外壁のガラリとは外壁に設置される換気口のことです。この記事では、ガラリが外壁に必要な理由に加えて、外壁に設置したほうがよい場所や、設置しないほうがよい場所、失敗しにくいガラリの選び方について解説します。
ガラリについて詳しく知りたい方、ガラリを交換したい方は、ぜひ参考にしてください。
ガラリとは?
ガラリとは窓やドア、壁に換気用の穴を開けた場所に設置する部材のことです。羽根板と呼ばれる幅の狭い板が、複数枚平行に取り付けられています。
ドアに設置されているものはドアガラリ、ドア全体にガラリが設けられているとガラリ戸と呼びます。同じように羽根板が平行に並んだような形をしているものにルーバーがあります。ルーバーと呼ぶときは、どちらかといえば建物のデザインとしての捉え方をしています。
ガラリと呼ぶ場合は、換気口についているので機能面として捉えています。
外壁に取り付けられている換気口が外壁用ガラリ
外壁用のガラリは、キッチンやお風呂などの換気扇の出口にあたる外壁の開口部に取り付けられています。
フード型になっていたり、羽根板が斜めに取り付けられていたりと、室内に換気口から雨風が入りにくい構造になっています。
外壁用ガラリの役割
外壁用ガラリには以下のような役割があるため、換気にはガラリの取り付けが必要です。
- 空気の出入り口
- 風雨や虫の侵入を防ぐ
空気の出入り口
外壁用ガラリは、建物における空気の出入り口の役割を果たしています。近年、住宅は気密性が高くなり機械による換気をしなければ室内の空気を入れ替えることができなくなっています。
法令においてもシックハウス症候群の対策として、機械換気設備の設置が義務付けられています。そのため、空気の出入り口の役割を果たしている外壁用ガラリも設置する必要があります。
もちろん、外壁に穴さえ開いていれば空気の出入り口にはなりますが、穴だけ空いているのは見た目が悪いです。ガラリはデザイン性に優れた商品も多くあるため、適切に設置することで建物の外観を損ねることなく、空気の流れを調整できます。
風雨や虫の侵入を防ぐ
ガラリが設置されていることで、風雨が室内に入ることを防ぐ役割も果たしています。フード型になっているものや水の侵入を防ぐための水返しが付いている型もあります。
また、細かい目の網が設置されているタイプのガラリを設置することで、虫の侵入を防ぎます。
どのガラリに交換する?外壁に使用するガラリの選び方
「破損した」「汚れが目立ってきた」「ガラリの耐用年数が過ぎた(耐用年数は種類によって異なり、約10~20年」ら、交換のタイミングです。せっかく交換するのであれば、耐久性や見た目、目的に合わせた機能面も含めて選ぶことが大切です。
見た目や機能性を重視する
機能として役割が強い外壁用のガラリですが、やはり見た目で選びたいという方もいるでしょう。そうした方にはすっきりとデザインされた形のガラリもあります。
雨がよく降る地域や風が強い地域、草むらなどが近くにあって虫が多いというような場合は、求める機能を重視して形を選ぶとよいでしょう。
たとえば、防火地域や準防火地域に指定されているような場所に建っている住宅の場合、火災時に燃え広がるのを防ぐための「防火ダンパー」がついたガラリを設置しなければいけません。
住んでいる地域にどういった指定があるのかわからない方は、外壁工事業者に相談すると適切な形のガラリを提案してくれます。ぜひ相談してください。
耐久性のある素材を選ぶ
外壁に取り付けるガラリの素材は、耐久性のあるものを選ぶようにしてください。
外壁用ガラリは、太陽光や風雨など自然環境の影響をまともに受けます。経年劣化しやすい樹脂製のものではなく、劣化しにくいステンレス製のものを選ぶとよいでしょう。
また、外壁の色との組み合わせでガラリの色も気にする方であれば、金属製の焼付塗装で仕上げられているものを選ぶとよいでしょう。比較的耐久性が高く、色あせや剥がれもしにくいため、最大で20年は美観を保てます。
ガラリの設置場所
