外壁塗装業界の皆様、「価格競争」という言葉に頭を悩ませていませんか?相見積もりの末、結局価格で選ばれてしまう。そんな状況から抜け出す方法があります。それば、ブランディングです。この記事では、中小の外壁塗装業者が価格競争から脱却し、「あなたにお願いしたい」と指名される会社になるための戦略を解説します。
なぜ今、外壁塗装業者にこそブランディングが必要なのか?
近年、外壁塗装業界ではインターネットの普及により、お客様が複数の業者を容易に比較検討できるようになりました。その結果、価格競争が激化し、多くの事業者が厳しい状況に直面しています。参入障壁が比較的低いこともあり、多数の業者がひしめき合い、安さを追求する傾向が強まっています。
下請け・価格競争から抜け出し、利益率を改善する
多くの塗装業者が、現在、ポータルサイトや相見積もりによる激しい価格競争に巻き込まれています。参入障壁が低い業界の特性もあり、価格の安さのみが比較基準となりがちであり、現状は深刻です。このような状況では、必要な利益を確保するのが難しくなり、結果として施工品質の低さや職人のモチベーション低下といった悪循環に陥る可能性があります。また、2022年以降続く塗料や資材の高騰、運送費の上昇は、利益を一層圧迫しています。
ブランディングは、このような価格競争から抜け出すための強力な手段です。自社の強みや独自の価値を顧客に明確に伝えることで、『価格』という単一の判断基準から脱却し、『この会社にお願いしたい』という指名買いを促します。これにより、無理な値引き競争に応じる必要がなく、適正価格での受注が可能になります。
ブランディングがもたらす主な効果は以下の通りです。
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価格以外の価値基準で顧客から評価されるようになります。
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『この会社にお願いしたい』という指名買いを促し、適正価格での受注を可能にします。
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下請け業務への依存を減らし、元請けとしての基盤を強化します。
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安定した売上と利益率の向上が期待できます。
「質の高さ」を求める顧客に選ばれるようになる
価格競争に陥ると、「とにかく安く」を求める顧客が集まる傾向がありますが、ブランディングによって自社の強みやこだわりを明確に発信することで、「高くても質の良い工事をしたい」「信頼できる会社に任せたい」と考える顧客層に効果的にアプローチできるようになります。
ブランディングは、価格のみで比較される状況から脱却し、顧客にとって具体的な価値を判断基準にできるようになります。具体的には、以下の要素が挙げられます。
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技術力
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使用する塗料の品質
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保証の手厚さ
これにより、顧客は提供される品質の高さを納得した上で依頼を検討できるようになり、結果として価格競争に巻き込まれずに、正当な価値に基づいて選ばれるようになります。
さらに、品質を重視する顧客は、施工内容への理解が深く、工事後のイメージのすり合わせもスムーズに進みやすいため、長期的な信頼関係を築きやすい傾向があります。こうした関係性の構築は、施工後のクレーム減少にもつながり、結果として職人のモチベーション向上や、より高品質な仕事への意欲向上といった好循環を生み出します。
会社の想いに共感する人材が集まり、採用が有利になる
建設・塗装業界は現在、深刻な人手不足という課題に直面しています。国土交通省のデータによると、建設業の就業者数は、1997年のピーク時の685万人から2022年には479万人へと、約200万人以上も減少しました。特に塗装工においては、2025年には約10万人が不足すると予測されており、熟練職人の高齢化による減少に加え、34歳以下の若手が全体の約2割にとどまる現状は深刻です。従来の給与や待遇といった条件面のみを強調する求人では、「3K(きつい・汚い・危険)」という旧来のイメージも根強く、優秀な人材を確保し続けることは困難になっています。
