外壁塗装ビジネスを営む皆様にとって、お客様からの「ありがとう」の声は、何よりも力強い宣伝材料となります。しかし、その貴重な声をどのように集め、集客に繋げれば良いのでしょうか?この記事では、外壁塗装業者がぜひ知っておきたい、お客様の声の集め方と、それを最大限に活用して集客を成功させるための具体的な方法を、成功事例を交えながらご紹介します。
なぜ今、外壁塗装業者に「お客様の声」が不可欠なのか?
外壁塗装は、建物の美観を保つだけでなく、雨風や紫外線から住宅を守り、耐久性や防水性を高めるための重要なメンテナンスです。適切な時期に塗装を行うことで、住宅の寿命を延ばし、資産価値を維持することにつながります。しかし同時に、外壁塗装は決して安価ではない、お客様にとって一生に一度か二度といった高額な買い物となることが一般的です。そのため、多くの顧客は業者選びに対して極めて慎重になります。インターネット上の失敗談や、担当者によって施工品質が左右されるのではないか、過剰な営業をされるのではないかといった不安を抱えているお客様も少なくありません。こうした状況下で、第三者からの客観的な評価である「お客様の声」は、業者の信頼性を証明し、顧客の不安を払拭する上で最も強力な要素となるのです。
理由 |
詳細 |
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顧客の不安払拭・信頼獲得 |
高額な買い物への慎重さ、インターネット上の不安に対し、第三者からの客観的評価で信頼性を証明する。 |
インターネット集客力向上 |
情報収集の主流であるインターネット上で、比較検討の対象となるために必須。掲載がないと他の業者に流れる機会損失を防ぐ。 |
他社との差別化 |
価格や技術力だけでは伝えきれない、職人の人柄や丁寧なコミュニケーションなど、数値化しにくい付加価値を顧客自身の言葉で伝える。 |
サービス品質向上 |
顧客からの率直なフィードバックは、自社の強み・弱み・ニーズを知る貴重な情報源。継続的な収集・分析によりサービス改善につなげ、顧客満足度を高める。 |
お客様の声で集客力アップ!明日から使える成功事例10選
「お客様の声」がなぜ重要か、前章でご理解いただけたことと思います。では、集めた声を具体的にどのように活用すれば、実際の集客につながるのでしょうか。この章では、「お客様の声」を効果的に活用し、集客アップに成功した外壁塗装業者の具体的な成功事例を10個ご紹介します。
これらの事例は、初めての外壁塗装で感じるお客様の不安を解消するものから、信頼を深める方法、新規受注の拡大、ファン獲得に至るまで、多岐にわたるアプローチを含んでいます。
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初めての外壁塗装で感じる不安の解消
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施工プロセスの「見える化」による信頼構築
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Webポータルサイトの評価を活用した新規受注の拡大
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正直な声も公開する誠実な姿勢でのファン獲得
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オンラインとオフラインを組み合わせた声の収集方法
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アンケート謝礼の工夫による効率的な収集
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手厚いアフターフォローからの紹介促進
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職人の人柄を伝える訴求
上記のように、様々なアプローチの成功事例があります。これらの事例を参考に、皆様の会社でも「明日から実践できる」具体的なヒントやアイデアをぜひ見つけてください。
事例1:女性顧客の「職人への不安」を解消し、顧客満足度96%を達成
外壁塗装を検討する女性顧客の中には、自宅の敷地内に見知らぬ男性が出入りすることや、男性の職人とのコミュニケーションに不安を感じる方が少なくありません。こうした声に応えるため、ある外壁塗装業者は女性顧客向けの特別な取り組みを始めました。具体的には、相談窓口に女性プランナーを配置し、契約前からの疑問や不安を話しやすい環境を整備。さらに、施工開始前には、当日担当する職人全員の顔写真と簡単なプロフィールを記載した紹介シートをお客様に手渡し、安心感を持ってもらう工夫をしました。日々の作業報告も、専門用語を避け、誰にでも分かりやすい言葉で丁寧に説明することを徹底したのです。
