屋根塗装と外壁塗装の大まかな種類とそれぞれの特徴を紹介

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屋根塗装職人

建物を維持するには、屋根塗装と外壁塗装が欠かせません。本記事では、屋根塗装と外壁塗装の大まかな種類とそれぞれの特徴を紹介します。

屋根塗装

屋根塗装は、新築時から10年を目安に検討するのが理想的です。また、屋根は外壁よりも空からの距離が近く紫外線などの影響を受けやすいため、劣化が進みやすい傾向にあります。そのため、屋根専用の塗料を使う必要があります。

ここでは屋根塗装に使われる塗料の種類、費用相場などを紹介します。

塗料の種類と特徴

屋根塗装で使う塗料の種類は、以下のとおりです。ウレタン、シリコン、フッ素、遮熱、断熱塗料の順に耐用年数は長くなり、費用も上がっていきます。

塗料の耐用年数(屋根)
塗料の種類 耐用年数の目安(年)
ウレタン 5~7
シリコン 6~8
フッ素 15~20
遮熱、断熱塗料 10~15
(製造メーカーによって異なる)

上記の塗料には、それぞれ溶剤塗料水性塗料があります。水性塗料は溶剤塗料よりも臭いが少ないというメリットがありますが、耐久性が劣ることから溶剤塗料を採用される方も少なくありません。

また、屋根塗装する際は使用されている屋根材に注意しましょう。ストレート屋根の中には、塗り替えでは対応できないケースがあります。ストレート屋根とは、厚さ5ミリの薄い板を利用した屋根のことです。軽量で耐震性に優れているため、広く普及しています。

費用相場

塗料の種類による屋根塗装の費用相場は以下の表のとおりです。使用する塗料のグレードによって費用が大きく異なります。

塗料の費用(屋根)
塗料の種類 費用の目安(円/㎡)
ウレタン 1,800~2,000
シリコン 2,000~2,500
フッ素 3,500~4,500
遮熱、断熱塗料 4,000~5,500

ウレタン塗料を使用するケースは減ってきていますが、倉庫などの人が住まない建物では費用を抑えるために採用されることもあります。

シリコン塗料は戸建て住宅のうち、シェア率が最も多いといわれています。費用相場は、溶剤塗料か水性塗料かによって多少の差があります。

フッ素塗料は費用が高くシリコン塗料に比べコストパフォーマンスが下がってしまうので、採用されることはあまりありません。

遮熱、断熱塗料は耐用年数が長いぶん費用も高価ですが、リフォームする場合には地方公共団体(自治体)などの補助制度の対象となることもあるので、チェックしてみてください。

屋根塗装以外の工法

屋根材の欠けや剥がれ、めくれは雨漏りに直結することが多いので注意が必要です。屋根自体の劣化が進んでしまった場合は、塗装では対応できないケースもあります。

塗装では対応できない場合は、屋根のまたはカバー工法を行います。

屋根の

葺き替えとは、もともとある屋根材を撤去して新しい素材に変えることです。

ストレート屋根の場合は、欠けや剥がれに対して差し替えを行うことも可能です。ただし、新築当時と同じ屋根材を差し替えるのは難しいことが多いので、注意しましょう。

カバー工法

カバー工法とは既存の屋根を残したまま、そのうえに防水シートと新しい屋根材をかぶせることです。

屋根材の劣化が進んでしまった場合、カバー工法も有効な対応策です。既存の屋根材を残した状態で新しい屋根を施工することで、解体費や処分費の削減につながります。さらに、屋根がニ重になることで室内の遮音性、断熱性の向上も期待できます。

