外壁塗装を検討する際に、臭いが気になるという方は少なくありません。実際に、臭いが原因でさまざまなトラブルが発生しています。
また、塗料の強烈な臭いが人体に悪影響を及ぼさないか不安な方もいるでしょう。
本記事では、外壁塗装の臭い対策を準備編と塗装中・塗装後編の2つに分けて紹介します。
外壁塗装の臭い
まず、外壁塗装の臭いの原因やその影響を理解しておきましょう。
臭いの原因
外壁塗装の独特な臭いは、主に油性塗料に含まれる有機溶剤が原因です。有機溶剤には、イソプロピルアルコールやメタノール、キシレンなどのシンナーなどが含まれており、以下のような効果があります。
- 塗料の防水性の向上
- 塗料の乾燥を早めてくれる
- サビ防止
しかし、特徴的なツンとした刺激臭があり、外壁塗装時に気になる方が多いです。
なお、油性塗料より水性塗料のほうが臭いを抑えられます。水性塗料は有機溶剤が含まれていないため、油性塗料のような刺激臭がありません。
ただし、塗料を安定させるための揮発性有機化合物は多少臭いが発生するため、完全に刺激臭を抑えられるわけではありません。ですが油性塗料ほど臭いは強くないため、臭いに敏感でなければそこまで気にならないでしょう。
人体に影響はある?
油性塗料に含まれる有機溶剤は臭いがあるだけでなく、人体に悪影響があります。
塗料に含まれるシンナーは、長時間吸い続けると、吐き気や頭痛を引き起こす危険性があります。また、粘膜の不快感や発熱など、体調を崩すおそれもあります。
成人であれば軽度な症状で済みますが、妊婦の方や子どもの場合はさらなる悪影響を及ぼします。
特に生後間もない赤ちゃんは、マニキュア程度の有機溶剤ですら嘔吐してしまうといった事例があります。妊婦の場合も、自身で吸ったシンナーによって、お腹の中にいる赤ちゃんに悪影響を与えてしまう危険性があるでしょう。
このように、有機溶剤による臭いは人体に悪影響を及ぼすため、できる限り臭いを抑える必要があります。
また、自身だけでなく近隣住民にも影響があるため、外壁塗装前は近隣住民に作業日程などを伝えておく必要があります。
もっとも臭いが強いのが中塗りと上塗り
外壁塗装中は、ずっと臭いが強いわけではありません。
外壁塗装の作業は、下塗り・中塗り・上塗りの3工程あります。
中塗りと上塗りは、基本的にどちらも同じ仕上げ塗料を使用します。しかし下塗りは、仕上げ塗料の密着性と安全性を高めるために、下塗り専用の塗料を使用します。
下塗り塗料は、仕上げ塗料に比べて臭いが弱いです。そのため、実際に臭いが強いのは、中塗りと上塗りの作業時のみです。
なお、一般的な30坪の住宅の場合、中塗りと上塗りの作業は約2日かかります。塗装後は少し臭いが強くなるため、1日を見込んで約3日間は臭いが気になると想定しておきましょう。
外壁塗装の臭い対策~準備編~
外壁塗装の臭いは完全に防げないため、準備の段階から対策が必要です。
水性塗料を選ぶ
外壁塗装の臭い対策として、もっとも有効なのが水性塗料を選ぶことです。
水性塗料は臭いの原因となる有機溶剤が含まれていないため、強い刺激臭を抑えられます。また主成分が水のため、人体や環境によく安全性の高い塗料です。
なお、水性塗料で人気が高いのが、エスケー化研が販売する「水性セラミシリコン」です。水性のため刺激臭が抑えられているのはもちろんのこと、耐久性や低汚染性、防藻性にも優れています。性能の高い塗料のため、塗装が長持ちするでしょう。
臭いを抑えた塗料を選ぶ
臭いを抑えたF☆☆☆☆(エフフォースター)に認定されている塗料を選ぶことも、外壁塗装の臭い対策としておすすめです。
