外壁や屋根の塗装業者の中には、工事後に高額な請求をしてくるような悪質な業者もいます。専門的な知識がなければ判断が難しいように感じるのではないでしょうか。
しかし、要点さえ押さえておけば、業者に出してもらった見積書を確認することである程度見分けることができます。
本記事で、外壁塗装の見積書が適正であるか判断するためのポイントを解説します。業者に工事を依頼する前にチェックして、優良な業者を選びましょう。
塗装見積書の見方
見積書の見方を、内訳や具体例から理解しましょう。
見積書の内訳
見積書の内訳を、単価相場も併せて以下の表にまとめました。業者によって見積書の内容が異なるため、あくまで参考です。
外壁塗装の項目 | 内容 | 単価相場(円/㎡) |
---|---|---|
仮設足場の設置 | 塗装するための足場の設置作業 | 600〜900 |
高圧洗浄 | 高圧洗浄機で外壁を洗浄する作業 | 150〜250 |
養生 | 窓やドアにビニールを貼って養生する作業 | 250〜400 |
下地処理 | 塗膜やサビを削るケレンなど、劣化した部分の補修作業 | 2,000〜2,500 |
下塗り | 1回目に行う塗装作業で、中塗りや上塗りが剥がれないように接着剤の役割となる | 500〜1,200 |
中塗り | 2回目に行う塗装作業で、上塗りと同じ塗料を使用する | 1,500~4,500 |
上塗り | 3回目に行う塗装作業で、塗装作業の仕上げ | 1,500〜4,500 |
付帯部 | 破風や軒天、雨樋など外壁以外の部分の塗装作業 | 2万5,000~3万 (一式) |
見積書例
以下は、屋根や外壁塗装を行う際の見積書例です。業者から受け取った見積書を確認する際に参考にしてみてください。
見積書のチェックポイント
見積書が適正であるか判断するために、注目すべきチェックポイントを紹介します。
注意点①塗料の名前やメーカーが詳しく明記されているのか
塗料の名前やメーカーが詳しく明記されているのか確認しましょう。
業者によっては、見積書に「アクリル塗料」や「シリコン塗料」など塗料の種類名しか明記していないケースがあります。
しかし塗料の種類はメーカーやグレードによって大きく品質と値段が異なります。 詳しく商品名が明記されていないと、グレードの高い塗料の値段を計上し、実際は低いグレードの塗料で施工しているおそれもあります。
優良な業者であれば、塗料メーカーと商品名が明記されているでしょう。
優良な業者の中でも明記されていない場合がありますが、打ち合わせの際に決定した塗料を使用しているのか確認することが大切です。
注意点②塗装回数が3回塗りかどうか
塗装回数が3回塗りかどうかも、見積書を確認する際のポイントです。
外壁や屋根の塗装は、基本的に下塗り・中塗り・上塗りの3工程あります。しかし塗装業者によっては、塗装回数を省こうとするケースがあるので注意が必要です。
塗装回数を省くと、十分に塗膜を形成できなくなるので塗料本来の効果が得られません。また、塗装の持続期間も短くなってしまうため、長く持たせるためにも必ず塗装回数を確認する必要があります。
注意点③下地処理はどこまで行うのか
外壁や屋根を塗装する際は、下地処理をどこまで行うのか確認することも大切です。
下地処理には、クラック処理やケレン作業などさまざまな作業があります。
しかし業者によっては下地処理を「一式」としか見積書に明記しないケースがあります。後から別の作業が必要になったからといって、追加費用を請求されるおそれがあります。
処理の内容によって費用相場が異なるため、具体的な作業が明記されているのか確認しましょう。また明記されていない場合でも、具体的にどのような作業を行うのか事前に確認することが重要です。
注意点④一式のみの表記
見積書の項目に「一式」という表記がある場合は、注意が必要です。「一式」のみの表記では、どんな作業をどの程度行うのか分からないため、工事の内容を把握するのが難しいです。
そのため「一式」という表記がある場合は、どんな作業を行うのか具体的な工事内容を質問しましょう。 また、施工面積を把握するために、㎡やmの表記に変えてもらえるのかを併せてお願いするのもおすすめです。
【補足】悪い見積書例
上記のチェックポイントに着目しながら、実際の悪い見積書例をみてみましょう。 上記の見積書では、一式でまとめられていることが多く具体的な費用が分かりません。また工事名称もおおざっぱなため、具体的な工事内容がみえてこないのも特徴です。
相見積もりをしよう
外壁や屋根の塗装見積もりを行う際は、相見積もりをしましょう。相見積もりとは、複数の業者に同条件で見積もりを依頼して比較することです。
相見積もりを行えば、優良な業者が見極められることや相場価格が分かるといったメリットがあります。
優良な業者が見極められる
相見積もりをすることで、複数の業者の見積もりを比較できるため、優良な業者を見極められます。
見積書の項目が詳しく明記してくれる業者ほど後々費用を請求されるリスクも少なく、優良な業者であるといえます。A社では説明をしてくれたことをB社では隠された、という場合であれば悪質業者の可能性があると判断できます。
見積書の内容や金額に問題がなければ、自分の条件に合った優良な業者に、納得した状態で工事の依頼ができるでしょう。
相場価格が分かる
相見積もりをして金額を比較することで、工事の費用相場を把握することが可能です。
費用相場が把握できれば見積金額が安すぎる業者や、高すぎる業者を判別できるので優良な業者を見極められるようになるでしょう。
金額が安すぎる場合は、契約を結ぶために工事内容を減らしたり、材料のグレードを下げたりしているおそれがあります。また、高すぎる場合も水増ししている可能性があるので、注意が必要です。
塗装工事について詳しくなれる
塗装工事について詳しくなれることも、相見積もりのメリットのひとつです。
一般的には、工事前に業者から調査や説明を受けます。相見積もりを行い、複数の業者から調査や説明を受けることで、工事内容について多くの知識を得ることが可能です。
また業者によって確認すべき内容や、面積の測り方が異なります。そのため塗装業者ごとの違いについても詳しくなれます。
担当者との相性が確認できる
相見積もりを行うメリットは、相場価格や優良な業者の見極めだけでなく担当者との相性も確認できます。
複数の業者の担当者から説明を受ける際には、以下のようなことを確認しましょう。
- 書類の内容
- 些細な質問にも真摯に答えてくれるか
- 対応が早いか
書類内容が分かりやすく、真摯な対応をしてくれる担当者ほど工事も安心して任せられます。
相見積もりは一括比較サイトの利用がおすすめ
相見積もりを行うことで、さまざまなメリットが得られます。しかし、いざ相見積もりをするとなると、手間が多く面倒に感じるでしょう。
少しでも楽に相見積もりをしたい方は、一括比較サイトの利用がおすすめです。
一括比較サイトであれば、インターネット上で、複数の業者に一度の手間で見積もりを依頼できます。時間や手間を省くことができるため、忙しい方でも気軽に相見積もりができます。
塗装の見積書に関するよくある質問
- 外壁や屋根の塗装見積書はどこを見たらいい?
- 塗料の名前やメーカーが詳しく明記されているのか、塗装回数が3回塗りかどうかなどをチェックしましょう。また、見積書の項目に「一式」という表記がある場合は、注意が必要です。
- 外壁や屋根の塗装工事は相見積もりをするべき?
- 相場価格が分かるだけでなく、優良な業者を見極める材料にもなるので、必ず相見積もりをしましょう。一括比較サイトを利用すれば、相見積もりの時間や手間を省くことができます。