ツタのある外壁っておしゃれ!そのメリットデメリットと採用時の注意点

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ツタのある外壁っておしゃれ!そのメリットデメリットと採用時の注意点

外壁にあえてツタを這わせた建物はおしゃれに見えますが、一方で空き家を放置していたために自然にツタが生い茂ってしまった建物は、荒れた印象を与えるためおしゃれとはいえません。

本記事では、住宅の外壁にツタを生やしておしゃれな雰囲気を演出したい方に必要な情報をまとめました。季節や気候に合わせて色が変化するツタは、外壁の雰囲気を変えるのにピッタリです。ぜひ参考にしてください。

住宅の外壁にあえてツタを這わせるメリット

ツタの這っている住宅は、下手をすると廃屋のような雰囲気になってしまうこともありますが、上手にツタを這わせるといろいろなメリットがあります。

ここでは以下の3つのポイントについて紹介します。

  • 童話の主人公気分を味わえる
  • 周辺環境に優しい
  • 冷房・暖房の節約になりやすい

順番に解説するので、自分自身の家だったら…と想像しながら読んでください。

童話の主人公気分を味わえる

青々と茂るツタに覆われた住宅は、見る人々に幻想的な印象を与えます。まるで童話に出てくる洋館のようで、そこに住む人はさながら童話の主人公のような気分に浸れます。外壁にツタを這わせると、毎日そんな楽しい気持ちで過ごせるでしょう。

Twitter(ツイッター)上にも「ツタがきれい・美しい」という評判が多くあります。

周辺環境に優しい

ツタを壁に這わせることで、さまざまな点で周辺環境に優しい効果を期待できます。

まず、空気の浄化です。具体的には、光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を吐き出す効果により、わずかなりとも気候変動を抑制する役に立てます。

さらにツタを這わせた壁は、水蒸気の蒸散太陽光を反射する効果により、ヒートアイランド現象を緩和するとされています(参考: 国立環境研究所「3.2 ゴーヤーカーテン(緑のカーテン)」)。地方公共団体(自治体)によっては助成金が出ることもあるほどです。

※ヒートアイランド現象

郊外に比べ、都市部ほど気温が高くなる現象のことです。

引用:東京環境局「ヒートアイランド現象ってなに?

このように、ツタを壁に這わせることは、周辺環境の維持や気候変動の抑制に貢献できる側面があります。

冷房・暖房の節約になりやすい

ツタを壁に這わせると、太陽光をある程度反射してくれるため、室内温度の上昇を抑えてくれます。さらにツタからの水蒸気の蒸散は、気化熱で少し壁面の温度を下げる効果もあるため、夏場の冷房費を抑えられます。

また、冬場には室内から熱を逃げにくくする働きがあるため、暖房で温めた室内の空気がすぐに冷えることもありません。そのため冬場は暖房費を節約しやすいです。

このように夏も冬も冷暖房費を抑えられるのはメリットといえます。

住宅の外壁にあえてツタを這わせるデメリット

ツタを外壁に這わせることには、いくつかのデメリットもあります。4つのポイントにまとめました。

  • メンテナンスが手間
  • 外壁が劣化しやすい
  • 虫が寄ってきやすい
  • 除去したくなったとき面倒

想像もつかないようなデメリットもあるので、事前によくシミュレーションすることが大切です。一つずつ解説します。

メンテナンスが手間

古い建物に勝手に生えていることからもわかるように、ツタは非常に繁殖力の強い植物です。

外壁にツタを這わせる場合、放置して好きなように伸ばしてしまうと以下のような事態につながる心配があるため、定期的な手入れは必須です。

  • 窓を覆ってしまう
  • 室外機の中まで伸びてしまう

また、枯れ葉が排水口や雨どいをふさいでしまい、雨漏りなどの問題に発展することもあります。問題を引き起こさないためには、日常的にあちこち見回りをする必要があるでしょう。

外壁が劣化しやすい

ツタを壁に這わせることで、外壁そのものが劣化しやすくなるおそれがあります。

ツタは、吸盤や気根により壁に強くくっつく性質があります。そのため、壁のわずかなデコボコや、柔らかいコーキング素材などに食い込んでいき、外壁にひびが入る原因になることもあります。

たとえば外壁がコンクリート製の場合、ツタの出す酸がコンクリートのアルカリ性を中和してしまい、中性化します。中性化すると、コンクリート内の鉄筋がサビて膨張するため、ひびが入りやすくなります。

