モルタルの外壁塗装を塗り替える方法。特徴と種類、他の塗料との違い

モルタルは、1990年代以前の戸建て住宅の外壁に多く採用されていました。現在でも、モルタルの独特の意匠性を好み、モルタル外壁を採用する方も多いです。
モルタル外壁の説明から、塗装方法、塗り替えのタイミング、実際に塗り変える方法を解説します。

モルタル外壁とは?

モルタルは、水とセメント・砂を混ぜ合わせた建材です。非常に多くの用途に使える建材で、外壁のほかにレンガなどを張る際に使う下地材としても使われています。

モルタル外壁の特徴は以下の通りです。

  • つなぎ目がない
  • 柔軟性が高い
  • 費用が高額
  • 耐火性が高い

これから、それぞれを解説します。

特徴・つなぎ目がない

壁の基材にモルタルを塗った後は、壁全体がシンプルな一枚板のようになり、まるで白紙に絵を描くように自由なアレンジを加えられます。
高級感のある外壁にしたい場合にも、モルタル壁はよく用いられます。

つなぎ目を埋めるためのコーキングがいらなため、コーキングの補修が必要ないです。コーキングの劣化が原因で外壁の補修を行うケースも多々あります。

特徴・柔軟性が高い

モルタルは、高い柔軟性を持ちます。左官屋さんの技術で、自由自在な外壁に仕上げます。
凸凹にしたり、横線を入れたり、ウロコ状にしたりと、自由にデザインできます。

サイディングも豊富なデザインがありますが、モルタルは、曲がった外壁にも施工できるため、唯一無二の外壁にできます。

特徴・費用が高額

モルタル外壁にする場合、サイディングと比較して費用が高額です。
費用の差は、以下の表の通りです。

モルタルとサイデイングの費用の比較
  1m²あたりの単価(円)
モルタル 5,000~7,000
サイディング 2,000~4,000

モルタルのほうが高い要因として、工事の複雑さがあります。 モルタル外壁は、高度な技術を持った左官屋さんが施工します。そのためきれいに仕上がりますが、施工が簡単なサイディングと比較すると費用が高額です。

特徴・耐火性が高い

1990年代以前までモルタル外壁が主流だった理由として、耐火性の高さがあります。 燃えにくい素材であるとともに、仮に燃えたとしても有害ガスを発生しない素材です。 技術が進化し、耐火性も優れ、費用が安く、施工が簡単なサイディングが開発されたため、現在ではサイディングが主流となっています。

モルタル外壁の塗装方法

モルタル外壁の仕上げ方法は、複数の種類があります。 それぞれに特徴があり、独特な雰囲気を持っています。家の雰囲気に合わせた仕上げを採用することで、おしゃれな外壁になります。 モルタル外壁の仕上げ方法の紹介と、おすすめの下塗り材・塗料の紹介をします。そのあと、仕上げ方法ごとの外壁塗装の工程や特徴を解説していきます。

仕上げの種類

モルタル外壁は、主に5つの仕上げがあります。

  • リシン吹付
  • スタッコ吹付
  • 吹付タイル
  • リシンかき落とし
  • 左官仕上げ

以下の表が、それぞれのメリットとデメリット、単価です。

仕上げ5種類のメリットとデメリット、単価
  メリット デメリット 単価(円/1m²)
リシン吹付 マットで暖かみのある雰囲気 ひび割れが入りやすい 1,400~2,000
スタッコ吹付 高級感のある仕上がり 汚れやカビなどが付着しやすい 2,000~2,500
吹付タイル

立体感のある独特な風合い

施工の際に材料が飛び散り、大きな音が出る 2,500~3,000
リシンかき落とし 重厚感のある仕上がり

手間がかかり費用が高い

ひび割れが入りやすい

3,500~4,000
左官仕上げ 模様がつけられ、職人による味のある仕上がり 職人の技術によって仕上がりが大きく異なる 2,400~4,500

 

