屋根や外壁は、快適な住環境を維持するため、10年に一度は塗装をする必要があります。
屋根と外壁の塗装をするのであれば、別のタイミングではなく、同時に行うことをおすすめします。屋根と外壁の塗装を行うメリットや基礎知識、時期などについて解説します。
屋根と外壁の塗装に関する基礎知識
まずは、屋根と外壁の塗装に関する基礎知識を紹介します。
塗装の目的と効果
屋根や外壁の塗装は、見た目をよくするだけでなく、雨風や紫外線などの過酷な自然環境から建物を守り、長持ちさせる役割があります。
主に次の効果が期待できます。
- 雨風や紫外線、気温の変化などから住まいを守り、快適な住環境を維持する
- 新築時の美観を取り戻したり、住まいのイメージチェンジを楽しんだりできる
- 住まいの資産価値を維持して、ライフサイクルを延ばせる
塗装は、はっきりと目には見えなくても、徐々に色あせや経年劣化が進行していきます。
放置していると、屋根や外壁の傷みはもちろん、そこから雨水が浸入して構造躯体の腐食やシロアリの繁殖につながります。最悪のケースでは、建物が損壊する事態にもなりかねません。
そのため、定期的に塗り替えによるメンテナンスが必要です。
屋根+外壁塗装工事の流れ
屋根と外壁の塗装は、工事に先立ち近隣住民へあいさつを行い、植栽など作業の障害になりそうなものの
- 足場の設置
- 高圧洗浄
- 下地処理
養生 - 屋根と外壁の下塗り
- 屋根と外壁の中塗り、上塗り
- 完了検査
- 足場の解体、片付け、整地
足場の設置
屋根や外壁の塗装は、高所での作業になります。
そのため、塗装する建物の周囲に安全な作業床となる足場と現場周辺への飛散防止用の
高圧洗浄
足場を設置したら、塗装面に付着しているほこりや汚れ、コケ、剥がれかけた塗膜などをきれいに取り除くために、高圧洗浄機を使って洗浄します。
下地処理
洗浄水が乾燥したら、塗装に先がけてひび割れや欠け、サビなどの劣化部分を補修します。
下地処理は仕上がりに影響を及ぼす重要な工程です。
養生
屋根、外壁の下塗り
塗装は下塗り、中塗り、上塗りの順で塗料を塗り重ねていきます。
下塗りは、仕上げの中塗り・上塗り塗料を下地に密着させるために必要な工程です。
屋根、外壁の中塗り、上塗り
下塗りが乾燥したら、中塗り、上塗りを行います。
乾燥時間は塗料の種類ごとに異なり、塗料メーカーによって指定されています。
完了検査
すべての塗装工事が終了したら、塗り残しがないか、仕上がりの状態は良好かなどをチェックして、不具合があれば是正します。
足場の解体、片付け、整地
完了検査で問題がなければ足場を解体し、片付けと整地を行います。
屋根塗装と外壁塗装を同時に行うべき理由
屋根と外壁を同時に塗装する最大のメリットは、塗装の際に必要な足場の設置が一度で済むことです。
足場代は30坪前後の建物で約20万~30万円かかるため、費用が1回分で済めば、トータルの費用を大きく抑えられます。
また、工事を依頼する手間も一度で済み、同時に施工することで屋根と外壁の色やデザインに統一感を出しやすいこともメリットといえます。
一方で、デメリットもあるため、よく比較して検討しましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
屋根と外壁の塗装時期
前述したように、屋根と外壁の最適な塗装時期は異なるケースがあります。それぞれの塗り替えが必要なサインなどを紹介します。
屋根と外壁のメンテナンス周期
一般的に外壁の塗装時期の目安が約10年といわれているのに対して、屋根は外壁よりも紫外線や雨にさらされやすく、より過酷な条件下にあるといえます。そのため、新築時には、屋根は外壁よりも耐候性の高いものが使われているケースが多いようです。
また、屋根材や外壁材の種類によっても、適切な塗装時期が異なります。定期的に点検を行って、年数よりも実際の劣化状況をよく見極めたうえで時期を判断しましょう。
塗装が必要なサイン
屋根と外壁の塗装が必要になるサインとして、以下のようなものがあります。
屋根 | 外壁 |
---|---|
|
|
いずれも似たようなサインですが、知らなければ見かけても放置してしまうおそれがあります。
現在屋根や外壁にどのようなことが起きているのかを、定期的に確認しておきましょう。
工事は何月が向いている?