また、酸性の環境下が原因でコンクリートに含まれるカルシウム化合物が溶け出した結果、コンクリートが穴だらけになってしまう場合があります。

さらにツタが生い茂ると、壁面の湿度が高まってしまい、外壁の材質によっては劣化が早くなったり、雑菌が繁殖したりすることも避けられません。

そのため、ツタを壁に這わせるなら、どのような材質の外壁がよいのかも含めて検討しましょう。

虫が寄ってきやすい

ツタは植物なので、どうしても植物を食べる虫などが寄ってきます。

ハチのように周辺の住民にも迷惑となる虫が来てしまうと困るので、防虫剤や殺虫剤などを使うことになるでしょう。しかし防虫・殺虫成分がツタ自体に悪影響を及ぼすこともあるので、どういう薬剤を使うのか検討が必要です。

除去したくなったとき面倒

ツタは非常に繁殖力が強く、また外壁と強くくっついてしまうため、何らかの理由で除去したくなったときに面倒です。

一般的には、手作業バーナーで焼く除草剤を使うといった方法を使います。しかし専門的な知識がないと、外壁自体を傷めたり、周辺の植物まで枯らしてしまったりというトラブルにつながります。

下手にやってしまうと、壁を傷めてしまったうえに、わずかに残った部分から再びツタが繁殖してしまうということにもなりかねません。

このようにツタの除去には多くの予備知識が必要であるため、専門業者に任せるのが無難です。ツタを壁に這わせたい場合は、いつかツタを除去したくなったときのことも考えて計画を立てましょう。

外壁にツタを這わせて後悔しないための注意点

外壁にツタを這わせて後悔しないためには、以下のような点に注意しましょう。

  • 住宅に適したツタを選ぶ
  • 助成制度を利用する
  • 除去の際、外壁に跡が残らないように処理する
  • 耐久性の高い外壁に這わせる

きちんと考えて準備をしておきましょう。

住宅に適したツタを選ぶ

ツタの種類は複数ありますが、外壁に這わせるのは主に以下の3種類です。

  • ナツヅタ
  • キヅタ(フユヅタ)
  • ヘデラ(アイビー)

色合いや成長の仕方が違うので、住宅の種類や目的によって選びましょう。

ナツヅタ

ナツヅタ

ナツヅタ

ナツヅタは夏に緑色の葉をつけ、秋に紅葉し冬に落葉する品種です。色合いの変化や紅葉が楽しめるのが特徴です。

自力で壁を登る力があり、成長が早いうえに、多少日当たりの悪い場所でも育ちます。

キヅタ(フユヅタ)

キヅタ(フユヅタ)

キヅタ(フユヅタ)

キヅタは常緑樹の仲間なので、葉は1年中緑色で落葉しません。そのため、ナツヅタに対してフユヅタとも呼ばれます。ナツヅタと同様に自力で壁を登りますが、成長がやや遅いのがデメリットです。

しかし、乾燥に強いのはメリットです。

ヘデラ(アイビー)

ヘデラ(アイビー)

ヘデラ(アイビー)

ヘデラ(アイビー)は1年中落葉しない常緑樹で、さまざまな品種があります。

自力で壁を登る品種と、下に向かって垂れていく品種があるため、事前に植え方・育て方を決める必要があるでしょう。

助成制度を利用する

ヒートアイランド対策や地球温暖化を抑制する観点から、さまざまな地方公共団体(自治体)で壁面緑化に対する助成制度を設けています。

一例として、東京都杉並区の「屋上・壁面緑化助成」という制度を紹介します。この制度は、区内に建築物を所有または借りている人が屋上・壁面緑化を行う場合、一定の条件を満たせば助成金を得られるというものです。

地方公共団体ごとに細かい条件は異なるので、工事を始める前に助成制度について調べておきましょう。

除去の際、外壁に跡が残らないように処理する

ツタを除去する際には、手作業・バーナー・除草剤などの手段を用いますが、除去したあとの壁をきれいに回復させる必要があります。

ツタが生えていた部分に沿って残った汚れを洗い流す」「ツタによって傷ついた外壁を塗装し直す」などして、外壁に跡が残らないようにしましょう。

耐久性の高い外壁に這わせる

ツタが這うことで外壁に接触する湿気や水分が多くなり、外壁の劣化や腐食を促進するおそれがあります。さらに、ツタが生い茂ることで外壁を覆い隠してしまい、通気性が悪くなり、カビやコケが発生するかもしれません。ツタの根が外壁に侵入すると、外壁に亀裂が生じたり、剥がれ落ちたりするおそれもあります。

このようにツタを這わせることは、外壁に対してひび割れや高湿度などの問題を引き起こしやすいため、耐久性の高い外壁材を選ぶことが大切です。

耐久性の高い外壁材を選ぶ際は、外壁工事の一括見積もりサイトぬりマッチを利用しましょう。無料で複数の専門家から見積もりを取り寄せられるため、価格や品質などを比較できます。なお、比較の際は外壁材だけでなく、外壁に適したツタの種類メンテナンス方法についても相談するとよいでしょう。

適切な外壁材を選び、ツタの管理方法についても相談できれば、理想の外壁に近づけるはずです。

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