もともとあった位置にガラリを設置するのもよいですが、もともとなかった場所に設置したい場合もあるでしょう。また、ガラリの数を増やしたい場合もあるでしょう。
具体的にどういった位置にガラリを設置したほうがよいのか、紹介します。
設置が推奨される場所
換気扇の出入り口として必要になるガラリですが、設置の仕方によっては、外壁の仕上がりに影響が出ます。
外壁にガラリが複数設置されていると、煩雑とした印象になりやすいため外観を気にされる方は、できるだけ正面ではなく建物の裏面や目立ちにくい場所に設置できないか検討しましょう。
キッチンや浴室、トイレの換気扇の出口
キッチンや浴室、トイレの換気扇の出口には必ずガラリを設置してください。雨だけでなく虫や小動物の侵入を防げます。
基礎に設けた開口部
床下の換気を目的として基礎に設けた開口部は、ガラリを設置したい場所です。開口部にガラリを設置しないと、そこから侵入した動物や虫などが床下に住みついてしまうおそれがあるためです。
住みついた動物や虫によって、糞尿のニオイや害虫が運ばれてくる被害を防ぐためにも、基礎の開口部にはガラリを設置しましょう。
軒天
2階などの天井裏にあたる小屋裏の換気のため、軒天もガラリを設置したい場所のひとつです。
夏場に小屋裏の換気が十分でないと、太陽の光によって小屋裏の空気が温められてその真下にある室内も高温になります。冷房の効きにも影響するため、快適な室内環境を維持するためにも、軒天にガラリを設けて小屋裏の換気を取る必要があります。
設置が適切でない場所は屋根面
外壁用ガラリなので、外部に面しているからといって屋根面には設置しないでください。たとえ作業がしやすかったとしても屋根面に設置するような専門業者はいません。
屋根面に開口部をつくれば、どんなに対策をしようとも雨漏りの原因となります。換気扇を設置する高さの関係から、なかなか思ったような外壁の位置にガラリを設置できないようなときがあります。それでも、何とか換気扇の配管スペースを確保してガラリを外壁に設置できるようにしましょう。
注意!複数設置する場合は高さをそろえる
同じ外壁面に複数のガラリを設置する場合は、高さをそろえることが大切です。
ガラリが高さをそろえて設置されていると仕上がりのよさまで気にして取り付けている印象を受け、見た目もすっきり感じられます。構造的に難しい場合もありますが、ガラリを設置するときは高さをそろえるとよいでしょう。
ガラリの取り付けはプロの外壁工事業者へ
外壁にガラリの取り付けを検討されている方は、プロの外壁工事業者にお願いしてください。特に2階の外壁など高所に取り付ける必要がある場合に、DIYで初心者が手を出して万が一ということがあれば最悪の事態も想定されます。
新たにガラリを設置しようとする場合、外壁のどの部分に穴を開けてよいかを判断するのは簡単にできることではありません。建物の構造部を避けて換気扇と接続しやすい位置に設置しなければならないため、プロの工事業者に任せましょう。
また、しっかりと取り付けができていなければ、ガラリが雨漏りの原因となる心配もあります。ガラリの取り付けはプロの外壁工事業者に任せるのが安心です。
外壁工事業者の選び方
ガラリの取り付けを行う専門業者は、外壁の仕上げを行っているサイディング工事業者や板金工事業者もしくは換気扇を設置する電気工事業者に依頼するのが一般的です。
2階の外壁に設置するなど高所作業を行うことになるので、安全対策が必要です。安全対策をしっかり行う業者は仕事も丁寧です。こうした専門業者は、普段からガラリを設置することに慣れているので雨漏りしないように正しく設置してくれるでしょう。
安全対策はどう考えているのか、施工経験はどうかということを業者に質問をして、納得する返答ができる業者を選びましょう。とはいえ、専門業者の知り合いはいないし、どこに問い合わせたらいいのか分からないというような方は、外壁工事の一括見積もりサイトぬりマッチを利用するとよいでしょう。
一定の基準で選ばれている外壁工事の専門業者にガラリの設置について、一括で相談できます。ぜひ活用してください。