外壁のひび割れやクラックは直すべき?補修費用はどのくらい?

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外壁のひび割れやクラックは直すべき?補修費用はどのくらい?

外壁にできたひび割れは、放置してもよいのでしょうか。直さなければならないなら、自分で直せるものなのでしょうか。

今回は、外壁のひび割れ補修について解説します。あわせて、補修を事業者に選ぶべきか否かの判断と、事業者選びのポイントもみていきます。

ひび割れや亀裂はなぜできる?

外壁のひび割れは、外壁材の種類やひび割れが発生する場所によって補修方法が変わります。

まずは、外壁のひび割れの特徴を紹介します。

発生する原因は?

外壁にひび割れが発生する主な原因には、以下のようなものがあります。

  • 経年劣化
  • 施工不良
  • 振動

外壁塗装の経年劣化や施工不良による場合は、ヘアークラックと呼ばれる微細なひび割れが多く、補修の緊急度は高くありません。

道路や線路に近い場合は、車や電車が通るたびに振動が発生しています。それらが積み重なり、外壁のひび割れにつながることがあります。また、地震が発生した後などにもひび割れが生じやすいです。

このほか、住まいの構造に問題がある場合などにひび割れが発生することもあります。

発生しやすい外壁材

外壁材の中でも一番ひび割れを起こしやすいのは、モルタル外壁です。

水、セメント、砂を混ぜ合わせた素材で作られた外壁材で、外壁に継ぎ目がないため、建物の揺れによってひび割れが発生しやすいという劣化特性があります。(コンクリート外壁も同様の劣化特性があります。)

また、ALC外壁(軽量気泡コンクリート)とよばれる外壁は、軽くて高断熱機能を有していますが、無数の気泡があるため、建物の動きなどによってひび割れが発生する場合があります。

ちなみに、現在、新築住宅の外壁材の約7割近くで使用されているされる窯業系サイディングは、比較的ひび割れが起きにくいといわれます。

また、外壁だけでなく、擁壁(ようへき)にもひび割れが起きる場合があります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

補修が必要な外壁のひび割れや亀裂とは?

補修が必要な外壁のひび割れにはどのような特徴があるのでしょうか。

また、外壁のひび割れを放置すると、建物にはどのように影響するのでしょうか。

補修が必要なひび割れと対処法

ひび割れを見つけて最初にしておきたいことは、ひび割れの大きさ(長さ、幅、深さ)の確認です。

ひび割れの幅ごとの対処法
ひび割れの幅 対処法
0.3mm未満 「ヘアークラック」と呼ばれる髪の毛ほどの微細なひび割れ。塗り替え工事の際に補修することで対処できるひび割れです。
0.3~0.9mm 応急処置を検討した方がよい状態で、自分で補修することが可能な場合があります。
1mm~2.9mm 補修が必要です。建物構造に起因するひび割れである可能性もあるので、外壁表面の補修だけでなく、事業者に依頼して下地や構造部分も調べることをおすすめします。
3mm以上

速やかに補修をする必要があります。
かなりひび割れが進行し、建物内部へ水が浸透している可能性が高いので、事業者に相談すべき状態です。

次に、ひび割れの向きにも注意が必要です。建物の上下に向かって生じた縦のひび割れと、水平に生じた横のひび割れでは、水の浸入量に大きな差があります。

縦のひび割れに対して、横のひび割れは約4倍の水が浸入するといわれています。雨水等は上から下に流れていきますので、縦よりも横の方が水に接する部分が圧倒的に大きいのです。

ひび割れから生じる建物の劣化とは?

外壁にひび割れが入ることによって、建物にはどのような劣化が発生していくでしょうか。

雨漏りにつながる

ひび割れのしている場所から、雨水が浸入してしまいます。

はじめは室内への影響がないことが多いですが、放置することで、建物内部が水を含んだままの状態になります。この状態が続くことで、室内の雨漏りにつながってしまう可能性があります。

建物自体の耐久性が低下

ひび割れを放置していると、内部に侵入した水の影響で、サイディングやモルタルの下地(木部)が腐食します。それにより、建物の強度が低下します。

健康被害を引き起こす

建物内部に水が停滞することで、カビが発生、繁殖しやすい環境になります。空気中のカビ菌が体内に入り込み、健康被害をもたらす危険性があります。

【参考】家を守る上での注意点

建物を傷めてしまう一番大きな原因は、建物内部への水の浸入です。水の浸入による影響を最小限にするためには、特にひび割れに対する理解と対処が必要となります。

外壁材の種類によっても発生箇所や状況に違いがあるため、ご自宅の外壁の素材と、その劣化特性を知っておきましょう。

モルタル外壁の劣化特性

モルタル外壁とは、水とセメントと砂を1:2:5の割合で混ぜ合わせた素材で形成されたモルタルを下地に作られた外壁です。日本では、1990年以前に建てられた戸建住宅に多く採用されていました。