なお、カバー工法では耐久性の高い、金属製の屋根が使われるのが一般的です。

外壁塗装

屋根と同様に外壁に使用される塗料は、約10年経過すると劣化が始まります。そのため、外壁塗装は10年を目安に定期的に行うのが理想的です。

ここでは外壁塗装に使われる塗料の種類、費用相場などを紹介します。

塗料の種類と特徴

外壁塗装で使用する塗料の種類は、ウレタン、シリコン、ラジカル、フッ素です。それぞれの耐用年数の目安は以下の表のとおりです。

塗料の耐用年数(外壁)
塗料の種類 耐用年数の目安(年)
ウレタン 8~10
シリコン 10~15
ラジカル 12~15
フッ素 15~20

塗装会社やメーカーが独自に開発している塗料もありますが、基本的にはどの樹脂を使用しているかでグレードが分かれます。

ウレタン塗料よりも耐用年数の低いアクリル塗料もありますが、施工されるケースは少なくなっています。

また、屋根塗装と同様にそれぞれの塗料には「溶剤塗料」と「水性塗料」の2種類あり、通常は建物の外壁に使用されている材質によって選択します。

溶剤塗料は、主にトタンなどの金属製の外壁に使用します。水性塗料に比べ耐用年数が長いと思われていますが、同等のグレードではそこまでの差はなくなっています。

水性塗料は、サイディングなどの外壁に使用します。サイディングとは、外壁に貼り付ける板状の外壁材のことです。臭いが少ないため、住みながら塗り替えを行うリフォームなどで多く採用されています。

費用相場

外壁塗装の費用相場も、使用する塗料のグレードによって大きく異なります。塗料の種類による費用相場は以下の表のとおりです。

塗料の費用(外壁)
塗料の種類 費用の目安(円/㎡)
ウレタン 1,700~2,200
シリコン 2,300~3,000
ラジカル 2,500~3,000
フッ素 3,800~4,800

ウレタン塗料は独特の臭いがしますが、費用を抑えたい場合におすすめの塗料です。

シリコン塗料は耐用年数と価格のバランスがよくコストパフォーマンスが高いことから、普及率が上がっています。溶剤と水性の両方の塗料があるので、状況に合わせた選択も可能です。

さらに、ラジカル塗料が開発されたことでサイディングなどの外壁では、ラジカル塗料を採用するケースも増えています。ラジカル塗料は比較的新しい塗料で、耐用年数がシリコンよりも長く、フッ素よりも短いです。シリコンに変わる人気の塗料といわれています。

フッ素塗料は、一般的な塗料の中では最も高価な塗料です。塗膜自体が硬くなるので選択する際には注意が必要です。

外壁塗装以外の工法

外壁のメンテナンスでは塗装以外にも張り替えカバー工法があります。塗装では対応できないほどの劣化が見られる場合に検討します。

外壁の張り替え

外壁塗装で対応できないときや外壁の劣化が部分的な場合に、塗装の代わりとして外壁を張り替えます。

張り替える際は、新築当時と同じ外壁材が手に入らないことがあるので注意しましょう。工場で生産されるサイディングは、数年で生産中止になることがあります。柄が微妙に違うサイディングを、隣同士で施工すると目立ってしまいます。

カバー工法

カバー工法とは既存の外壁を残したままで、うえから新しい外壁材を貼る工法です。

カバー工法を選択するメリットは、既存の外壁の解体撤去の必要がないので工事費や処分費を抑えられることです。

屋根塗装と外壁塗装を行う際のポイント

塗装工事をしている戸建て住宅

塗装工事をしている戸建て住宅

ポイントを知っておくことで工事費用を抑えることや、塗装後のトラブル軽減につながります。屋根塗装と外壁塗装を行う際のポイントは、以下のとおりです。

屋根と外壁の塗装を同時にする

屋根塗装や外壁塗装を単独で行う場合、仮設足場の設置が必要です。仮設足場の設置は一般的に20万円程度の費用が必要なため、屋根と外壁を同時に塗装することで1回分の費用を抑えられます。

ただし、同時に行うことで工事期間が長引くデメリットがあります。それぞれ別で工事をするか、同時に行うか、自分に合ったほうを選択しましょう。

建物全体のメンテナンスを行う

屋根塗装と外壁塗装を行う際、建物全体のメンテナンスを併行して行うことが大事です。屋根材の塗装と同時に棟板金むねばんきんの張り替えや補修、雨どいの調整など、仮設足場が必要な工事をまとめて行いましょう。

耐用年数が長い塗料を使用することも大事ですが、建物全体のメンテナンスをする意味でも、10年程度を目安に屋根塗装や外壁塗装を検討しましょう。

屋根塗装工事について理解できましたか?屋根と外壁、どちらも施工会社に相談して、家の快適性を長く保ちましょう!

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