そこで、ブランディングが有効な手段となります。会社の理念やビジョン、例えば仕事へのこだわり、顧客への想い、職人を大切にする姿勢などを明確に打ち出すことで、単なる条件面だけでなく、企業の価値観に共感する求職者を引き寄せられます。会社の文化や将来性を理解した上で応募してもらえるため、入社後のミスマッチが大幅に減り、従業員のエンゲージメントや定着率の向上につながります。結果として、優秀な人材を確保しやすくなるだけでなく、採用コストの削減や組織全体の士気向上といった多岐にわたる効果が期待できます。
ブランディングの第一歩|自社の「揺るぎない軸」を見つける方法
ブランディングは、単にロゴマークの変更や、ウェブサイトのデザイン刷新といった表面的な活動にとどまりません。成功するブランディングの出発点は、自社の「揺るぎない軸」を見つけることにあります。これは、企業独自の価値観、経営理念、提供できる強み、そして顧客への約束といった、事業の根幹をなす本質的な要素を指します。
【ステップ1】まずは強みを再確認する|技術・人柄・地域密着度
ブランディングの土台を築く上で、まず自社の強みを深く理解することが不可欠です。日々の業務で当たり前だと思っていることの中にこそ、他社にはない独自の価値が隠されているケースは少なくありません。漫然と認識している強みではなく、顧客の視点から「選ばれる理由」となる具体的な要素を客観的に洗い出すことが、ブランディングの第一歩です。
自社の強みを棚卸しする際は、以下の3つの観点から具体的な問いを立ててみましょう。
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技術力: これまでに培ってきた専門技術や独自の施工方法、保有している特別な資格はありますか。
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人柄・サービス: お客様との対話で最も大切にしていること、きめ細やかな気配り、アフターフォローなど、お客様にどのような体験を提供していますか。
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地域密着度: 地元の気候や風土を考慮した提案、地域に根差した活動を通じて、どのような貢献をしていますか。
これらの強みを客観的に洗い出すためには、社内の視点だけでなく、お客様からの声に耳を傾けることも重要です。過去のアンケート結果や直接いただいた感謝の言葉などを振り返ることで、自社だけでは気づけなかった真の強みが発見できるでしょう。強みを明確にすることで、他社との差別化を図り、顧客に選ばれる会社へと成長する基盤が築かれます。
【ステップ2】理想のお客様は誰か?|ターゲットを絞り込む
「ブランディング」と聞くと、多くの人に知ってもらうことだと想像されがちですが、本当に価値のあるブランディングは、不特定多数ではなく、「たった一人」の理想のお客様にメッセージを届ける意識から始まります。ターゲットを絞り込むことで、貴社のメッセージは特定の顧客層により深く響き渡り、貴社の強みやこだわりが明確に伝わりやすくなります。これにより、不特定多数に発信するよりも訴求効果が高まり、結果としてブランディング効果の向上や競合との差別化につながるでしょう。
理想のお客様像を見つけるには、まず過去に最も喜びや感謝の声をいただいたお客様、あるいは貴社が最もやりがいを感じた仕事内容を振り返ってみることから始めましょう。そうしたお客様の年齢層、家族構成、どのような価値観を持っていたか、そしてどのような依頼内容だったのかを具体的に分析することが重要です。これにより、貴社が本当に価値を提供できる顧客層が明確になります。
さらに効果的なのは、具体的な人物像である「ペルソナ」を設定することです。ペルソナは、単に年齢や職業といった表面的な属性だけでなく、抱えている悩み、大切にしていること、求めている情報といった内面まで深く掘り下げて設定します。
【ステップ3】お客様への「独自の約束」を言葉にする