主成分がセメントで構成されており、塗装で表面に防水性を持たせる必要があります。外壁に継ぎ目がなく、ゆれに対応しにくいため、ひび割れが発生しやすいという特性があります。塗装が劣化すると、外壁に水が浸み込みひび割れを含めたさまざまな劣化症状を引き起こします。

サイディング外壁の劣化特性

デザイン性に優れ、現在多くの住宅で採用されているサイディング外壁。サイディングボード自体や、シーリングにひび割れが入りやすい素材でもあります。

吸水性と蓄熱性が高いため、夏の暑さ、冬の凍結により収縮と膨張を繰り返すことで表面の塗装が劣化します。表面の塗装が劣化すると雨水などが浸入しやすくなり、ひび割れを起こす可能性が高くなります。

補修費用はどのくらい?

補修するには当然費用が発生しますが、自分自身で補修する場合と、事業者に依頼する場合によって異なります。また、補修する数や場所によっても変わってきます。

補修の方法

ひび割れの補修方法
幅が0.3mm未満
  • シーリング材の擦り込み
  • セメント粉の塗布
  • 塗装工事の際に、微弾性フィラーの擦り込み
幅が0.3mm以上
  • Uカットシーリング工法
  • 電動工具で溝を作り、シーリング材で溝を埋める工法
シーリング材のひび割れの場合
  • シーリング材の打ち替え

自分でもできる補修とその費用

自分でもできるひび割れ補修について説明します。費用に関しては、ホームセンターで簡単に購入できる材料であるため、概ね1~2万円程度で購入できます。

セメント粉を塗布する

モルタルなどセメントの定着する外壁材であれば、ひび割れにセメント粉を塗り込むことで補修できます。注意する点としては、塗布する際に周囲にかからないようにしましょう。マスキングテープを用意するとよいかもしれません。

シーリング材の擦り込み

ひび割れ箇所にシーリング材を擦り付けます。自分で補修する場合、補修した跡が目立つことや、はしごを使う場合に危険が伴うことが難点です。

なお、ひび割れの幅が1mmを超える場合は、外壁の下地や構造部分の補修が必要になる場合があるため、いきなり自分で補修せずに事業者に調査を依頼して原因を特定し、自分で補修できることがわかってから補修するとよいでしょう。

事業者に依頼すべき状況とその費用

自分自身で補修を行う際の懸念すべき点は、早期のひび割れの再発です。

先述のように自身で補修できる状況であっても、少しでも不安があるのならば事業者に依頼をすべきでしょう。専門の事業者であれば、外壁材のひび割れの状況や原因を踏まえた上で適切な補修を行ってもらえるため、安心で正確です。

しかし、どの事業者にお願いしたら良いのか、費用はどのくらいなのかと不安になるのも当然です。

ここで、事業者選びのポイントを4つ紹介します。

  • 専門資格を持ったスタッフが診断してくれる
  • 工事保証がついている
  • アフターフォローを行ってくれる
  • 適正な見積りと説明ができる

いくつかの事業者から依頼する事業者を決める時に大きな決め手になるのが、見積金額です。しかし、見積金額だけで事業者を決めてしまうと、あとで後悔することになることもあり得ます。

不安をなくすために有効なのが、事業者の比較サイトです。お住まいの地域の事業者を無料簡単に検索できるため、今回説明したポイントを考慮して、相談したい事業者をピックアップしてみるとよいでしょう。

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外壁のクラック(ひび割れや亀裂)に関するよくある質問

外壁のクラックは放置しても大丈夫?
雨漏りにつながる可能性があります。外壁材は水に弱いため、塗装を施して、水の浸入を防いでいます。ただ、クラックから水が浸入すると、外壁材の腐食が進み、雨漏りを引き起こします。クラックが見つかったら、早急に補修しましょう。小さなクラックであれば、自分で補修することも可能です。
クラックの補修にはいくらかかる?
1~2万円で補修できます。ただ、クラックの幅が1mmを超えている場合は、業者に依頼する必要があるため、高額な費用がかかります。費用は、クラックの原因や補修箇所で大きく変動します。

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