屋根や外壁の塗装工事については、国土交通省の「公共建築工事標準仕様書」や塗料メーカーのカタログなどに「気温が5℃以下、湿度が85%以上の場合は塗装を避けてください」と記載されています。
また、雨や雪が降っていたり、塗装面が結露していたりするときも避けるべきです。
塗料によってはほかにも塗装ができない条件があるため、使用する塗料の施工要領などを説明書やパンフフレットなどで確認しましょう。
一般的には「気温が15~30℃、湿度75%以下」が塗料の硬化や乾燥に適しているといわれています。
したがって、気温や湿度ともに安定している春や秋が塗装のベストシーズンですが、晴れの日が多い夏も塗装に適しているといえます。ただし、塗装工事中は
一方で、施工会社への注文が減る梅雨の時期は、特別価格で塗装ができる可能性があります。費用面が気になる場合は、この時期の工事を検討するのもよいでしょう。ただし、雨の日は工事ができないため、工期が長くなりやすいです。
また、冬に塗装を行うと、湿度が低いために塗料が乾きやすくなるメリットがあります。降雪量が少なく、比較的温暖な地域であれば、冬に塗装を行う選択肢もあるでしょう。
どの時期にもメリットやデメリットがあるため、地域特性やコストについても考慮しながら最適なタイミングを選びましょう。
屋根+外壁塗装の費用相場
屋根と外壁の塗装費用は、外壁塗装のみの費用に約20~30万円が加算されることが一般的です。
建物の大きさや使用する塗料のグレード、下地の状態(経年劣化の度合い)、周辺環境などによって異なりますが、一般的な建物における坪数ごとの費用相場を以下の表にまとめました。
建物の坪数(延床面積※) | 費用相場(万円) |
---|---|
20坪 | 90~150 |
30坪 | 110~170 |
40坪 | 120~180 |
50坪 | 140~200 |
※延床面積…各階の床面積の合計
ただし、建物が鉄骨造や鉄筋コンクリート造で陸屋根(屋根勾配のない平らな屋根)の場合は、注意が必要です。屋上防水の仕様によっては費用が高額になるおそれがあります。
助成金や補助金が利用できることも
屋根塗装や外壁塗装では、助成金や補助金が利用できるケースもあります。
たとえば、千葉県松戸市では、耐震改修工事と併せて木造住宅の屋根塗装や外壁塗装を行う場合、30万円を限度に工事にかかった費用の10分の1に相当する額が補助されます。
地方公共団体によって細かい要件や対象の工事が異なるため、詳しくは「外壁塗装・屋根塗装・リフォームの助成金と補助金」で確認しましょう。
費用を抑えるなら一括見積もりをする
費用は施工会社によっても異なります。少しでも費用を抑えるなら、インターネットの無料一括見積もりサイト「ぬりマッチ」の活用をおすすめします。
ぬりマッチは、屋根や外壁の状態を一度入力するだけで複数の施工会社から見積もりをもらえる無料のサービスです。価格だけでなく、細かな提案内容や担当者の対応にも違いがあるため、比較することで自分にぴったりの依頼先が見つかるでしょう。
さらに、加盟している施工会社は、厳しい審査を通過した優良会社のみです。手軽に・安い・良質な屋根塗装と外壁塗装を行うために、まずはぬりマッチを利用しましょう。