ブランディングの最終ステップでは、ステップ1で明確にした「強み」と、ステップ2で定めた「理想のお客様」を組み合わせ、自社だからこそ提供できる独自の価値、すなわちお客様への「約束」を言葉にしていきます。この約束は、お客様が具体的なメリットをイメージできるよう、シンプルで心に響く言葉にすることが重要です。例えば、「10年後も安心して暮らせる品質」や「色選びで絶対に失敗させないサポート」のように、貴社の強みがお客様にとってどのような利益をもたらすのかを明確に示しましょう。
この「約束」は、キャッチコピーやタグラインとして短く表現したり、貴社の想いやこだわりを伝えるブランドストーリーとして詳しく語ったりと、さまざまな形で発信できます。短く簡潔なフレーズは記憶に残りやすく、お客様の行動を促すきっかけにもなるでしょう。しかし、ここで最も大切なのは、作成した約束が見栄えだけでなく、必ず実行可能であるかを確認することです。誇張せず実態と伴っていることが大前提であり、守れない約束は顧客からの信頼を失う原因となるため、細心の注意を払う必要があります。貴社の本質的な価値を明確な言葉で伝えることで、お客様に強く響くブランディングが実現するでしょう。
「らしさ」を伝えるための具体的なブランディング手法
前の章で明確にした貴社の「揺るぎない軸」は、お客様が貴社を選ぶ上で大切な羅針盤となるでしょう。この軸をお客様に伝え、貴社ならではの「らしさ」を浸透させるための具体的なアクションプランを、ここから解説します。
ブランディングとは、お客様が会社の情報に触れるあらゆる「接点」(タッチポイント)において、一貫したイメージやメッセージを継続的に発信し続ける活動を指します。お客様は、貴社のWebサイトやSNS、ロゴ、作業着、車両デザインなど、多様な接点を通して貴社のブランドを認識します。
本章では、自社の「らしさ」を効果的に伝え、競合との差別化を図るため、以下の両面から具体的な手法を網羅的にご紹介します。
会社の顔となるホームページで想いやこだわりを伝える
ホームページは、単なるサービス紹介の場ではなく、貴社の理念や哲学を伝える最も重要なメディアです。お客様が貴社に最初に触れる接点となることも多く、ここで貴社らしさを強く印象づけることが、ブランディングの成否を分けるでしょう。
具体的には、代表挨拶や創業ストーリーといったページを設けることで、貴社がどのような想いで事業を始め、仕事を通じて何を成し遂げたいのかを具体的に語れます。これにより、お客様は貴社の根幹にある価値観に共感し、感情的なつながりを築きやすくなるでしょう。
また、「私たちのこだわり」といったコンテンツでは、他社との明確な違いを言語化して伝えることが重要です。これにより、貴社ならではの専門性や信頼性をアピールできます。具体的には、以下の点に注目してこだわりを表現できます。
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塗料選びの基準
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施工工程における品質基準
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アフターフォローへの考え方
さらに、スタッフ紹介ページを設けて、職人一人ひとりの顔写真やプロフィール、仕事への情熱を掲載することも有効です。どのような人が施工に来るのかというお客様の不安を解消し、安心感と信頼感を醸成することにつながるでしょう。
SNSで職人の人柄や仕事の丁寧さを発信する
お客様が外壁塗装を検討する際、「どのような職人が作業を行うのか」という不安を抱くことは少なくありません。こうしたお客様の疑問を解消し、安心感や親近感を醸成する上で、SNSの活用は非常に効果的です。InstagramやFacebook、TikTokなどのプラットフォームを活用し、貴社ならではの魅力を積極的に発信しましょう。
具体的には、職人一人ひとりの自己紹介、仕事に対する想い、休憩中の和やかな雰囲気などを写真や動画で投稿することで、人間味あふれる人柄を伝えることが可能です。また、養生や下地処理といった一般のお客様からは見えにくい作業工程も、動画や写真で丁寧に紹介することが有効です。工事の前後だけでなく、途中経過を同じアングルから撮影して投稿すれば、貴社の仕事の丁寧さや専門性を視覚的にアピールできます。
重要なのは、完璧な投稿を目指すよりも、継続して発信し続けることです。お客様からのコメントには丁寧に返信し、コミュニケーションを深めることで、より強固な信頼関係を築くことができます。SNSを通じて、貴社の魅力とこだわりを伝え、お客様に選ばれる会社を目指しましょう。