おすすめの下塗り材

塗装の前に行う下塗りでは、下塗り材を使用します。下塗り材は、塗料と外壁を密着させる働きがあります。 下塗り材は、主に2つに分けられます。

  • シーラー
  • フィラー

シーラーは、外壁に吸収させて上塗り材の塗料を外壁が吸い込むことを防ぎます。

フィラーは、下地調整材とも言われ、下地の凸凹を平滑にします。

モルタル外壁では、凸凹を残すためにシーラーが使われます。クラックという小さなひび割れがある場合は、シーラーとフィラーの両方の性質をもった微弾性フィラーを使用します。

モルタル外壁におすすめの塗料

塗料は「弾性塗料」「微弾性塗料」「硬質塗料」の3種類に分類されます。モルタルは、ひび割れが起きやすい建材のため、伸縮性のある弾性塗料がおすすめです。 

以下の表は、3種類の塗料と特徴です。

塗料の種類と特徴
種類 特徴
弾性塗料 伸び率が120%以上
微弾性塗料

弾性塗料と硬質塗料の中間

明確な基準はない

硬質塗料 一般的な塗料

※伸び率とは・・摂氏20度でどの程度伸びるかをJIS規格で定めている

塗装を行う前に、塗料が乾燥して硬くなるように、硬化剤を混ぜます。弾性機能を持つ硬化剤を混ぜることで、弾性塗料や微弾性塗料になります。どこからが微弾性かという明確な基準はありません。弾性塗料は膨れやすいですが、微弾性塗料は膨れにくいです。

弾性塗料は、柔軟性が高くひび割れを防ぐ働きをします。モルタルのひび割れをカバーし、水の浸入を防ぎます。ただし、耐用年数が短いことが欠点です。弾性シリコン塗料の耐用年数が、8~12年です。グレードの高い弾性フッ素塗料と組み合わせた場合でも、非弾性塗料よりも耐用年数が短いです。 弾性塗料を厚く塗ることで、耐用年数を長くする方法もありますが、その分費用が高くなります。塗装業者と相談して決めましょう。

仕上げの種類ごとの解説と塗装方法

吹き付け塗装する職人

吹き付け塗装する職人

5種類の仕上げの解説と、それぞれに適した塗装方法を紹介します。

それぞれに適した塗装が必要で、仕上げ方法に適さない塗装を行うと、凸凹がなくなったりモルタルの風合いがなくなってしまいます。

リシン吹付

リシン吹付に使われるリシンは、細かく砕いた石などです。リシンを混ぜてリシンガンという専用の機材で、吹き付けます。素材の性質でひび割れが入りやすく、定期的なメンテナンスが必要です。

リシン吹付に塗装する流れは以下の通りです。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地処理
  3. 下塗り材塗布
  4. 塗料の塗布

どの仕上げの塗装にも共通する工程に高圧洗浄と下地処理があります。

高圧洗浄では、細かいゴミや汚れを落とし、しっかりと塗料が密着するようにします。下地処理では、ひび割れが起きている箇所の補修と、古くなった塗膜を剥がします。ひび割れが起きている箇所は、モルタルで埋めます。2つの工程とも、仕上がりや塗装の耐久性に大きくかかわる非常に重要な工程です。

スタッコ吹付

スタッコは、石灰と水を混ぜた建材です。スタッコ吹付は、スタッコに砂や砂利を混ぜて外壁に吹き付ける仕上げです。 スタッコ吹付に塗装する流れは以下の通りです。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地処理
  3. 下塗り材塗布
  4. 塗料の塗布

リシン吹付とほぼ同様の施工です。

吹付タイル

タイルガンという機材を使い、紙粘土のような材料を吹き付けます。リシン吹付やスタッコ吹付と異なり、砂利などを混ぜずに吹き付けるため、より滑らかな仕上がりです。

吹付タイルに塗装する流れは以下の通りです。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地処理
  3. 下塗り材塗布
  4. 玉吹き
  5. 塗料の塗布

玉吹きという工程が、吹付タイルでは必要です。タイルベースという下地調整材を玉のように飛ばすため、玉吹きと言われています。この工程で、タイルガンを使います。大きな音と周囲に飛散があるため、近隣の方への周知と塗装しない箇所への養生が必要です。また、タイルガンを扱うのは難しく、技術をもった職人が必要です。

