屋根の漆喰は約20年で寿命!補修の相場や費用を抑える方法を紹介

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屋根の漆喰は約20年で寿命!補修の相場や費用を抑える方法を紹介

屋根の漆喰は約20年で寿命を迎えます。漆喰の劣化を放置すると雨漏りになったり、劣化部分が悪化し漆喰が崩れたりするおそれがあります。できるだけ安く漆喰を補修するためにも、漆喰の異変には早急に対処しましょう。

本記事では、漆喰の補修が必要か判断する方法から補修費用の相場補修方法費用を抑えるポイントまで徹底解説します。

屋根の漆喰とは

屋根の漆喰

屋根の漆喰

漆喰(しっくい)とは、主に石灰でできた材料のことです。接着や防水の効果があるため、屋根にとって非常に重要な部材です。

瓦同士の隙間を埋めることで、雨水やネズミの侵入を防ぐ役割があります。また、漆喰は瓦の下にあるつきを雨や風から守りつつ、外観を綺麗に見せる役割もあります。葺き土とは、瓦の隙間をふさぎ雨水の侵入を防ぐための土のことです。

漆喰の補修が必要か判断する方法

漆喰は普段から状態を確認し、適切なタイミングで補修する必要があります。タイミングを逃すと補修箇所が増えて、通常より補修費用がかかるおそれがあるためです。

ここでは補修が必要かどうか、自分で判断できる方法を紹介します。自分で判断する方法は次の3つです。

  • 築20年以上経過している
  • 地上からひび割れや欠陥が確認できる
  • 雨漏りしている

ひとつずつ確認しましょう。

築20年以上経過している

漆喰の寿命は約20年といわれています。原因としては、雨や風、直射日光、寒暖差による劣化などが考えられます。

築20年以上経過している場合、漆喰は劣化が進んでおり放置しておくと地震の揺れなどでひび割れや欠けが起きやすくなります。そのため、築20年以上経過している場合は補修したほうがよいでしょう。寿命を長くする方法としては定期的なメンテナンスが有効です。

瓦の寿命は約50年といわれており、漆喰のメンテナンスをしていると小さな補修で済みます。 しかし、メンテナンス時期を逃すと漆喰だけでなく屋根全体を補修することになり、費用と時間がかかってしまいます。定期的なメンテナンスで屋根全体の寿命を長持ちさせましょう。

地上からひび割れや欠陥が確認できる

地上から見たときに、漆喰にひび割れや剥がれが見えたら補修を検討しましょう。

漆喰は日数が経つごとに徐々に硬化し強度が増す一方で、柔軟性がなくなり振動や雨、風などでひび割れを起こしやすくします。漆喰がひび割れているからといって、すぐに雨漏りすることはありません。

しかし、ひび割れを放置していると漆喰が剥がれ落ちて、中の葺き土が出てきてしまい、瓦がズレることもあります。漆喰に少しでもひび割れや欠陥が確認できたら補修を行うのがよいでしょう。

地上からみてもよくわからないという人は、施工会社へ依頼して調査してもらう方法もあります。

雨漏りしている

雨漏りしていると必ず屋根のどこかにひび割れや欠陥があるため、漆喰に不具合が出ているおそれが非常に高いです。

なお、補修の際は漆喰のみを塗り替えても一時的な効果しかありません。雨漏りを補修するには屋根の全面張り替えや瓦をすべて取り替えるといった、大規模な工事が必要であり時間もかかりますし費用も高くなります。

雨漏りを放っておくとほかの場所にも水が入って屋根全体の劣化がどんどん広がってしまうので、放置しないようにしましょう。

屋根の漆喰を補修する方法2選

屋根の漆喰を補修する方法は次の2つです。

  • 漆喰を詰めなおす
  • 棟瓦むながわらを取り直す
棟瓦むながわら
屋根の最頂部にある雨漏りを防止している瓦のことです。

補修方法は、漆喰の劣化具合で使い分ける必要があります。軽い症状の場合、漆喰を詰めなおすだけで補修が可能ですが、重い症状の場合は棟瓦を取り直す必要があります。

漆喰を詰めなおす

あまり劣化していない場合は、漆喰を詰めなおすだけの補修で完了します。そのため、作業も1日以内に完了することが多いです。

補修の目安は漆喰が剥がれてきたときです。屋根の土台である葺き土の湿気を、詰めなおすことで防ぐ効果があります。

ここからは手順ごとに補修方法を確認しましょう。

1.劣化した漆喰を取り除く

まず、劣化している漆喰をヘラで取り除きます。このとき、漆喰の中にある葺き土は残しておきます。

2.葺き土を整え湿気を与える

次に、漆喰を塗りやすくするために屋根の土台である葺き土を整えます。そのあと、葺き土に湿気を与えることで漆喰と葺き土を馴染みやすくします。

3.漆喰を詰めなおす

次に、漆喰をヘラやコテで詰めなおします。隙間がないよう均一な厚みで塗るのがコツです。厚いほうがよさそうですが、厚く塗りすぎると雨や風に当たりやすく劣化を早めてしまいます。