これらの取り組みの結果、「女性の担当者だから安心して相談できた」「事前に職人さんの顔が分かって不安が和らいだ」「毎日分かりやすく説明してくれて、作業内容がよく理解できた」といったお客様の声が多く寄せられました。こうした細やかな配慮と丁寧なコミュニケーションがお客様からの厚い信頼に繋がり、結果として顧客満足度96%という高い評価を獲得。特に女性顧客からの問い合わせ件数が増加し、お客様からの口コミ紹介も増えるなど、確かな集客成果に繋がっています。
事例2:施工プロセスの「見える化」により、揺るぎない信頼を獲得
外壁塗装の工程は専門的で、お客様にとっては「今、家で何が行われているのか」が分かりにくいものです。この「見えない」状況はお客様の不安に繋がりがちです。そこで、ある業者は施工プロセスの「見える化」を徹底しました。具体的には、工事期間中、日々の作業内容を写真付きで分かりやすくまとめた報告書を作成。さらに、お客様とのLINEグループを作り、リアルタイムで進捗状況や翌日の作業予定を共有しました。
これにより、お客様はたとえ日中不在にしていても、自宅の工事がどのように進んでいるかを常に把握できるようになりました。専門的な工程も写真や簡単な説明で理解が深まり、「何をされているか分からない」という漠然とした不安が解消されます。工事に対する透明性が高まることで、お客様は安心して任せられると感じ、業者への揺るぎない信頼に繋がったのです。結果として、「毎日丁寧な報告があり、安心して見守れた」「進捗が分かって助かった」といった感謝の声が多く寄せられ、その声がさらなる新規顧客を呼ぶ好循環を生んでいます。
事例3:Webポータルサイトの評価を戦略的に活用し、新規受注を拡大
インターネット上での競争が激化する中、ある外壁塗装業者は新たな集客チャネルとして大手の外壁塗装ポータルサイトへの登録を決めました。Web集客の専門知識が少ない状況でも始められる点に着目し、まずはポータルサイトからの問い合わせ獲得を目指しました。施工完了後、特に顧客満足度が高かったお客様に対し、ポータルサイトへの口コミ投稿を丁寧に依頼しました。投稿方法が分からないお客様のために、簡単な手順をまとめたガイドを手渡すなど、投稿のハードルを下げる工夫も行いました。
こうした取り組みの結果、ポータルサイトには高評価の口コミが集まり始め、「地域満足度No.1」「星4.8獲得」といった客観的な評価を得ることに成功しました。これらの高評価を自社のホームページの目立つ位置に掲載したり、商談時の資料に盛り込んだりすることで、第三者からの信頼性を強く訴求しました。その結果、ポータルサイト内での自社ランキングが向上し、サイト経由の問い合わせ数は以前の倍以上に増加しました。さらに、相見積もりになった際にも、ポータルサイトでの高評価が後押しとなり、成約率も顕著に向上しました。ポータルサイトの評価を戦略的に活用することが、新規顧客獲得と成約率向上に大きく貢献した成功事例と言えます。
事例4:「長期的な安心」という顧客の声を強みに変え、高付加価値で成約
お客様が外壁塗装に求めるものは、単に壁を塗り替えることだけではありません。ある外壁塗装業者は、顧客アンケートを詳細に分析する中で、「工事後の保証」や「塗料の耐久性」といった「長期的な安心」を強く求めている潜在的なニーズがあることに気づきました。一般的な保証期間に関する情報も参考にしつつ、この声に焦点を当てることを経営戦略の柱としました。
そこで同社は、他社より大幅に長い「15年保証」や、施工後の「定期点検」をパッケージにした高付加価値プランを開発。価格競争に巻き込まれるのではなく、「長期的なコストパフォーマンス」と「安心」という価値で勝負する戦略に転換しました。開発したプランの訴求にあたっては、実際に手厚い保証内容や定期点検に満足しているお客様の声を積極的に活用。ホームページや商談時には、具体的なお客様のコメントと共に保証内容を丁寧に説明しました。
事例5:費用に関する正直な声も公開し、誠実な姿勢でファンを獲得
外壁塗装において、お客様が抱きがちな不安の一つに「費用」があります。提示された金額が妥当か、後から追加料金が発生しないかといった懸念を抱くお客様も少なくありません。ある外壁塗装業者は、この費用への不安に対し、お客様からの「正直な声」をあえて公開する戦略を取りました。「想像より費用が高かったが、理由の説明を受けて納得できた」という声や、具体的な内訳に言及したコメントなどをウェブサイトやパンフレットに掲載したのです。