リシンかき落とし

リシンかき落としは、リシン吹付を施工したあとに剣山などで引っかき、ザラザラとした仕上がりです。リシン吹付よりも手間が増えるため、費用が高額です。 かき落としをおこなうことで、表面積が増えることで、通期効率があがり通常よりも長持ちします。

リシンかき落としに塗装する流れは以下の通りです。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地処理
  3. 下塗り材塗布
  4. 塗料の塗布

リシン吹付とほぼ同様の施工です。

左官仕上げ

左官仕上げは、左官屋さんがコテで模様を仕上げます。仕上げ方は非常に多くの種類があるため、家のデザインに合わせた模様を選べます。 左官仕上げは、職人の技術によって大きく仕上がりが異なります。

左官仕上げに塗装する流れは以下の通りです。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地処理
  3. 下塗り材塗布
  4. 塗料の塗布

左官仕上げに塗布する塗料の選定は難しいです。適性の塗料を使用しない場合、左官仕上げによる模様が塗装によってなくなることもあります。

有名な左官仕上げ材に、アイカ工業の「ジョリパット」という製品があり、専用の改修用の塗料も販売されています。 モルタルの外壁は、仕上げによって見た目が大きく異なり、どれも美しい仕上がりです。美しさを維持するために、適正な施工方法と塗料で塗装しましょう。

塗り替えのタイミング

モルタル外壁の耐久年数は、約30年です。しかし、塗料の耐久年数は10年程度と短く、外壁を長く維持するためには塗り替えが必要です。塗装が劣化することで現れる症状は、以下の通りです。

  • 変色
  • チョーキング
  • クラック

これから、それぞれについて解説します。

変色

外壁塗装の施工直後は、塗装に色つやがあり鮮やかな色です。しかし、経年劣化によって色があせてきます。

色あせは、塗装の劣化症状の初期段階です。 この段階で気づいて補修すると、塗装だけの補修で済むため、費用が抑えられます。放置してほかの劣化症状が出てきてから補修しようとすると、モルタルの補修も必要です。また、日当たりの悪い部分は湿気が多くコケや藻、カビが発生しやすく緑色や黒ずんでしまいます。外壁の保水力が高まり、よりコケなどが発生しやすくなります。 コケなどは、洗浄して落としましょう。落ちにくい場合は、専用の洗剤を用いたり、高圧洗浄やバイオ洗浄を行ってきれいにしましょう。

チョーキング

乾いている外壁に触った際に、手に粉がつくことを、「チョーキング」といいます。 太陽の熱や紫外線、雨風などが原因で、塗装が分離して現れる症状です。 チョーキングは、塗装の防水性が低下しているサインです。この状態では、塗装に外壁を保護する力はありません。 速やかな外壁塗装の塗り替えが必要です。

クラック(ひび割れ)

モルタルは、ひび割れが起きやすい建材です。ひび割れの幅ごとにその対処法を紹介します。

幅0.3mm未満
髪の毛ほどの細いクラックをヘアクラックといいます。ヘアクラックは、塗料の乾燥過程で水分が蒸発することで、モルタルの収縮が原因で発生します。モルタル外壁の宿命ともいえる特性です。 見つけても慌てる必要はありません。
0.3mm以上1mm未満
0.3mm以上の構造体に影響を及ぼす可能性があるクラックを構造クラックといいます。構造クラックによって、水がモルタルに吸収されます。 クラックの幅が広がる前に業者に点検してもらいましょう。一部の塗装だけで補修できることもあるため、大きく費用を抑えられます。
1mm以上3mm未満
幅1mm以上の構造クラックは、業者の点検と補修が必要です。塗装の下のモルタルやその下の構造体まで水が浸透している可能性があります。
3mm以上
幅が3mm以上の場合は、構造クラックがかなり進行しています。水が相当量内部に侵入しており、構造体まで大きな影響があります。 家の耐久性が大きく下がっている可能性があるため、今すぐに補修しましょう。

実際に塗り替えるには

モルタルの外壁は、定期的に塗り替える必要があります。 実際に塗り替えをする際は、業者に依頼する方法とDIYで自分で塗装する方法があります。 塗り替えを成功させるために、業者の選び方と、DIYで自分で塗装する際の注意点を解説します。

