【放置厳禁】屋根の苔を除去する方法と費用|生える原因と予防法

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【放置厳禁】屋根の苔を除去する方法と費用|生える原因と予防法

屋根に生えてしまった苔を除去する方法と、生えないようにする対策を紹介します。苔のある屋根は見栄えが悪いだけでなく、屋根材を劣化させるため、放置せずに対処しましょう。

苔の除去、対策には複数の方法があるので、それぞれを比較して、自宅に合ったものを選んでください。

屋根に苔が生えたら要注意!放置するとどうなる?

苔が生えた屋根

苔が生えた屋根

築年数の経過とともに、屋根に苔が生えることがあります。なぜ屋根に苔が生えるのか、苔をそのまま放置するとどうなるのかを解説します。

屋根に苔が生える原因

苔の胞子は空気中を浮遊しています。その胞子が屋根に付着すると、屋根材に含まれる水分と汚れに含まれる有機物を栄養源にして繁殖します。

屋根が苔の繁殖しやすい状態になるのは、次の4つの原因が考えられます。

  • 屋根材の防水効果が低下
  • 日当たりが悪い環境
  • 屋根材の表面に凹凸がある
  • 近くに森、林、川がある

それぞれの原因について解説します。

屋根材の防水効果が低下

屋根材は太陽からの紫外線や風雨の影響を長年受けて、表面の塗膜が徐々に劣化します。塗膜が劣化すると防水効果が落ちるため、雨が降ると屋根材が水分を含むようになります。そして屋根材に付着した汚れには、苔の栄養になる有機物が含まれているため、苔の育成に必要な水分と栄養がそろってしまうのです。屋根材の防水効果の低下が苔の育成がしやすい環境をつくり、繁殖を促してしまうのです。

日当たりが悪い環境

日当たりの悪い環境は、苔が繁殖しやすい条件のひとつです。日当たりの悪いじめじめとした屋根は、いつまで経っても水分が蒸発しないため苔が好む水分の多い状態になります。こういった理由から日当たりが悪い北側の屋根は、苔が生えやすくなっています。

屋根材の表面に凹凸がある

スレート屋根のように表面に凹凸がある屋根材は、表面に苔の胞子が付着しやすくなっています。さらに屋根材の劣化が加わると、胞子の付着しやすくて繁殖しやすいという苔の育成にぴったりな状態になってしまうのです。

スレート屋根
セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工した屋根材。スレート瓦ともいう。軽量なのが特徴で、建物への負荷が低いため耐震性を高められる。

近くに森、林、川がある

近くに森や林、川があると、屋根に苔が生えやすくなります。森や林には苔が生えているため、空気中に浮遊する胞子の量が多いのです。さらに近くに川が流れていると空気中の水分が多くなるため、苔が繁殖しやすい環境になるのです。

苔を放置するとどうなる

苔を除去せずに長い期間放置すると、次のような悪影響が出ます。

  • 苔が増殖して見た目が悪くなる
  • 屋根材の水はけが悪くなる
  • 屋根材が劣化する

それぞれの苔による悪影響について解説します。

苔が増殖して見た目が悪くなる

生えた苔を放置すると、当然ですがどんどん繁殖します。苔が屋根全体へ広がると、見た目が非常に悪くなります。見た目が悪くなるだけでなく、苔によっては屋根材を劣化させるため、早めに除去してください。

屋根材の水はけが悪くなる

生えた苔を放置し続けると、屋根材が水を含んだ状態になって水はけが悪くなります。苔の繁殖状況や屋根の劣化具合によっては、屋根の塗装や葺き替えが必要になります。

屋根材が劣化する

苔の繁殖を放置し続けると、水分を含んだ屋根材に割れや剥がれなどが発生するおそれがあります。屋根材の劣化によって、雨漏りが起こることもあります。

苔の発生に気づいたときは放置せず、早めの対策を検討してください。放置期間が長いと苔の除去だけでなく、屋根の塗装などメンテナンスの費用も必要です。

屋根の苔の除去する方法

屋根に発生した苔を除去する方法を紹介します。苔の除去は高所作業で危険をともなうため、専門の会社へ依頼しましょう。

高圧洗浄

苔の発生が初期の状態であれば、水圧を利用した高圧洗浄による除去が可能です。ただし、高圧洗浄を行うと屋根材の塗膜を傷めるおそれがあるため、屋根塗装と合わせて検討しましょう。

バイオ洗浄

バイオ洗浄は、苔を取り除く薬剤を噴霧して除去する方法です。高圧洗浄と違って、屋根材への影響が少ないことが特徴です。苔の繁殖が進んでいる場合は、バイオ洗浄での除去を検討しましょう。

苔の除去にかかる費用の目安

苔の除去にかかる費用の目安は次のとおりです。

苔を除去する方法別の費用の目安
  費用(円/1m2あたり) 注意点
高圧洗浄 150~300
  • 屋根材を傷める可能性がある
  • 屋根塗装と同時の対処がおすすめ
バイオ洗浄 250~500
  • 屋根材を傷めない
  • 高圧洗浄より高価

※足場費用が別途必要です。家の広さによって異なりますが、20~30万円が目安です

屋根面積が小さく施工範囲が狭い場合は、洗浄作業一式でいくらという見積もりになる会社もあります。1m2あたりの金額で計上すると、作業内容に売り上げが見合わないためです。決してだまして儲けようと考えているわけではないので、見積もり内容は必ず確認しましょう。