単に「安かった」というポジティブな声だけでなく、費用に関する一見ネガティブに思える意見も隠さず公開することで、企業としての「誠実さ」や「透明性」を強力にアピールしました。なぜその費用になるのか、使用する塗料のグレードや職人の技術力、保証内容といった価格の背景にある「価値」をお客様の声と共に提示することで、価格競争に陥ることを避け、品質やサービス内容で選ばれる企業へと転換しました。
事例6:オンラインとオフラインの連携で、幅広い顧客層の声をキャッチ
外壁塗装を依頼されるお客様は、年齢層もライフスタイルもさまざまです。ある外壁塗装業者は、特定の層からの声に偏らないよう、オンラインとオフライン両方のアプローチでお客様の声を集めました。
施工完了後、若年層や日中多忙なお客様には、メールやLINEでオンラインアンケートのURLを送付し、移動中や隙間時間にも手軽に回答してもらえるよう工夫しました。これにより、スムーズかつ効率的に声を集めることが可能となりました。
一方で、パソコンやスマートフォン操作に不慣れなお客様に向けては、完工時のご挨拶に伺った際や定期点検のタイミングで、手書きのアンケート用紙をお渡しし、直接お話を伺う時間を設けました。これにより、オンラインでは難しい細やかなニュアンスや、デジタルツールが苦手な高齢層からも貴重な本音や要望を丁寧にヒアリングできました。
事例7:塗装勉強会や相談会での直接対話から、潜在ニーズを的確に把握
ある外壁塗装業者は、地域住民を対象とした無料の「塗装勉強会」や「お悩み相談会」を定期的に開催しました。参加者との直接対話を通じて、アンケート形式ではなかなか表面化しない潜在的な不安や要望を聞き出すことが目的でした。
例えば、勉強会後の質疑応答や個別の相談時間では、「塗料の成分が小さな子供に与える影響は?」「工事中の騒音や臭いで近隣に迷惑をかけないか心配」といった、個人的な懸念や配慮に関する具体的な声が多く聞かれました。これらの声は、単に「費用を抑えたい」「長持ちさせたい」といった一般的な要望とは異なり、より生活に密着した深い不安に基づいています。
同社はこれらの潜在ニーズを丁寧に分析し、自然由来成分を配合した塗料の積極的な提案や、工事前の近隣への挨拶と丁寧な説明を徹底する体制強化に繋がりました。顧客自身が言葉にできなかった不安を先回りして解消する具体的な提案は、大きな安心感と信頼を生み出し、「この業者なら任せられる」という確信に繋がりました。その結果、単なる価格比較ではなく、提供する価値を評価されるようになり、高単価な契約にも繋がった成功事例です。
事例8:アンケート謝礼の工夫で、質の高いお客様の声を効率的に収集
お客様の声を集める手段としてアンケートは有効ですが、「回答率が伸び悩む」「当たり障りのない意見しか集まらない」といった課題に直面することは少なくありません。ある外壁塗装業者は、この課題に対し、アンケート謝礼の内容を根本から見直すことにしました。単なる金券ではなく、顧客が「本当に欲しい」と感じる、複数の選択肢から選べるギフト形式に変更しました。
具体的には、以下のような住宅に関連する実用的な謝礼を複数用意し、顧客が選べるようにしました。
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地域の人気店で使える商品券
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外装メンテナンスに役立つ高圧洗浄機の無料レンタル券
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提携するハウスクリーニング業者の割引券
こうした「選べる謝礼」が顧客の回答意欲を大きく向上させ、アンケート回答率が飛躍的に向上しました。さらに、顧客がどの謝礼を選んだかという情報から、その方のライフスタイルや関心事を推測できるようになり、よりパーソナルで具体的な、質の高い声を効率的に収集することにも繋がりました。顧客のニーズに寄り添った謝礼の工夫が、お客様の声を集める量と質の向上に繋がった事例と言えるでしょう。
事例9:手厚いアフターフォローを起点に、優良な紹介顧客を獲得
外壁塗装は施工して終わりではなく、その後のフォローも顧客満足度に大きく影響します。ある外壁塗装業者は、施工完了後も顧客との長期的な関係構築を重視し、手厚いアフターフォローを徹底しました。具体的には、1年、5年、10年といった定期点検を実施し、建物の状態確認や簡単なメンテナンスを行いました。また、担当者から季節の挨拶状を送付するなど、継続的なコミュニケーションを図ることで、顧客は「施工後もずっと気にかけてくれている」「大切にされている」という安心感と満足感を得られるように努めました。