業者の選び方

優良な塗装業者を選び必要があります。優良な塗装業者を選ぶためのポイントは以下の通りです。

  • 施工実績を確認する
  • 資格や許可を確認する
  • アフターフォローや保証内容を確認する

それぞれについて解説します。

施工実績を確認する

塗装業者によってモルタルの外壁塗装を得意とする業者と、得意としない業者があります。 塗装業者の施工実績を確認して、自分が依頼したい内容と類似した施工実績が多い業者に依頼しましょう。

資格を確認する

外壁塗装工事には。いくつかの資格が必要です。 以下が、資格の例です。

  • 塗装技能士
  • 外装劣化診断士
  • 足場の組立て等作業主任者

塗装技能士には、3級から特級まであります。特級は、実務経験が12年以上必要なため、非常にレベルが高いです。 外装劣化診断士は、見た目では判断しにくい構造クラックの深さなどを診断し、適正な補修方法を診断してくれます。 足場の組立て等作業主任者は、足場の組み立てに必要な資格です。この資格がないと、外壁塗装工事で必要な足場を組み立てられません。

塗装業者の資格を確認することで、職人さんの技術のレベルがわかります。きちんと確認して信頼できる塗装業者の依頼しましょう。

アフターフォローや保証内容を確認する

外壁塗装の保証は大きく分けて、「自社保証」と「団体・組合保証」があります。自社保証は、外壁塗装業者が自社で保証するもので、独自保証、オリジナル保証などとも呼ばれています。団体・組合保証は、外壁塗装業者の施工内容を第三者機関がきちんとチェックしたうえで保証書を発行するので、一定の品質の施工を受けられることにもなり、信頼できる保証です。

施工不良が起きた際のリスクヘッジと、塗装の品質の保証の両方を確認できるため、アフターフォローや保証内容をきちんと確認しましょう。

DIYで自分で塗装する

業者に依頼するよりも、DIYで塗装すれば、安く補修できます。DIYで自分で塗装する際の注意点をあげます。

  • 洗浄・下地処理の工程を丁寧にする
  • 適正な塗料を選ぶ
  • 安全な作業場所を確保する

それぞれについて解説します。

洗浄・下地処理の工程を丁寧にする

塗装の出来は、洗浄と下地処理の2つの工程で大きく左右されます。 不十分な場合、塗装が剥がれやすくなり、耐久性が低下します。 洗浄する際には、高圧洗浄機でしっかりと汚れを落としましょう。

下地処理では、サンダー(電動工具)などを用いて古い塗膜を除去して、塗料の乗りを良くしましょう。サンダーは、やすりがついた電動工具で扱いが難しいため、注意して扱いましょう。

適正な塗料を選ぶ

モルタル外壁塗装の方法でも紹介しましたが、モルタルの外壁塗装では、塗料選びが重要です。適正な塗料を選びましょう。モルタルと同じメーカーから改修用の塗料が販売されていることもあります。モルタルの外壁の種類とメーカーを確認して、適正な塗料を購入しましょう。 塗料によっては、水やシンナーで希釈して使うものや、硬化剤という塗料を固める液体と混ぜることが必要です。

販売メーカーのホームページや塗料の容器に正しい使用方法が記載されていますので、きちんと確認して使用しましょう。シンナーを使う際は、十分に換気をおこない安全にも注意しましょう。

安全な作業場所を確保する

外壁塗装工事をする際、高いところでも作業します。両手が空いていないと作業できないため、脚立やはしごでは不可能です。足場を設置して作業することをおすすめします。足場の設置は、自分で材料を購入して組むこともできますが。足場業者に依頼して組む方が、安全です。

DIYで自分で塗装することは、非常に難しく、高価な電動工具の購入や安全性も懸念されます。DIYの場合、洗浄が不十分だったなどが原因で、数年で再び外壁塗装が必要になる可能性があります。

費用はかかりますが、業者に依頼したほうが質の高く、満足度の高い出来栄えが期待できます。また、耐久性の高い施工ができ、結果的に費用も抑えられることでしょう。。

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