料の耐用年数はベースとなる塗料に左右されてしまうのです。
ベースとなる塗料の耐用年数は次のとおりです。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
ウレタン | 7~10年 |
シリコン | 10~15年 |
ラジカル | 10~15年 |
フッ素 | 15~20年 |
たとえば、セラミック塗料がウレタン系塗料をベースしていれば耐用年数は7~10年となり、フッ素塗料がベースであれば耐用年数は15~20年です。
施工会社のなかには、セラミック塗料だから耐用年数が長いと説明する会社もありますが、耐用年数はベースの塗料が基準になります。
塗料ごとの特徴と耐用年数については関連記事もご確認ください。
ほかの塗料よりも価格が高い
セラミック塗料は、ほかの塗料よりも単価が高い傾向があります。外壁塗装で使われる塗料と代表的なセラミック塗料の単価の比較は次のとおりです。
塗料の種類 | 費用相場(m2) |
---|---|
ウレタン | 1,700~2,000円 |
シリコン | 2,300~3,500円 |
ラジカル | 2,500~4,000円 |
フッ素 | 3,800~4,800円 |
塗料名 | 単価(m2) | メーカー名 |
---|---|---|
ガイナ | 3,500~5,000円 | 日進産業 |
ファイン4Fセラミック | 2,800~3,400円 | 日本ペイント |
ジキトーン御影 | 10,500~35,000円 | |
ジキトーンセラローラー | 7,500~15,000円 | |
アレスシリコンストーン | 6,000~6,500円 | 関西ペイント |
ネオフレッシュティアラシリーズ | 4,400~6,000円 | 山本窯業化工 |
また、セラミック塗料は耐久性を上げるため、塗装したあとにクリア塗装を施す必要があります。この工程は通常の塗料にはないため、工程がひとつ多くなります。そのため、塗料の費用だけでなく、作業にかかる費用もほかの塗料よりも高くなります。
ヒビ割れしやすい
セラミック塗料に含まれる成分は硬度が高く柔軟性がないため、衝撃が加わるとヒビ割れができやすいです。外壁材は気温差で収縮や膨張を繰り返しているため、常に一定の状態ではありません。この状態が続くと、塗装が耐えられなくなりヒビ割れが起こってしまうのです。
また、地震の揺れによる衝撃でも、ヒビ割れが起こるおそれがあります。ただし、セラミック塗装が地震でひび割れた場合、地震保険に入っていれば保険で塗り替え費用の負担が減らせる可能性があります。
施工できる会社が少ない
セラミック塗料の効果を発揮するには、ムラなく塗装する必要があり、高い技術力が求められます。セラミック成分が含まれていない塗料とは施工の方法が異なるため、正しい知識も必要です。そのため、セラミック塗料を扱える施工会社は多くないのが現状です。
セラミック塗料をすすめる施工会社がいた場合、施工実績などを提示してもらい、技術と知識があるのか確認しましょう。
セラミック塗料をすすめる悪徳業者に注意!
外壁塗装にセラミック塗料を提案する悪質な施工会社に注意しましょう。セラミック塗料には厳密な定義がないため、セラミック成分が1%でも塗料に含まれていれば、セラミック塗料になります。そのため、セラミックの配合が少ないオリジナルの塗料を、高い費用で施工する業者があとを絶ちません。
外壁塗装は費用が高額なため、優良な施工業者を選ぶ方法を確認しておきましょう。
使用する塗料の名称を確認する
施工会社からセラミック塗料の提案を受けた際は、塗料の名称を確認しましょう。
塗料メーカーが販売しているものであれば、塗料の性能は問題ないでしょう。塗料メーカーが販売している代表的なセラミック塗料は次のとおりです。
メーカー名 | 製品名 |
---|---|
日進産業 | ガイナ |
日本ペイント | ファイン4Fセラミック |
ジキトーン御影 | |
ジキトーンセラローラー | |
関西ペイント | アレスシリコンストーン |
山本窯業化工 | ネオフレッシュティアラシリーズ |
関西ペイント | セラMシリーズ |
菊水化学工業 | 菊水スキンコート |
エレガンストーン | |
NCK株式会社 | アドグリーンコート |
単価が安いからといってオリジナルのセラミック塗料を選ぶと、トラブルにつながるおそれがあります。塗料メーカーが販売している塗料を選びましょう。
複数の施工会社を比較する
悪質な施工会社に外壁塗装を依頼しないためには、複数の会社に相談をしてサービス内容や費用を比較することが重要です。
オリジナルのセラミック塗料を使っていたり、費用が相場とずれている会社に依頼をすると、施工が終わったあとトラブルになるおそれがあります。せっかく塗装をしても、質の悪い塗料や施工をされると補修に高額な費用がかかることがあります。
施工会社を比較するなら一括比較サイト「ぬりマッチ」が便利です。必要事項をチャット形式で入力していくだけで複数の業者に査定を依頼できます。外壁塗装を検討している方は、ぜひご利用ください。