こうしたアフターフォローを通じて築かれた信頼関係は、顧客ロイヤルティを高め、「信頼できる業者だから知人にも紹介したい」という自発的な行動へと繋がりました。同社は、定期点検時などに渡せる紹介カードを用意したり、紹介者と被紹介者の双方にメリットがある特典プログラムを設けたりすることで、顧客からの紹介を自然に促す仕組みを構築・運用しました。
この取り組みにより、広告費をかけることなく、高い確率で成約に至る質の高い「優良顧客」の獲得に成功し、安定した経営基盤を築いています。アフターフォローは単なるサービスではなく、未来の売上を作るための重要な「投資」であるという考え方を実践し、成果に結びつけた事例です。
事例10:職人の「人柄」を伝えるコンテンツで、技術力以外の魅力を訴求
外壁塗装において、お客様は技術力はもちろんのこと、工事期間中に自宅に出入りする職人の「人柄」や「信頼性」を非常に重視します。どんな人が自分の家を塗るのか、挨拶やマナーはしっかりしているのかといった点は、お客様の安心感に大きく影響する要素です。そこで、ある業者は職人の人間的な魅力を伝えるコンテンツ作成に力を入れました。
具体的には、ホームページに職人一人ひとりの顔写真付きプロフィールページを作成しました。名前や経歴だけでなく、趣味や仕事への情熱、お客様へのメッセージなどを掲載することで、親近感と安心感を与えています。さらに、施工ブログやSNSでは、実際の仕事の様子に加えて、職人同士の和やかなコミュニケーションやお客様とのやり取りといった「舞台裏」も積極的に発信しました。技術力だけではない、誠実さや丁寧さといった人柄が伝わるように工夫を凝らしています。
これらの取り組みの結果、「事前にどんな人が来るのか分かって安心した」「ブログで職人さんの仕事ぶりや人となりが見られて信頼できた」といったお客様の声が多く寄せられました。「この人になら安心して任せられる」という信頼感が醸成されたことで、問い合わせの心理的なハードルが下がり、指名での依頼や成約率の向上につながった成功事例です。
信頼を勝ち取る!お客様の声を集める具体的な方法
前章でご紹介した成功事例から、お客様の声がいかに強力な集客ツールとなるかお分かりいただけたでしょう。ここからは、その貴重な「声」を、いかに効果的に集めるかに焦点を当てて解説します。お客様の声を集める主なアプローチは、インターネットを活用する「オンライン」と、対面や紙媒体を用いる「オフライン」の2つに大別できます。
【オンライン編】Webを活用した効率的な声の集め方
オンラインでの声の収集は、時間や場所を選ばずに効率的に進められる点が大きなメリットです。まず活用したいのが、Googleビジネスプロフィールです。施工完了後、お客様にGoogleビジネスプロフィールの評価依頼URLをメールやLINEで送信し、口コミ投稿を促しましょう。投稿された口コミには、たとえ短い内容でも丁寧に返信することが重要です。迅速かつ誠実な返信は、他のお客様からの信頼獲得にもつながります。
次に、自社ホームページに専用のアンケートフォームを設置する方法です。フォームなら、選択式と自由記述を組み合わせたり、写真投稿機能を加えたりと、聞きたい内容に合わせて設計できます。完了報告メールにフォームへのリンクを設置すれば、お客様をスムーズに誘導できます。
【オフライン編】直接対話で深い関係を築く声の集め方
オンラインでの効率的な収集方法に加え、オフラインでの丁寧な対応は、お客様との深い信頼関係を築きながら貴重な声を集める上で非常に有効です。まず、施工完了してお引き渡しの最終確認を行う場で、担当者が直接お客様に感想をヒアリングすることが挙げられます。お客様の満足度が最も高い瞬間に率直な意見を伺い、その場でアンケート用紙への記入をお願いすることで、リアルな声を逃さず収集できます。
また、施工から一定期間が経過した後の定期点検やアフターフォローの機会を活用することも重要です。建物の状態確認に加えて、塗装の耐久性や暮らし心地など、長期的な視点での評価や気になっている点を丁寧にヒアリングします。こうした継続的な関わりはお客様に安心感を与え、より本音に近い声を引き出しやすくなります。アフターフォローは顧客満足度向上や信頼関係構築につながる重要な機会です。
さらに、地域住民向けの現場見学会や外壁塗装に関する相談会などを実施するのも良い方法です。イベントでの直接対話を通じて、ウェブ上では得られない具体的な悩みや不安を聞き出すことができ、潜在的なニーズの把握や顧客候補との関係構築にもつながります。
