破風板(はふいた)には、屋根の耐風性の向上や雨水の侵入を防ぐ役割があります。 屋根は吹きおろしの風には強いのですが、横や下から吹き上げる風には強くありません。破風板を設置することで、吹き上げられる風を分散し、雨水の侵入を防ぎます。 しかし破風板は、年月が経つと劣化して本来の役割を果たせなくなります。そのため、破風板が劣化する前に、定期的に再塗装を行う必要があります。
破風板の塗装が劣化する原因
屋根の側面にある破風板は、雨風、太陽光から大きな影響を受けます。 破風板の塗装が劣化する原因には、主に次の4つがあります。
- 経年劣化による顔料の変質
- 太陽の紫外線
- 雨風
- 塗装下地の乾燥による影響
それぞれの原因について詳しく解説していきます。
経年劣化による顔料の変化
顔料とは、破風板に使う塗料に含まれる色の原料のことです。 顔料が経年劣化すると、顔料が白い粉状になって外壁の表面に浮き出てくるチョーキング現象が起こります。 チョーキング現象が起こると、破風板の耐久性や防水性が低下して劣化の進行を早めてしまいます。
太陽の紫外線
太陽の紫外線は刺激が強いため、塗装の劣化を早めます。 破風板が紫外線を浴び続けると塗料に含まれる顔料が分解され、まだらに色あせてしまって見栄えが悪くなります。 また、紫外線は塗膜を傷つけるので、塗装のひび割れや剥がれを引き起こすおそれがあります。塗装の剥がれは、破風板の腐食や雨漏りにつながります。
雨風
雨風は、破風板の塗装にダメージを与えます。 繰り返し風雨を受けてダメージが蓄積し、塗装の剥がれやひび割れを起こします。特に台風の強風や大雨はダメージが大きいため、塗装の劣化を早めます。 塗装が剥がれると雨水が浸入し、破風板が腐食する原因になります。
塗装下地の乾燥
塗装してから時間が経過すると、塗装下地に含まれていた水分が失われていきます。水分が失われると、塗装下地が縮んで、塗装のひび割れを起こします。 ひび割れた塗装から雨水が浸入するため、破風板が腐食していきます。 破風板は、さまざまなダメージを蓄積しています。家の美観や耐風性を保つために、定期的に破風板の塗装を行い、破風板を保護してください。
破風板の補修方法と塗料・色の選び方
破風板のメンテナンスでは塗装を行いますが、家の見た目も変わるため、塗料や色の選択は重要です。 ここでは、破風板の補修方法、塗料や色の選び方について解説します。
補修方法
破風板を補修するときの施工手順は次の通りです。
- ケレン作業
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
それぞれの作業について解説します。
ケレン作業
破風板の補修は、ケレン作業から始まります。ケレン作業は、塗料を塗布する前の下地処理で、経年劣化で浮いた塗膜などを除去します。 ケレン作業を行わずに塗装すると、劣化して浮いた塗膜の上に塗装することになるため、新しく塗装をしても剥がれやすくなってしまいます。 しっかりと密着した塗装を行うために、必ずケレン作業で下地を整えます。
下塗り
下塗りは、破風板と塗料の密着性を上げるために施工します。 塗料が染み込みやすい部分と染み込みにくい部分を把握できるため、仕上がりのムラを防ぐことにもつながります。
中塗り
下塗りを終えたら次は中塗りです。下塗りでわかった染み込みにくい部分に注意して塗っていきます。 中塗りのムラが上塗りの仕上がりに影響するため、丁寧に施工します。
上塗り
上塗りも中塗りと同じように、ムラが出ないよう丁寧に施工します。 上塗りを終えると破風板の補修作業は完了です。
塗料の選び方
破風板に使う塗料は、素材に合ったものを選びます。 たとえば破風板の素材が木材の場合、塗膜の密着が剥がれやすいため浸透タイプの塗料がおすすめです。 一方で窯業系の破風板は、吸水性が高くて水の影響を受けやすいため、塗膜を作ってくれる塗料が適しています。 このように破風板の素材ごとに特徴があるため、使用する塗料は素材に適したものを選ぶことが大切です。
色の選び方
破風板の色は、基本的に屋根や外壁に合わせることをおすすめします。 屋根がグレーであれば破風板もグレーにしましょう。屋根や外壁の色と合わせることで、統一感を演出できます。 破風板の色選びでは、白系に注意してください。破風板は雨風にさらされるため、汚れが付きやすいのです。白系の塗料は清潔感があるものの、汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。 美観を損ねる可能性があるので、破風板の色に白系を選ぶのは避けたほうが良いでしょう。
破風板の塗装のポイント
破風板が本来の役割を果たすには、定期的な塗装が必要です。破風板を塗装するときの料金相場や、破風板を塗装するときのポイントを紹介します。
破風板の塗装の料金相場
破風板塗装の料金相場は一般的な住宅面積(10坪~30坪)で、1棟5万~15万円です。 30坪を超えるとさらに高額になります。 さらに、足場代として約10万~20万円が追加でかかります。塗装する前に補修が必要な場合は、さらに費用がかかります。 破風板塗装の費用を抑えるには、外壁や屋根の塗装と同時に行うことをおすすめします。
外壁塗装と同時に行う
破風板と外壁は、約10年ごとの定期的な塗装が必要です。 破風板塗装と外壁塗装を同時に行うことで、足場を組む回数が1回で済むため、費用や業者に依頼する手間を省けます。 破風板塗装と外壁塗装を行う際は、事前に外壁塗装業者へ相談する必要があります。破風板塗装と外壁塗装を合わせた施工の見積もりを依頼しましょう。
複数の業者に見積もりを依頼しましょう
複数の業者に見積もりを取ることで、価格交渉を有利に進められます。そのため、破風板塗装の料金を抑えたい場合は、相見積もりがおすすめです。 さらに業者ごとの見積もりを比較できるため、悪徳業者を見分けることもできるでしょう。料金だけでなく、業者選びの参考にもなります。 しかし、複数の業者へ連絡して見積もりを取るのは手間や時間がかかってしまいます。 手間や時間をかけたくない方は、一括査定サイトを利用しましょう。 一括査定サイトであれば、簡単に複数の業者から見積もりを取得できます。