施工事例とお客様の声で信頼を可視化する
外壁塗装を検討されているお客様は、施工品質や業者選びに不安を抱えています。こうした不安を解消し、貴社への信頼を獲得する上で、施工事例とお客様の声は非常に効果的なコンテンツとなります。
施工事例は、単なるビフォーアフター写真の一覧ではなく、「お客様の課題を解決した物語」として紹介することが重要です。例えば、お客様が抱えていたひび割れや色褪せといった具体的な悩みに対し、貴社がどのような技術や塗料で応え、その結果としてどのような美しい仕上がりや安心感を提供できたのかを、プロセスとともに丁寧に伝えることで、貴社の技術力と仕事への真摯な姿勢が伝わります。
お客様の声は、より具体的なエピソードを盛り込むことで信頼性が大きく向上します。例えば、以下のような貴社のブランド価値を裏付けるリアルな声を掲載しましょう。
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貴社を選んでくれた理由
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職人の対応で印象的だったこと
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仕上がりの満足点
お客様の手書きアンケートや、お客様と職人のツーショット写真を添えることで、情報の信憑性と温かみを演出し、親近感が湧きやすくなります。
信頼を可視化するコンテンツの役割を以下にまとめます。
この「技術力の客観的な証明」である施工事例と、「満足度の主観的な証明」であるお客様の声をセットで公開することは、見込み客が抱える「この会社は大丈夫か?」という不安を払拭し、貴社への信頼を確固たるものにする強力なコンテンツとなるでしょう。
ロゴ・作業着・車両デザインを統一してブランドイメージを浸透させる
お客様が貴社と接する機会は、ホームページやSNSだけにとどまりません。会社のロゴ、職人の作業着、そして街中を走る社用車といった視覚的な要素は、顧客や地域住民が日常的に目にする「会社の顔」であり、「動く広告塔」としての重要な役割を担います。これらのデザインに一貫性を持たせることで、「あのきれいな車で来る会社」「いつもきちんとしたユニフォームの職人さん」といった好印象を直感的に伝え、貴社の専門性や信頼感を高めることができます。結果として、地域での認知度も自然と向上するでしょう。
統一すべき視覚的要素とその目的は以下の通りです。
具体的に統一すべき要素として、企業の理念を象徴する「ロゴ」、プロとしての安心感を与える「作業着」、そして街中で効果的な宣伝となる「車両デザイン」が挙げられます。ロゴはシンプルで視認性が高く、貴社のコンセプトを一貫して表現できるものが理想的です。例えば、Appleのロゴのように無駄を削ぎ落とし、統一感のあるブランドイメージを構築するのも良いでしょう。作業着は清潔感と機能性を兼ね備え、オリジナルロゴを刺繍するなど、統一感のあるデザインにすることで職人の一体感を醸成し、チームワークの向上にも寄与します。また、社用車は街中でも貴社のブランドが伝わるよう、ロゴやイメージカラーを効果的に配置することが重要です。
他社はこうして成功した!ブランディング成功事例
ブランディングの重要性や具体的な手法についてはこれまでも解説してきましたが、実際の成功事例について、ご興味をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。本稿では、貴社が価格競争から脱却し、顧客に選ばれる存在となるためのヒントとして、ブランディングに成功した企業の具体的な事例をご紹介します。
事例1:地域密着と代表の人柄を前面に出し、紹介受注が倍増したA塗装
岡山県岡山市にある「大塗屋」は、ブランディング以前、認知度が低く、自社の強みが顧客に十分に伝わらないという課題を抱えていました。下請け業務が多いため元請け案件は全体の5割程度にとどまり、激しい価格競争に巻き込まれて値引きを強いられることも少なくありませんでした。また、ホームページからの問い合わせは月に1件あるかないかで、利益確保が難しい悪循環に陥っていたのです。
