吹き付け塗装のメリットとデメリット|施工の手順、種類などを解説

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吹き付け塗装のメリットとデメリット|施工の手順、種類などを解説

外壁の塗り替えは、塗料の種類や色、金額のほかに、塗装の方法も重要です。塗装方法によって、見栄えや仕上がりが異なります。 ローラーや刷毛での塗装以外にも、吹き付け塗装という方法もあります。ここでは吹き付け塗装の特徴や施工方法、ローラー塗装との違いについて解説します。

吹き付け塗装の特徴

吹き付け塗装の特徴として、以下の4つがあります。

  • 機械を使う
  • 施工速度の速さ
  • デザイン性の高さ
  • 施工性の良さ

機械を使う

吹き付け塗装では、スプレーガンやエアスプレーなどの機械を用いて、塗料を霧状に吹き付けます。コンプレッサーで圧をかけることで、塗料がスプレーのように吹き出ます。 機械で塗料の濃さを調整するため、ムラが少なく均一的な仕上がりになります。 しかし、機械から大きな音が出るため、近隣の方々の迷惑になるおそれがあります。

施工速度の速さ

吹き付け塗装は、機械で広範囲を一度に塗れるため、施工速度が早いです。そのため、マンションやビルなどの大規模な塗替え工事に採用されることが多いです。 ローラーや刷毛に比べて格段に施工速度が早いため、工期が短く、費用も安いです。

デザイン性の高さ

豊富なデザインを選べるのも、吹き付け塗装ならではです。 以下は、代表的な吹き付け工法のデザインの特徴です。

吹き付けタイル
丸い凹凸感を出すランダムなパターンで、ツルツルとした質感
リシン吹き付け
壁面に細かい砂を吹き付けたような、ザラザラとした質感
スタッコ仕上げ
ほかの吹き付け工法と比べて凹凸が大きく、ゴツゴツとした質感

このように、吹き付け塗装といっても、さまざまなデザインがあるので、建物の雰囲気によって使い分けられます。

施工性の良さ

機械を用いる吹き付け塗装は、細かい部分の塗装も、ほかの場所と変わらないクオリティで塗装が可能です。そのため、配管の裏側や、手や体が入りにくい部分の塗装に適しています

吹き付け塗装がおすすめの外壁と塗装の方法

外壁の主な種類は、以下の3種類があります。

  • サイディングというセメントと木質系成分を混ぜたパネルや金属でできたパネルを貼り付けた外壁
  • ALC(軽量気泡コンクリート)を用いたパネルを貼り付けて、その上に塗装を施す外壁
  • 外壁の下地をモルタルで塗り、塗装で仕上げた外壁

そのうち、吹き付け塗装がおすすめの外壁は、モルタル外壁とALCパネルを用いた外壁です。 モルタル外壁とALCパネルを用いた外壁に吹き付け塗装をおすすめする理由や施工手順、施工事例を紹介します。

吹き付け塗装はモルタル外壁とALCパネルにおすすめ

モルタルとALCパネルは、外壁材自体の特徴が少ないため、吹き付け塗装のデザイン性を活かすことができます。 また、モルタル外壁には湾曲した外壁などがあります。そのような、複雑な形状の外壁には、施工性が高い吹き付け塗装が適しています。 一方で、サイディングは、もともとデザイン性が優れた外壁材です。そのため、吹き付け塗装の良さを活かしきれないため、おすすめできません。

吹き付け塗装の施工手順

吹き付け工法の施工手順は、以下のとおりです。

  1. 足場組立
  2. 外壁洗浄
  3. 下地処理
  4. 養生
  5. 塗装

足場組立

外壁塗装工事では、高所の作業も伴うため、足場の設置が必要です。 家全体が、足場パイプ、道板、塗料飛散防止のためのシートで覆われます。そのため、どうしても塗装工事の期間は日当たりが悪く、窓が開けられなくなるので注意しましょう。 足場の設置には約1mの幅が必要です。建物周辺の動かせるものを邪魔にならないところに動かしておくとよいでしょう。

外壁洗浄

高圧洗浄機を使用して、外壁の汚れやゴミ、コケなどを取り除きます。 これらが付着したままだと塗料の密着性が悪くムラにつながるため、施工業者も丁寧に行います。

下地処理

下地処理では、既存の塗料や金属によるサビなどを落とし、外壁のひび割れや窓サッシと外壁をつなぐ目地のコーキングなどを行います。 塗装作業よりも下地処理の方が大事という施工業者もいるほどなので、特に丁寧に進めたい工程です。

