外壁塗装は、大切な住まいを長持ちさせるために欠かせないメンテナンスです。しかし、残念ながら、すべての外壁塗装業者が優良とは限りません。中には強引な営業マンがいたり、手抜き工事をする嫌われる業者も存在します。この記事では顧客から信頼されない営業マンの特徴を8つ紹介します。
こんな営業マンは危険!契約を避けるべき8つのサイン
外壁塗装の契約において、窓口となる営業担当者の対応は、その業者が信頼できるかを見極める上で重要な判断材料となります。残念ながら、全ての営業マンが誠実とは限りません。中には、契約を急がせたり、不利な条件で契約させようとする悪質なケースも存在します。こうした営業マンに騙されると、本来は不要な高額な費用を請求されたり、手抜き工事につながったりするリスクがあります。大切な住まいを守るためにも、信頼できる営業マンを見極める必要があります。
「すぐに工事しないと危険」と不安を過剰に煽る
外壁塗装の営業を受けている際に、「このまま放置すると雨漏りします」「建物の構造に関わる問題で、壁が崩落する危険性があります」など、必要以上に消費者の不安を煽るような言葉を聞いたら注意が必要です。こうした営業マンは、専門知識がないことを利用して、危機感を過剰に植え付けようとします。
この手口の主な目的は、お客様から冷静な判断力を奪い、焦りからその場で契約を決断させることにあります。他社との相見積もりや比較検討をさせず、有利な条件を引き出す間もなく契約に持ち込むためによく使われます。
「今だけ」「モニター価格」など、その場での契約を迫る
「今だけ」「キャンペーン価格」「近隣で工事しているため足場代無料」などと、その場での契約を強く迫る営業担当者には注意が必要です。こうした言葉は、「今契約しないと損をする」という心理を巧みに利用した常套句として使われます。お客様が冷静に考える時間を持てないようにし、その場で判断させることが目的です。
特に「モニター価格」や「特別に大幅値引きする」といった、大幅な値引き提示には注意しましょう。一見お得に思えますが、多くの場合、最初に不当に高い金額を提示しておき、そこから値引きしているように見せかける手口です。その結果、適正価格よりも高額になってしまうケースも少なくありません。
大幅な値引きを安易に提示してくる
外壁塗装の見積もりを受け取った際、「キャンペーンで50万円引き」「今契約すれば足場代が無料」といった大幅な値引きを提示されることがあります。一見すると非常にお得に感じられますが、このような安易な値引きには注意が必要です。大幅な値引きの裏には、元の見積もり価格が不当に高く設定されている、いわゆる「値引きありき」の価格設定である可能性が考えられます。
さらに懸念される点として、値引きした分を工事の質で埋め合わせようとするケースが挙げられます。例えば、本来推奨されるよりもグレードの低い塗料に変更したり、高圧洗浄や下地処理といった重要な工程を十分に実施しなかったりするなど、手抜き工事につながるリスクがあります。これは、建物の耐久性や美観を損ねるだけでなく、結果的に早期の再工事が必要になる可能性も否定できません。
大幅な値引きを提示された場合は、その具体的な根拠を営業担当者に必ず質問しましょう。「なぜこれだけ安くできるのか?」という問いに対し、塗料メーカーの協賛や特定の期間限定キャンペーンなど、合理的で納得のいく説明ができるかどうかは、信頼できる業者を見極める重要な判断基準の一つとなります。
質問に対する説明が曖昧で専門用語ばかり使う
外壁塗装には専門的な知識が必要な場面が多くあります。お客様がその知識を持たないことを逆手にとり、曖昧な説明や難解な専門用語を並べ立てて、理解させないまま契約に持ち込もうとする悪質な営業マンも存在します。
こちらから質問をしても、「大丈夫です」「安心してお任せください」「しっかりやります」といった抽象的な返答を繰り返すばかりで、具体的な説明を避けるケースは注意が必要です。また、こちらの理解度を確認せず、一方的に専門用語を羅列するような対応も、お客様のためを思っていないサインと言えるでしょう。
住まいの診断が短時間で大雑把
外壁塗装工事において、正確な住まいの診断は工事の質を左右する非常に重要な工程です。建物の劣化状況や適切な工法を見極めるための土台となるからです。もし診断が短時間で大雑把に行われた場合、後から予期せぬ追加費用が発生したり、必要な補修箇所が見落とされたりするリスクが高まります。
危険な営業担当者が行う診断は、家の周りを軽く一周するだけ、屋根に登らず下から眺めるだけ、といった簡易的なものに終始しがちです。壁の浮きや剥がれを確認するための打診や、劣化の度合いを確かめる触診などを一切行わないケースも見られます。
一方、信頼できる優良な業者であれば、最低でも30分から1時間程度の時間をかけて建物を丁寧に診断します。屋根、外壁はもちろん、雨樋や破風板といった付帯部まで、目視だけでなく写真撮影なども行いながら細かく劣化状況をチェックします。
見積書の内訳が「工事一式」で不透明
外壁塗装の見積もりを受け取った際、多くの項目が「〇〇工事一式」とまとめられている場合は注意が必要です。本来、見積書にはどのような作業にどれくらいの費用がかかるのかが具体的に記載されるべきです。「一式」という表記では、足場代や洗浄費、下地処理費、使用する塗料の名称や量、各工程の塗装費用といった内訳が不明瞭になります。
内訳が不透明な見積もりは、不必要な工事が含まれていたり、逆に本来必要な工程が省かれていたりする手抜き工事に繋がるリスクを孕んでいます。また、後から「〇〇の作業は含まれていないため追加費用がかかる」といった予期せぬ高額請求に繋がる可能性も否定できません。