F☆☆☆☆(エフフォースター)塗料は、臭いの原因となる物質のホルムアルデヒトの発散量をゼロもしくは微量に抑えた塗料です。ホルムアルデヒトの発散量をゼロに抑えるだけでも、十分に塗料の刺激臭を防げるでしょう。
また、香り付きの塗料や自然塗料を使用するのもおすすめです。たとえば日本ペイント株式会社が販売している「ハナコレクションシリーズ」の塗料は、バラの香りがするため刺激臭が感じにくくなります。
また大阪塗料工業株式会社が販売する「ユーロ」は、有害性のある薬剤を使用していません。F☆☆☆☆も取得しているため、人体への影響だけでなく臭いも防げる塗料です。
作業日程を把握する
臭いを抑えた塗料を選んでも、臭いがまったくなくなるわけではありません。少なからず臭いが発生してしまうため、どうしても気になる方は事前に対策しましょう。
そのために、作業日程を把握しておくことが重要です。あらかじめ作業日程を把握しておけば、作業中は外出したり、事前にマスクを用意したりなどさまざまな対策ができます。
また外壁塗装の臭いは、近隣住民とのトラブルのきっかけになるおそれがあります。作業日程を把握するのと同時に近隣への告知ができれば、大きなトラブルに発展するリスクを下げることにつながります。
外壁塗装の臭い対策~塗装中・塗装後編~
ここでは、塗装中や塗装後の臭い対策を4つ紹介します。
専用のマスクを準備する
塗装中や塗装後は、通常のマスクでは臭いを防ぎきれませんが、専用のマスクであれば臭いを緩和できます。
たとえば、活性炭が入った不織布マスクは、臭いを吸着してくれるので刺激臭を感じにくいです。
また消臭成分が入っているマスクであれば、ドラッグストアで数百円程度で売られているため、気軽に購入できます。
換気を行う
外壁塗装の臭いがすでに部屋に入ってしまった場合は、換気を行いましょう。ただ窓を開けるだけでは臭いを外に逃がせないため、換気方法を工夫する必要があります。
たとえば外に向かって扇風機やサーキュレーターを回すことで、外に臭いを逃がすことができます。
ちなみに臭いは下から上に流れる性質があるので、1階を中心に換気を行うのがおすすめです。
洗濯物を外に干さない
外壁塗装中に外に洗濯物を干すと、衣類に塗料が付いてしまうおそれがあります。また、足場を設置するため、ほこりや汚れが付くこともあります。
そのため、外壁塗装中は基本的に外に洗濯物を干せません。
洗濯をするときは、外干し以外の方法を考える必要があります。以下に外干し以外の方法を3つまとめてみました。
- 部屋干しする
- コインランドリーを利用する
- クリーニングを利用する
室内にある程度のスペースがあれば、部屋干しが可能です。
またコインランドリーが近くにあれば、洗濯物を外干しせずに済むでしょう。コインランドリーでは、一回数百円で洗濯できます。
コインランドリーの利用が面倒な場合は、クリーニングを利用するのもよいでしょう。
料金が高くなってしまいますが、近年はインターネットで配送してくれるサービスがあります。集荷から返却まで手間なく行えるため、活用を検討するのも選択肢のひとつです。
まずは外壁塗装の施工会社に相談してみよう
外壁塗装の臭いが気になる方は、まずは施工会社に相談してみましょう。優良な施工会社であれば、臭いに関する対策や準備を親身になって説明してくれるので、臭いの不安を解消できます。
しかし外壁塗装の施工会社は多くあるため、どこを選んだらよいか悩む方が多いでしょう。
そこで、一度の手間で複数の施工会社を比較できる一括比較サイトを利用しましょう。会社ごとの特徴を手軽に比較できるため、信頼して外壁塗装を任せられる人が必ず見つかります。