外壁塗装のチラシはどれくらい信用できるのでしょうか。
今回は、ポスティングなどで投函されるチラシの広告文から悪徳事業者を見極めるポイントを紹介します。また、チラシの情報を有効活用する方法もみていきましょう。
外壁塗装チラシの特徴
外壁塗装のポスティングには、2つのタイプがあります。まずはそれぞれの特徴と、見ておくべきポイントを紹介します。
外壁塗装事業者の集客を目的とした「広告」
まず、いわゆる「広告」として作られ、投函されるチラシがあります。新規開業や閑散期の集客に利用されることが多く、以下のような情報が掲載されています。
外壁塗装の価格
外壁塗装を検討する際、工事にかかる価格は重要なポイントです。チラシにも概算の外壁塗装価格が掲載されます。
しかし、外壁塗装では外壁の塗装のほかにも、以下のようなさまざまな費用が必要です。
- 足場の設置
- 高圧洗浄
- 養生
そのため、あくまで参考程度に考えましょう。実際には、もっと細かいところまで把握する必要があります。
キャンペーンやモニター
チラシには、「棟数限定などの特別キャンペーン」や「格安でできるモニター募集」などの情報も掲載されます。事業者としては、新規開業時や閑散期には、工事件数が少ないため、利益を減らしてでも工事件数を確保するのが狙いです。
しかし、「実は安くない」なんてこともあるので、キャンペーンやモニター価格でもしっかりと相場と比較検討しましょう。
地域密着型
地域密着型であることを訴えたチラシもあります。特別な情報を書かなくとも、近くの事業者なら安心できると思われるからです。
たしかに地域に密着して実績を上げている事業者なら、地域の気象条件などにも詳しいため、塗装工事の効率がよくなります。また、塗装工事後に何か不具合があった場合もすぐに相談できます。
施工実績と保証(アフターサービス)
塗装事業者の施工実績や保証内容も掲載されます。施工実績は、事業者が多くの工事依頼を受けていることを証明する方法のひとつです。また保証やアフターサービスは、事業者が外壁塗装の施工に自信を持っている証ともいえます。
住宅の状況悪化を指摘する「チラシ」
広告とは異なり、その住宅の状況悪化を指摘するチラシもあります。居住者の不安を煽るような表現が多く、実際には必要ない工事を勧めてくる詐欺の危険性もあります。また、通常の生活では確認することが難しい場所を、あえて指摘してくることもあります。
ここで、よくある指摘や、指摘内容の見極めポイントを紹介します。
屋根や外壁の破損を指摘
もし本当なら、放置することで雨漏りなどの重大な劣化につながります。しかし、確認するのが難しいトラブルなので、その場で決めてしまうのは危険です。
外壁のサビ、チョーキング現象を指摘
サビやチョーキング現象は既存の塗膜が劣化が始まっている現象でもあるので、メンテナンス時期が迫っていることは確かです。しかし、それらが見られるからといって、すぐに外壁塗装をしなければいけないわけではありません。劣化の段階としては緊急性は高くないので、すぐに塗装を勧められたら、一旦持ち帰るようにしましょう。
外壁のコーキング劣化によるクラックを指摘
サイディング外壁の場合は、ジョイント部分にコーキングが充填されています。ほかの外壁材の建物であっても、サッシなどの開口部まわりにコーキングが充填されています。
コーキングは経年劣化によってクラック(亀裂やひび割れ)が発生するため、見た目だけでも建物の状況が悪化していることが分かります。この場合は、外壁塗装やコーキングの打ち増しなどを検討するとがよいでしょう。
外壁材の浮き、剥がれを指摘
サイディング外壁の場合は、経年劣化によって外壁材自体の反りが起こることがあります。反りが起こったサイディングは端部に近い部分で浮きや剥がれが起こりやすくなります。浮きや剥がれで生じた隙間から、雨水が侵入したり湿気が入り込んでしまうことで、下地となる木材が劣化することにつながります。
ただし、下地材が腐食していない状態であれば外壁材の張替えなどは必要なく、釘やビスによって固定できます。
チラシから悪質事業者を見抜ける?
チラシの内容から、悪質な事業者を見抜き、騙されないようにすることはできるのでしょうか。悪質な事業者が用いる手法を紹介するので、対策にお役立てください。
外壁塗装の価格が不明瞭
チラシから悪徳事業者を見抜くには、掲載されている外壁塗装の価格を確認しましょう。相場と比較して極端に安い価格の場合には、そこに含まれていない工事費用などがあるはずです。表示価格は外壁の塗装費用のみで、付帯部分の塗装費用や足場費用などは別途必要になるなどの悪質なケースが考えられます。
また、使う塗料の種類や工程が不明瞭な場合もあります。外壁塗装の価格は使用する塗料の種類や工程によっても違うので、不明なところがあれば確認しましょう。
デメリットが載っていない
「調子のいいことばかり書いてある」チラシを避けるのは、外壁塗装に詳しくない方が騙されないために重要なことです。もちろんチラシを配る側としてはよい印象を与えたいのでメリットをたくさん書きますが、注意点やリスクに触れているほうが現実味があります。また、「絶対」や「必ず」など根拠のない断定がされているチラシにも似たようなことが言えるので、避けたほうがよいでしょう。
会社の住所があまりに遠い
チラシに掲載されている会社の住所を確認しましょう。悪質というわけではありませんが、会社の住所が自宅から遠い場合、外壁塗装後の保証やアフターサービスを適切に受けられない可能性があります。また、遠方からの職人の移動費用などが余分にかかってしまうこともあります。
参考:パンフレットをもらい会社情報を精査しよう
チラシを見てすぐに問い合わせるのではなく、次のステップとしてパンフレットをもらい会社情報を精査しましょう。会社情報としての住所はもちろん、施工実績や保証、アフターサービスなども細かく掲載されているため、容易に確認ができます。
また、ホームページを確認するのも有効です。ページがなかったり怪しいページであれば、ほかの事業者を選ぶのもよいでしょう。
チラシの情報も有効活用しよう
チラシの情報は、時に有益です。どのようなメリットがあるのか、そして実際に利用する際はどのようにして依頼すべきなのか、みていきましょう。
チラシのメリット
チラシの情報から、その事業者が行う外壁塗装の平均的な価格が分かります。価格を参考にして見積もりをもらうか判断できるので、無駄を減らすことができます。
また、掲載されている施工実績から得意な工事内容が分かることもメリットです。外壁塗装ではさまざまな塗料や施工方法で作業することがあります。大きな事業者であればどのような塗料であっても仕入れることができますが、小さな事業者では仕入ができなかったり、仕入価格が高額になってしまうケースもあります。
事業者が得意とする工事内容で依頼することで、外壁塗装の価格を抑えたり、最終的な仕上がりや作業の質を確保できます。
チラシを参考にしつつ、実際に依頼する際には……
実際に外壁塗装を行う際には、チラシの情報だけで判断してはいけません。
外壁塗装は、建物によって工事内容や適切な塗料などが異なります。実際に利用する際には、現場調査や見積もりを依頼することが大事です。
また1社の事業者に見積もりを依頼するのではなく相見積もりをして、価格や工事内容、使用塗料などを比較検討することが大事です。チラシを見て外壁塗装を依頼する場合にはクーリングオフの対象にならないこともあるので、複数の事業者から最適な依頼先を探しましょう。
相見積もりをする際は、一括比較のサイトを利用がおすすめです。家にいながらインターネット上で一度簡単な情報を入力するだけで複数の事業者から提案を受けることができます。ぜひ一度活用してみましょう。