回答率が劇的に向上する!アンケート依頼のコツ
せっかくアンケートを用意しても、回答してもらえなければ意味がありません。回答率を劇的に向上させるためには、いくつかのコツがあります。まず最も重要なのは、お客様の感動や感謝の気持ちが冷めない「最高のタイミング」で依頼することです。具体的には、工事完了の報告や最終確認にお伺いした際、「差し支えなければ、今後のサービス向上のため、よろしければ率直なご感想をお聞かせいただけないでしょうか?」と直接お願いするのが最も効果的です。
次に、なぜアンケートをお願いしたいのかという目的を誠実に伝えることも大切です。例えば、「今回いただいた貴重なご意見は、今後のサービス改善に活かし、より多くのお客様にご満足いただくための参考にさせていただきます」といった具体的な目的を示すことで、お客様の協力意欲を高めることができます。
また、回答のハードルを下げるためのアンケート設計の工夫も欠かせません。「5分程度で終わります」のように所要時間を明記したり、自由記述だけでなく選択式の質問も用意したり、質問数を必要最低限に絞る、といった配慮が回答率を向上させます。多くても20~30問程度に抑え、可能な限り思考停止で回答できるような質問形式を取り入れると良いでしょう。
集めた「お客様の声」を集客力に変える!戦略的活用3ステップ
前章までで、お客様の声がいかに重要か、そしてどのように集められるかをご理解いただけたことと思います。しかし、ただ声を集めるだけでは、期待するような集客効果にはつながりません。集めた貴重な声を、見込み客の心に響かせ、問い合わせや成約へと導くための「戦略的な活用」が不可欠です。
STEP1:ホームページやチラシで「お客様の顔」を効果的に見せる
集めたお客様の声を最大限に活かす第一歩は、ホームページやチラシといった主要な媒体で視覚的に魅力的に「見せる」ことです。最も効果的なのは、お客様ご本人の笑顔の写真や、きれいに塗装されたご自宅と一緒に写っている写真を掲載することでしょう。これにより、施工事例と併せてお客様のリアルな姿を見せることで、見込み客に強い信頼感と安心感を直感的に伝えることができます。
また、直筆で丁寧に書かれたアンケート用紙をスキャンして掲載するのも有効な手法です。手書きの文字には独特の温かみとリアリティがあり、情報に高い信憑性を持たせることができます。お客様の声に加えて、以下の情報も掲載することで、見込み客の共感をより引き出しやすくなります。
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お客様の年代や居住地といった属性情報(例:「〇〇市在住 40代」)
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塗装前の具体的な悩み(例:「ひび割れが気になっていた」「色あせを改善したかった」)
これらの情報は、ホームページであればトップページや料金ページ、チラシであれば問い合わせを促す導線の近くなど、見込み客が比較検討する際に必ず目にする「ゴールデンゾーン」に戦略的に配置することが重要です。お客様のリアルな声は、サービスや技術力の説明だけでは伝えきれない、感情に訴えかける強力な後押しとなるはずです。
STEP2:厳しい意見こそ成長の糧!サービス改善への活かし方
お客様からの厳しいご意見、たとえばクレームや不満の声は、自社サービスの弱点や、お客様が本当に求めていることを知るための貴重な情報源となります。これらの声を単なる批判としてではなく、サービスの質を向上させる機会と捉え、真摯に受け止める姿勢が重要です。耳に痛い意見にこそ、企業の成長や、お客様からの信頼を深めるためのヒントが隠されていると言えるでしょう。
受け取った厳しい意見は、速やかに社内で共有し、問題の原因を深く掘り下げて分析することが不可欠です。たとえば、具体的な改善策として、以下のようなものを検討・実行に移します。
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全従業員向けの定期的な顧客対応研修の実施
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日報での顧客対応内容の報告義務化
また、クレーム情報をデータとして蓄積・分析することも有効な手段です。
そして、こうした改善活動は、その内容を積極的に外部へ公表しましょう。ウェブサイトやニュースレターなどで、「お客様の声を受けて、〇〇を改善いたしました」と具体的に伝えることで、顧客の声に真摯に耳を傾け、サービス向上に努めている企業であることを効果的にアピールできます。このような誠実な姿勢は、見込み客からの信頼獲得につながり、結果として集客力強化に貢献するでしょう。厳しい声への真摯な対応は、顧客満足度やブランドイメージの向上にもつながります。