4.表面を整えて乾燥させる

漆喰を塗り終えたら、あとは乾燥させて完了です。乾燥時間は約24時間(冬季は48時間)です。

棟瓦を取り直す

漆喰の劣化がひどいときは棟瓦を取り直す必要があります。

屋根の棟全体の補修が必要なため、作業日数は約3〜5日です。漆喰が剥がれて葺き土がこぼれていると、漆喰を詰め直してもすぐ剥がれてしまいます。

では、詳しい補修方法を確認しましょう。

1.劣化した棟部分の解体

まずは、劣化している棟の漆喰や瓦、葺き土を解体していきます。

2.屋根下地を調整する

次に、屋根の下地となる葺き土を設置していきます。この作業は棟の土台となる作業のため、丁寧に行っていきます。

3.棟瓦の積み上げ

作った下地のうえに棟瓦を積み上げていきます。最後に、棟瓦の一種である冠瓦かんむりかわらを設置して作業は完了です。

DIYはオススメしない

塗るだけだから簡単そうと思って、DIYするのはオススメしません。屋根のうえを歩くといった行為は非常に危険なためです。

また、コテや靴・漆喰の購入など専用道具を揃えるのも大変で、自分で補修すると一時はよいかもしれませんが、すぐに漆喰が剥がれてしまいます。さらに、水の抜け道までふさいでしまった結果、雨漏りの原因になることもあります。

漆喰の補修にかかる費用相場

漆喰の補修にかかる費用相場は次のとおりです。住宅の一般的な棟の長さ=60mで算出しました。

漆喰の詰め直しと棟瓦の取り替えにかかる費用相場
費用相場 単価(円/m2) 棟長さ60mの場合(万円) 
漆喰の詰め直し 4,000〜7,000 24〜42
棟瓦の取り替え 8,500〜1万2,000 51〜72

漆喰の補修には、上記の料金にプラスで足場の設置費用が15〜25万円かかります。合計すると漆喰の詰め直しで39〜67万円、棟瓦の取り替えで66〜97万円です。

屋根にのぼるには作業するための足場を確保する必要があります。また、漆喰の補修は屋根にのぼって行う危険作業であり、かつ高い技術が必要となります。そのため、技術料として人件費が高くなる傾向にあります。

漆喰の補修費用を抑える方法2選

漆喰の補修費用は、次の方法を使えば通常より安くなる場合があります。

  • 補助金、助成金を使う
  • 相見積もりをする

それぞれ詳しく解説します。

補助金、助成金を使う

一部の屋根工事では補助金や助成金を使うことで、負担すべき工事費用が安くなります。

適用条件は地方公共団体(自治体)で異なりますが、共通の条件は次のとおりです。

  • 税金を滞納していないこと
  • 暴力団と関わりがないこと
  • 住むことが目的であること

また、補助金や助成金は工事に申請する必要があり、同一業者の施工した費用しか対象にならないので要注意です。

屋根工事で使える補助金、助成金は4つあります。

  • 省エネリフォーム
  • 耐震リフォーム
  • 長期優良住宅リフォーム
  • アスベスト除去工事

それぞれみていきましょう。

省エネリフォーム

省エネリフォームは、消費エネルギーを少なくするときに使います。

一般的な補助金額は約3〜10万円で対象費用の10%、限度額は50万円です。該当する例としては下記工事があります。

耐震リフォーム

耐震リフォームは、屋根を軽くしたいときに使います。屋根が重いと倒壊のおそれがあるため、屋根を軽くし耐震性を上げる工事では補助金がもらえます。

該当する住宅としては下記があげられます。

  • 昭和56年5月31日までに建築確認を受けた木造住宅
  • 地上3階建て以下かつ木造部分が2階以下の住宅
  • 工事後に耐震診断をした結果、判定値が1.0以上の住宅

長期優良住宅リフォーム

長期優良住宅リフォームとは長く暮らせるように、よりよい住宅へリフォームするときに使える補助金です。

1戸あたり補助対象費用の1/3かつ限度額の100万円までが支給されます。屋根工事単体では使えませんが、耐震改修工事や断熱改修工事などとあわせて実施すると、屋根の塗り替え工事も補助の対象となることがあります。

詳しく知りたい方は、国土交通省のサイト「令和4年度「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の募集を開始します!~既存住宅の性能向上、子育てしやすい環境等の整備に向けて~」をご覧ください。

アスベスト除去工事

アスベスト除去工事は、アスベスト(石綿)を撤去するときに使えます。

アスベストとは、非常に細かい繊維のことです。世界保健機関 (World Health Organization: WHO) によると、解体した際に周辺に飛び散った繊維を吸ってしまうと、「肺がんなどを引き起こすもと」になるおそれがある、と報告されています。

昔は建材によく使われていたアスベストですが、がんを引き起こすおそれがあることから現在は使用禁止になっています。セメント瓦などは、屋根にアスベストが含まれているおそれがあるので、注意しましょう。

なお、一般的な補助の限度額は原則120万円です。ただし、補助制度がない地方公共団体もあります。

相見積もりをする

屋根の漆喰を補修するなら複数社から見積もりを取れる、相見積もりで相場より安い施工会社を見つけましょう。

相見積もりをして補修にかかる相場を知ることで、費用を抑えられる場合があります。施工会社は契約が欲しいのでライバル会社がいると、価格競争をして費用を安くする傾向にあるためです。そんな相見積もりに便利なのが、一括査定サイトです。

一括査定サイトを使えば、厳選された優良会社を紹介してくれるので満足のいく工事となりやすいでしょう。もちろん無料で使えます。

安く屋根の補修をしたい!と思ったら、まずは一括査定サイトを使いましょう。当メディア「ぬりマッチ」では、お住まいのエリアなどお客様の入力情報をもとに、複数の会社から見積もりが取れます。ぜひお気軽にご利用ください。

屋根の漆喰を補修したい方は、ぬりマッチへご相談ください。完全無料でご案内します。

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