他社の悪口や批判ばかりを口にする
外壁塗装の営業マンの中には、自社のサービスや技術力をアピールするのではなく、他社の欠点や悪口ばかりを指摘する営業マンがいます。これは、自社の商品やサービスに絶対的な自信がないことの裏返しである可能性が高いと言えます。
根拠のない他社批判や悪口は、お客様の不安を煽り、冷静な判断を妨げ、その場での契約を迫る悪質な手口の一つです。複数の業者を比較検討する機会を奪うことが目的の場合もあります。
また、業界全体の評判を落としかねないような言動を平気で行う営業マンは、モラルが低いと考えられ、お客様に対しても不誠実な対応をする可能性があります。信頼できる優良な営業マンは、他社を不必要に批判するのではなく、自社の技術力や実績、提供できる価値を堂々と説明することで、お客様からの信頼を得ようと努めます。他社への過度な批判は、その営業マン自身、ひいてはその会社への信頼を損なう行為だと認識しておきましょう。
しつこく居座るなど態度が強引
外壁塗装の営業を受ける中で、帰ってほしいと伝えているのに玄関先に長時間粘ったり、夜遅くまで居座ったりする営業マンには十分な注意が必要です。こうした強引な態度は、お客様を精神的に追い込み、冷静な判断力を奪い契約に持ち込もうとする悪質な手口と言えます。
中には、「契約するまで帰りません」といった威圧的な言葉を口にしたり、断ると突然大声を出したりと、高圧的な態度をとるケースも存在します。このような営業マンは、お客様の意思を尊重せず、自社の利益のみを優先していると考えられます。
もし身の危険を感じるような状況になった場合は、きっぱりと「お帰りください」と明確に意思表示することが大切です。それでも応じない場合は、迷わず警察に連絡することも検討すべきです。安全を最優先に行動してください。
なぜ危険な営業マンがいるのか?その背景と手口
外壁塗装業界には、残念ながら悪質な営業マンが存在します。その背景には、業界特有の構造があります。外壁塗装業は比較的参入障壁が低いとされており、競争が激化しやすい傾向にあります。そのため、契約獲得に注力しすぎるあまり、強引な手法をとる業者が後を絶たないのが現状です。
厳しい営業ノルマが背景にあるケース
なぜ外壁塗装の営業マンの中には強引な手法をとる者がいるのでしょうか。その背景の一つに、多くの塗装会社、特に訪問販売を主体とする企業で営業マンに課せられている厳しい営業ノルマがあります。月間の契約件数や売上目標など、達成すべき具体的な数字が設定されており、これが営業マンにとって大きなプレッシャーとなります。さらに、営業成績が給与に直結する歩合給制度を採用しているケースも少なくありません。
こうした制度のもとでは、営業マンはノルマ達成を最優先するあまり、「顧客のため」という本来の目的を見失い、「自分の成績のため」という思考に陥りやすくなるのです。その結果、お客様の住まいの劣化状況を正確に診断することよりも、とにかく契約を勝ち取ることを優先してしまいます。そして、不安を過剰に煽ったり、その場での即決を迫ったり、大幅な値引きを提示して契約を急かしたりといった、お客様の利益を無視した強引な営業手法に繋がりやすくなります。
悪質な訪問販売業者の典型的な手口
悪質な訪問販売業者は、あの手この手でお客様との契約を成立させようとします。その典型的な手口の一つに「点検商法」があります。「無料で屋根の点検をします」と訪問し、点検中にわざと屋根材を破損させたり、ごく軽微な劣化を大袈裟に指摘したりして、「すぐに工事しないと大変なことになりますよ」と不安を過剰に煽るのが特徴です。
また、「モニター商法」や「足場商法」もよく見られます。「近所で工事をしているため、今なら足場代が無料になります」「特別キャンペーンのモニターになれば、通常より大幅に安くなります」などと、限定的なお得感を演出し、その場での契約を強く迫ってきます。
安心して任せられる!優良な営業マンを見極める5つのポイント
ここまで、契約を避けるべき危険な営業マンの特徴について解説してきました。しかし、大切な住まいの外壁塗装を成功させるためには、危険な営業マンを見分けることはもちろん、心から信頼できるパートナーを見つけることが最も重要です。外壁塗装は一度行えば10年以上建物を守る重要な工事であり、その品質は担当する業者、そして窓口となる営業マンの質に大きく左右されるからです。
家の劣化状況や原因を写真などを用いて具体的に説明してくれる
信頼できる外壁塗装の営業担当者は、まず建物の正確な診断を丁寧に行い、その結果をお客様に分かりやすく伝えることを重視します。特に、ご自身では確認しにくい屋根や外壁の高い部分など、劣化が進みやすい箇所の状態を具体的に示してくれるかどうかが重要な点です。
単に「劣化しています」と伝えるだけでなく、ひび割れや塗膜の剥がれ、コケの発生といった具体的な症状を、鮮明な写真や場合によってはドローンで撮影した映像で見せてくれる営業担当者は信頼できます。これにより、お客様はご自宅の状況を視覚的に把握できます。
さらに、なぜその劣化が発生したのか、原因(例:日当たりの悪さ、雨水の通り道になっているなど)についても、専門的な視点で分かりやすく解説してくれることが大切です。劣化箇所を放置した場合に起こりうるリスク(雨漏り、構造材の腐食など)についても、客観的な根拠に基づき冷静に説明し、不安を過度に煽るのではなく、あくまでお客様が正しく判断するための情報を提供してくれる姿勢こそが、優良な営業担当者の証と言えるでしょう。