STEP3:SNSやブログで共感を呼ぶストーリーとして発信する
集めたお客様の声を単なる満足度調査の結果としてだけでなく、「課題解決の物語」として再構成し、SNSやブログで発信することは、非常に効果的です。単なる感想文にとどまらず、お客様がどのような悩みを抱えていて、私たちとの出会いを通じてその悩みがどう解決され、生活がどのように変化したのかを、ストーリー形式で伝えることで、見込み客は自分自身と重ね合わせ、感情移入しやすくなります。
ストーリーの構成としては、まずお客様の「塗装前の具体的な悩み」から始め、「弊社との出会い」、そして「施工中のエピソード」を経て、「完成後の喜び」や「生活の変化」で締めくくる形が、共感を呼びやすいでしょう。
発信する媒体に合わせて、内容を調整しましょう。例えば、InstagramやFacebookのようなSNSでは、施工前後の写真や短い動画と共に、要点を絞った簡潔なエピソードを添えるのが効果的です。一方、自社ブログでは、お客様への詳細なインタビュー形式で、より深い背景や想いを掘り下げた記事にすることで、企業の誠実な姿勢や職人の人柄といった「価値」を伝えることができます。こうしたストーリーの発信は、価格競争から抜け出し、「この会社にお願いしたい」というファンを獲得するブランディングにつながるはずです。
お客様の声を取り扱う上で必ず守るべき注意点
ここまで、お客様の声を集客に繋げるための有効性や具体的な方法を見てきました。お客様の声は、適切に活用すれば信頼獲得の強力なツールとなります。しかし、その取り扱い方を間違えると、企業の信頼を大きく損ない、かえって逆効果となってしまう「諸刃の剣」であることを理解しておく必要があります。お客様との良好な信頼関係を維持し、思わぬ法的なトラブルを避けるためにも、これから解説する注意点は必ず遵守しなければなりません。
個人情報の取り扱いと掲載許可の徹底
お客様からいただいた貴重な声をホームページやチラシに掲載することは非常に有効な手段ですが、その際には個人情報の適切な取り扱いが不可欠となります。お客様の氏名、住所、顔写真、施工された建物の写真など、特定の個人を識別できる情報を公開する場合は、個人情報保護法の観点から、必ず事前にご本人の同意を得る必要があります。同意なく無断で掲載してしまうと、法的な問題に発展する可能性や、企業の信頼を著しく損なうリスクがあるため、細心の注意が必要です。
同意を得る際には、以下の点を明確に伝えることが重要です。
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掲載する情報の種類(実名・イニシャル、顔写真の有無など)
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掲載する媒体(自社サイト、SNS、チラシなど)
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掲載する期間
口頭だけでなく、同意書などの書面で記録を残しておくことが、より確実でしょう。
お客様が安心して協力できるよう、「イニシャルでの掲載を許可する」「施工後の建物の写真のみ掲載を許可する」など、公開範囲を複数の選択肢の中から選べるようにすることも効果的です。これにより、お客様のプライバシーへの配慮を示し、快く声を提供してもらいやすくなります。
やらせや捏造はNG!信頼を失うリスクを理解する
お客様からいただく貴重な声は集客に有効ですが、内容のやらせや捏造は絶対に避けるべき行為です。このような不正が発覚した場合、景品表示法違反として行政指導や罰則の対象となる可能性があります。これは、実質的に広告であるにもかかわらず、消費者が広告と認識できないように表示を偽る、いわゆるステルスマーケティングに該当するためです。ひとたび不正が明らかになれば、SNSなどで瞬時に情報が拡散され、企業イメージは失墜し、深刻な炎上につながるリスクを伴います。一度失ってしまった信用を回復することは極めて難しく、最悪の場合、事業継続すら危ぶまれる深刻な影響を及ぼしかねません。
現代の消費者はインターネット上の情報に慣れており、不自然にサービスを褒めちぎるだけの口コミや、具体性に欠ける体験談など、いわゆる「やらせのレビュー」を簡単に見抜くことができるようになっています。小手先の不正行為はかえって逆効果となり、お客様からの不信感を招き、企業への信頼を損なう結果にしかなりません。