外壁塗装で悪徳業者に騙されたという人は少なくありません。
実際に国土交通大臣から調査指定を受けた機関「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住宅相談統計年報2022」によると、2021年度の住宅トラブルに関する相談件数は2万5,675件、うち住宅のリフォームに関する相談(外壁塗装を含む)件数は7,478件でした。
外壁塗装で詐欺に遭うのは、もはや他人事ではありません。本記事では「外壁塗装の悪徳業者に騙されたときの対処法」と、「業者が嘘をついているかどうかの判断基準」を紹介します。
外壁塗装で悪徳業者に騙されたときの対処法3選
契約内容とは異なる粗悪な仕上がり、提示された割引が適用されないなど、塗装工事が終了してから騙されたと気付くことは少なくありません。
悪徳業者に騙されてしまったときは、どのように対処すればよいのか対処法を3つ紹介します。
【レベル1】契約して8日以内ならクーリングオフする
契約書類を受け取ってから8日以内であればであれば、クーリングオフが利用できます。
クーリングオフとは、契約を締結したあとでも一定の期間であれば無条件で契約を解除できる制度のことです。契約年月日、契約者名、金額など必要な情報をまとめ、書面やメールで契約解除の通知をするだけで完了します。
ここで大切なのが関係書類の原本やコピーを必ず保存することです。5年間は手元に置いておきましょう。
書面で通知するときの注意点
書面で通知するときは、契約書類を受け取ってから8日目までに郵便局(日本郵便)から
消印とはハガキなどの郵便物がすでに使用済み、つまり再度利用できないことを証明するために、郵便局が押す日付の入ったスタンプのことです。
消印が押される日付は郵便局が郵便物を引き受けた日、つまり郵便窓口にクーリングオフの書面を提出した日です。
郵便窓口ではなく郵便ポストに投函した場合は、郵便局に書面が持ち込まれた時間に消印されます。当日、郵便局の回収時間を過ぎてポストに投函すると消印日が翌日となってしまうので、ポストに投函する前に回収時間を確認しておきましょう。
郵便局の回収時間は、日本郵政グループのホームページで確認できます。
クーリングオフできないケース
クーリングオフできないケースは、次のとおりです。
- 契約書類を受け取ってから9日目に消印された(書面で通知の場合)
- 自分から塗装業者に足を運んで契約した
- 塗装業者を自宅に呼んで契約した
メールで通知する場合は消印という概念はありませんが、書面で通知する場合は消印が必要です。
また、クーリングオフの対象となるのは訪問販売や電話勧誘などの営業を受けて契約したときです。たとえ契約から8日以内であっても、はじめから自身で希望した場合は契約の意思が高かったとして、クーリングオフの対象外となります。
【レベル2】「消費者ホットライン」または「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」に相談する
クーリングオフが使えない場合や、わからないことや困ったことがあった場合は、専門家に相談しましょう。一人で悩むより早く解決します。
消費者ホットライン
消費者ホットラインは、自分が住んでいる市町村の近くにある消費生活相談窓口や、消費生活センターを案内してくれます。土日祝日で消費生活センターなどが空いていないときには、国民生活センターに電話をつなげてくれます。
騙されたと思ったときは、消費者ホットラインの連絡先である局番なし188へ電話してみましょう。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター
国土交通大臣指定の相談窓口である住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、住宅のスペシャリストである一級建築士が無料で相談に乗ってくれます。
また、弁護士や建築士と対面で相談することもできます。電話で伝えきれないことも、顔を合わせて話すとスムーズに進むことがあります。
こちらも原則、1時間ほど無料で利用できるので、困っていることがあれば相談をおすすめします。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話番号:0570-016-100受付時間:10:00〜17:00(土、日、祝休日、年末年始を除く)
【レベル3】弁護士に相談する
上記2つを試しても解決できないときは、弁護士に相談する方法があります。法律の専門家である弁護士が、法的観点からトラブルを解決してくれます。