養生

吹き付け塗装は、ほかの塗装方法よりも塗料が飛散しやすいため、塗装部分以外を塗料で汚さないために、テープやシートで養生し、保護します。 そのとき、自動車や自転車なども覆わないと、塗料が付着してしまうことがあります。さらに、近隣との距離が近い場合、隣の家にも養生が必要な場合もあります。

塗装

入念な事前準備の後に、塗装作業に入ります。 塗料によって塗装の回数は異なりますが、2回以上塗装するのが一般的です。 吹き付け塗装の作業中は、コンプレッサーなどを使うため、非常に大きな音が出ます。 塗装が終わったら養生・足場を撤去し、外壁塗装工事は完了です。 天候や規模にもよりますが、一般的に木造2階建の建物で2週間程度の期間を見込んでおくとよいでしょう。

吹き付け塗装の施工事例

モルタル外壁に行う、吹き付け塗装のリシン吹き・吹き付けタイル・スタッコ仕上げの3つの施工事例を紹介します。 モルタル外壁の塗装についての詳しい説明は、下記のコラムをご参照ください。

施工事例① リシン吹き付け

リシン吹き付け

リシン吹き付け

リシン吹き付けは小さな石や砂を塗料に混ぜ、外壁に吹き付けて細かいザラザラとした凹凸をつける方法です。 和風の建物の外壁などによく合い、落ち着いた風合いになります。

施工事例② 吹き付けタイル

吹き付けタイル

吹き付けタイル

 吹き付けタイルは、塗料にけい砂や軽量骨材を混ぜ込み、タイルガンという大きい口径の機械で塗装します。 デコボコでなめらかな仕上がりで、タイルのような手触りが特徴です。 色やデザインも豊富で、ひび割れしづらいです。また、ツルツルした質感のため、汚れが落ちやすい仕上げの方法です。

施工事例③ スタッコ仕上げ

スタッコ仕上げ

スタッコ仕上げ

スタッコ仕上げは、凹凸が深く重厚感がある仕上がりのため、石造建築風な外観が特徴です。 吹き付けたままが仕上げになる吹き放し仕上げと、吹き付けたあとにコテやローラーなどで抑えるヘッドカット(凸部処理)仕上げがあります。

吹き付け塗装とローラー塗装の違い

吹き付け塗装とローラー塗装には、次のような違いがあります。それぞれの違いについて解説します。

吹き付け塗装とローラー塗装の違い
  吹き付け塗装 ローラー塗装
塗装の速さ 広範囲を塗れるので早い 手作業のため時間がかかる
飛散 する しない
施工業者 技術が必要 技術が必要

塗装の速さ

吹き付け塗装は、一度で広範囲に塗布できるため、施工が早い塗装方法です。 配管などが絡む細部や体が入りにくい箇所も容易に塗装できますし、建物の凹凸にも柔軟に対応できます。 ローラー塗装は、手作業のため施工に時間がかかります。またローラー塗装は厚塗りになりやすいため、乾燥に時間がかかることがあります。 工期を短くしたい人は吹き付け塗装をおすすめします。工期が短ければ費用も安く抑えることができます

飛散

ローラー塗装は直接塗り込むので、塗料が飛散しづらい塗装方法です。 しかし、吹き付け塗装は機械による吹きつけで塗料が飛散するため、強風時に施工できません。 どの業者も入念に養生をかけて飛散対策をしますが、それでも塗料が飛んでしまうことがあります。吹き付け塗装では、多いときは塗料の半分ほどが飛散することがあります。 建物と建物の距離が近かったり、隣地の駐車場に多くの自動車が止まっていたりする場所での吹き付け塗装には注意が必要です。

施工業者

吹き付け塗装とローラー塗装はどちらも技術が必要な塗装方法です。 吹き付け塗装でもローラー塗装でも技術が低いとムラになりますし、厚塗りしても塗料のひび割れにつながります。 どちらの塗装方法が優れているか、どちらが簡単かという比較にはあまり意味がありません。依頼をする施工業者の得意な工法を確認しましょう。

一括査定サイトで簡単に専門業者を見つけましょう

外壁の吹き付け塗装には種類があり、業者によって得意不得意が違います。 塗装の目的や方法を明確にするため、しっかり現地調査をしてくれる専門業者を選ぶことが大切です。専門家に現地を見てもらえれば、どのような吹き付け塗装がよいか提案してくれます。 自宅の外壁の状況に合った業者を選ぶには、一括査定サイトの利用がおすすめです。 一括査定サイトを利用すれば、一括で複数の業者に見積り依頼と相談ができます。

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