同社は、「コストを抑える自社一貫対応」「高品質な塗料を用いた4回塗りの施工」「行き届いたマナー」といった強みを「独自の約束」として明確化し、Webブランディングを強化しました。代表の想いを前面に出したホームページにリニューアルするとともに、看板やチラシのデザインも統一しました。さらに、地域における「施工満足度」「価格満足度」「保証満足度」でNo.1の称号を獲得し、それを積極的に情報発信しました。施工事例や顧客の声をリアルタイムで公開するなど、「地域密着」と「顧客への真摯な姿勢」をブランドの軸に据えたのです。
事例2:Webサイトで「色選びの専門性」をアピールし、高単価案件を獲得したB社
高い技術力を有しながらも、他社との明確な差別化ができず、価格競争に巻き込まれていたのがB社の課題でした。当時のWebサイトは一般的なサービス内容の紹介にとどまり、同社の真の強みやこだわりが顧客に伝わりにくい状況だったのです。そのため、お客様は価格のみで比較する傾向があり、なかなか高単価の案件には結びつきませんでした。
そこでB社は、「外壁塗装は、建物を守るだけでなく、街の景観を彩る重要な要素である」という思想を掲げ、「色選びのプロフェッショナル」という一点に絞ったブランディング戦略を実行しました。Webサイトでは、カラーコーディネーターが在籍し、専門知識と経験に基づき、建物の特徴や周囲の環境との調和を考慮した最適な色選びを提案できる点を大々的にアピールしました。さらに、独自のカラーシミュレーションサービスを提供することで、お客様が納得いくまで色を検討できる環境を整えました。
これだけは避けたい!ブランディングでよくある失敗と考え方
これまでの章では、外壁塗装業者様が価格競争から脱却し、選ばれる存在となるためのブランディングの重要性や具体的な手法を解説してきました。しかし、ブランディングはただ取り組めば良いというものではありません。進め方を誤ると、時間やコストを無駄にするだけでなく、かえって会社のブランドイメージを損ねてしまうリスクも伴います。
見た目だけ整えても、実態が伴わないケース
ブランディングは、単に見た目を良くすることではありません。おしゃれなロゴや洗練されたウェブサイトを作成しただけで、ブランディングが完了したと考えるのは大きな間違いです。これは、多くの企業が陥りがちな典型的な失敗パターンと言えるでしょう。「ロゴだけ」に注力して失敗した例や、「見た目だけ」を整えたビジネスが失敗するケースは少なくありません。
例えば、ウェブサイトで「丁寧なヒアリング」や「高品質な施工」を謳いながら、実際の現場では職人の対応がぞんざいだったり、約束した施工品質が守られていなかったりするケースが見られます。このような見た目と実態のギャップは、お客様の期待を大きく裏切る行為であり、結果として悪い口コミや評判の低下を招く最大のリスクとなります。企業の信頼が一瞬で崩れ去る「レピュテーションリスク」にもつながりかねません。
「あれもこれも」と手を出し、コンセプトが曖昧になる
ブランディングにおいて、「幅広い顧客層を取り込みたい」という思いから、自社のあらゆる強みやメッセージを同時に発信しすぎると、結果として「何が最も伝えたいことなのか」が顧客に伝わらなくなる失敗に陥りがちです。これはブランドコンセプトが曖昧である典型的なケースで、時には経営を危うくする可能性もあります。アピールポイントが多すぎると、個々の印象が薄れ、他社との差別化が難しくなる「器用貧乏」な状態に陥る危険性があります。
このような失敗は、ブランディングの初期段階で設定したはずの「理想のお客様(ターゲット)」や「独自の約束(コンセプト)」が、社内で十分に共有されていない場合に起こりやすいと言えます。軸が定まらないまま情報発信を続けると、顧客は何を信じてよいか分からなくなり、結果として誰にも選ばれない状況を招いてしまいます。
効果測定をせず、やりっぱなしで終わってしまう
ブランディング施策は、実行して終わりではありません。投入した時間やコストが適切であったかを判断し、今後の改善につなげるためにも、その効果を検証することが不可欠です。効果測定を怠ると、せっかくの取り組みが無駄になるだけでなく、改善の機会を失うことにもなります。
施策を開始する前に、具体的な目標(KPI:重要業績評価指標)を設定することが重要です。例えば、「ホームページからの問い合わせ月5件」「指名検索数1.5倍」「SNS経由の見積もり依頼獲得」といった、数値で測定できる目標を設定することをお勧めします。