DIYは危険!苔のある屋根はすべりやすい

もしDIYで苔の除去を検討している方がいたら、決して行わないでください。高所にある屋根で苔を除去する作業は、専門家でも大変危険な作業です。

苔の生えた屋根はすべりやすく、水などで洗うことでさらにすべりやすい状態になります。誤って屋根から落ちるようなことがあれば、命の危険もあります。苔の除去をDIYで行うのはとても危険なので、必ず専門の会社に依頼しましょう。

DIYは危険です!屋根のチェック、施工は専門の施工会社に依頼してください

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屋根に苔を生えにくくする方法

苔が生えるたびに専門家へ除去を依頼するのは、手間も費用もかかるため相当な負担になります。屋根に苔が生えないように対策をするのもよいでしょう。

苔の生えにくい屋根材に替える

いま使っている屋根材から、苔の生えにくい屋根材へ替えるのもひとつの方法です。屋根材を変える方法には、屋根材のえとかさきがあります。

葺き替えと重ね葺きがどういった方法なのか、どれくらいの費用がかかるのかについて解説します。

葺き替え

葺き替えは、古い屋根材を撤去して新しい屋根材を葺く方法です。スレート屋根のような表面に凹凸がある屋根材から、表面がフラットな金属製の屋根材に葺き替えることで苔の生えにくい屋根にできます。

足場代やもとの屋根材を撤去する費用がかかることに加えて、葺き替える屋根材によっては下地工事や雨樋あまどいの交換工事も必要になるため費用が高くなる傾向にあります。また、工事期間も長くなります。

重ね葺き

古い屋根材撤去せずに、新しい屋根材をうえから重ねて葺く方法が重ね葺きです。もとの屋根材を撤去せずにうえから重ねるため費用を抑えられるほか、工事期間も短くできます。

重ね葺きに対応する屋根材しか選べないため、選択肢が少ないというデメリットがあります。

屋根材を替える費用の目安

たとえば屋根材をガルバリウム鋼板に変更する場合、費用の目安は次のようになります。

屋根材を替える費用の目安
工法 下地工事含む単価(円/1m2あたり) 費用(円) ※屋根面積100 m2想定
葺き替え 1万2,000~1万8,000 120~180万
重ね葺き 8,000~1万2,000 80~120万

もとの屋根材撤去の費用を含む

足場費用や雨樋工事などが、別途必要になることもあるので注意してください。詳しい金額を知りたいときは、施工会社に見積もりを依頼しましょう。

ガルバリウム鋼板
スチール鋼板にアルミニウムを含んだめっき塗装をした金属製の屋根材。耐久性が高く、サビにくい。

屋根塗装

屋根に塗装をすることで、苔を生えにくくできます。屋根材を替えると費用が高額になるため、少しでも費用を抑えたい方は屋根塗装を検討しましょう。

機能性塗料を使用する

屋根塗装をするときは、苔が生えにくい性能がある機能性塗料を使用しましょう。苔対策になる機能性塗料は次のとおりです。

苔予防になる塗料の種類と特徴
塗料 特徴と効果
つやのある塗料 塗料は塗膜の表面がなめらかなほどつやが出ます。つやのある塗料を使うことで屋根表面がツルツルとした仕上げになるため、苔の胞子が付着しにくくなって苔の発生を防ぎます
遮熱塗料 遮熱塗料は塗膜表面が汚れると効果が落ちるため、塗膜表面の汚れを落ちやすくする性能を持たせています。遮熱塗料を使うことで屋根材表面に付着した苔の胞子が汚れとともに流れ落ちやすくなります
防カビ、防藻効果のある塗料 薬剤やイオンの効果でカビや藻の増殖を抑えます。カビや藻の発生で屋根材が劣化すると苔の胞子が付着しやすくなるため、防カビ、防藻効果のある塗料を使うことで苔の予防につながります

遮熱
日光を反射したり、日光の熱を吸収したりすることで熱が屋内に伝わらないようにすること。

屋根塗装にかかる費用の目安

屋根塗装に使われる塗料はつやをつけられるほか、防カビや防藻効果があるものが多いです。そのため塗料の機能の違いではなく、塗料の種類を分類して費用の目安を紹介します。

塗料別の屋根塗装の費用(円)
建坪/屋根面積(想定) フッ素塗料 シリコン塗料 ウレタン塗料
15坪/75 m2 19~26万 15~19万 12~15万
20坪/100 m2 25~35万 20~25万 15~20万
25坪/125 m2 32~44万 25~32万 18~25万
30坪/150 m2 38~53万 30~38万 22~30万

※足場費用が別途必要になります

塗料の違いによって、耐用年数が次のように異なります。耐用年数と費用のバランスを見て塗料を選んでください。

屋根に使われる塗料の耐用年数
  フッ素塗料 シリコン塗料 ウレタン塗料
耐用年数(年) 15~20 10~15 7~10

複数業者から見積もりを取って比較する

屋根の苔対策を検討している方は、施工会社に見積もりを依頼しましょう。複数の施工会社に見積もりを依頼すれば、適正な工事内容や費用がわかるためおすすめです。なかには依頼主に知識がないことをよいことに、不要な工事をすすめたり、相場より高い見積もりを提出したりする施工会社があります。複数社へ見積もりを依頼すれば、そういった悪質な業者にだまされずに済みます。

しかし、複数の施工会社に見積もりを依頼するのは手間がかかります。そのため、「ぬりマッチ」から屋根塗装などの見積もりを依頼するのがおすすめです。Webサイトから見積もりを一度依頼するだけで、複数の施工会社へ見積もりを依頼できます。

注意すべきポイントとしては、見積もりの一番安い施工会社が一番よいとは限らない、ことです。それぞれの施工会社に相談して、満足のできる、信頼ができる対応してくれた会社に依頼しましょう。

【完全無料】苔の生えた屋根が気になる人は、施工会社に点検を依頼してください

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