問題解決の心強い味方ではありますが、依頼をすれば必ず費用がかかります。金銭的に損するおそれがあるので、最終手段として考えておきましょう。
弁護士を探す場合はネット検索が現実的です。ホームページに得意分野や解決実績が載っている場合があるので、住宅リフォームに強い弁護士を探しましょう。
「弁護士ドットコム」という法律相談ポータルサイトも存在します。地域や悩みなどの条件に絞って、弁護士を探せるサイトです。複数の弁護士を一括見積もりすることもできるので、ぜひ利用してみてください。
これって詐欺?嘘かどうかの判断基準6選
悪徳業者は巧妙な手口で契約させようとします。親切にしてきたり、不安を煽ってきたりと方法はさまざまです。嘘の情報を与えられても、その場で気付けないおそれがあります。
しかし、契約する前に詐欺だとわかればトラブルに巻き込まれる心配はありません。騙されないためにチェックするべきポイントを確認しましょう。
訪問販売である
突然インターホンが鳴り、「外壁が古くなっているので、無料点検いかがですか?」と営業された経験はないでしょうか。無料点検というワードを使って敷地内に入り込もうとするのは、悪徳業者が使う常套手段です。
優良な業者であれば突然の訪問は、まずしないと思ってよいでしょう。また、頼んでもいないのに外壁をチェックし、ネガティブなことを伝えられたのであれば要注意です。怪しいと思ったら、インターホン越しにきっぱりと断りましょう。
10万円以上の大幅な値引き
一般的な大きさの家では、外壁塗装に100万円前後かかります。材料費や人件費を考えて設定された金額のため、安くなればなるほど塗装の質が落ち、手を抜いた粗悪な工事になるおそれがあります。
また、最初に提示した金額が相場の何倍もするというパターンがあります。30万や50万も値引きできるのであれば、もともとの金額がおかしいということです。
その場で契約させようとする
「今日契約すればキャンペーン中なので半額でできますよ」などと言って、その場ですぐに契約させようと営業してくる悪徳業者がいます。
外壁塗装の費用相場を知っているという人は少ないでしょう。相場を調べられる前に契約を結んでしまおうという、知識不足を利用しているのです。
通常、 外壁塗装は100万円はするため即決することなくよく考え、調べてから決めましょう。2社以上から見積もりをもらい、相見積もりをすると安心です。
自社開発の塗料をすすめられる
オリジナルの塗料をすすめる会社は、悪徳業者のおそれがあります。
自社開発というと聞こえはよいですが、塗料の開発には膨大な費用と時間がかかるため、塗料メーカー以外が簡単に作れるものではありません。
中身は大手メーカーのものより質が悪いか、ラベルを張り替えただけであることが多いでしょう。セールストークとして自社開発の塗料を提案してきたら要注意です。
細かく書かれていない見積書
見積書の内容は専門的な言葉が多く書かれており、複雑で素人には難しいものです。それを逆手に取った詐欺の手口があります。
一般的に外壁塗装の見積もりは、作業工程、使用する塗料名や缶数、外壁のm2数など細かく書かれています。これらが「外壁塗装工事一式」などとまとめて書かれている場合は注意しましょう。どこにどれだけ費用がかかっているかわからないということは、どれだけ手抜きされているかもわからないためです。
見積書は悪徳業者を見抜く重要な書類です。わからないところがあれば遠慮せず質問し、納得してから契約しましょう。
工事費用の前払い
外壁塗装工事が始まる前に費用を全額前払いさせるパターンがありますが、これも悪徳業者の常套手段です。
料金だけを持ち逃げされ、工事は行われないリスクがあります。また、契約している業者が工事途中で倒産してしまった場合、支払った代金の回収が困難になるリスクもあります。
住宅関連の工事は費用の一部を、一時金として前払いすることも珍しくありません。しかし、全額前払いを要求されることはまずありません。決済は工事完了後か、工事の前半と後半で半額ずつがおすすめです。
次は騙されないために!外壁塗装の一括査定サイトぬりマッチを利用しよう
外壁塗装を依頼するときは一括査定サイトの「ぬりマッチ」を利用しましょう。サイトには厳しい審査を通過した優良企業だけが掲載されているため、悪質業者リストに載っているような企業に出会う心配がありません。
相見積もりも簡単にでき、自分に合った業者が見つかります。信用できる業者にお任せして、外壁を綺麗にリフォームしましょう。