家の外壁塗装を検討している方の中には、以下のように考えている方も多いのではないでしょうか。
- どの塗装業者に頼めばよいかわからない
- トラブルの発生が心配
- 悪徳業者にだまされないか不安
外壁塗装に関するトラブルの事例を紹介します。また、トラブルへの対応方法や未然に防ぐ方法も説明します。
外壁塗装のトラブルは多い?
外壁塗装におけるトラブルの現状や種類を紹介します。
外壁塗装のトラブルの現状
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住宅相談統計年報2021」によると、リフォームのトラブルに関する相談が非常に多いことがわかります。
引用:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2021」
その中で、戸建て住宅で相談される主な不具合事象は、以下のとおりです。
引用:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2021」
ひび割れや剥がれなど、外壁塗装に関連するトラブルの割合が多いことがわかります。
このように外壁塗装では、さまざまなトラブルが発生しています。トラブルを回避するため、どのようなトラブルがあるのか事前に知っておくことが重要です。
3種類のトラブル
外壁塗装に関するトラブルは、大きく3種類に分けられます。
悪徳業者とのトラブル
外壁塗装の業界には、残念なことに多くの悪徳業者が存在します。悪徳業者による被害が多い理由は、悪徳業者が一般の方の塗装への無知につけ込んでくるからです。
悪徳業者は巧みな話術でその気にさせたり、不安をあおったりして契約をすすめてきます。そのため、悪徳業者とのトラブルは年々あとを絶ちません。
施工内容のトラブル
外壁塗装のトラブルは、優良業者でも起こることがあります。
その主な原因は、塗装業者とのコミュニケーション不足です。たとえば、色のイメージが違う、打ち合わせ通り工事を進めてくれないなどがあります。
優良業者であっても安心せずに、しっかりと打ち合わせをしましょう。
また、優良業者でも施工する人によって、経験や技術力が異なります。まだ経験が少ない職人の場合は、施工中にトラブルを起こしたり、施工に不具合が生じたりするおそれがあります。
近隣住民とのトラブル
外壁塗装では塗装業者だけではなく、近隣住民とトラブルになるケースも非常に多いです。騒音や塗料の飛び散り、臭いなどがきっかけでトラブルに発展します。
また、足場を組む際、場所によっては隣の敷地内に入り込むことがあります。トラブルの原因になりますので、隣の家の人から事前に了解を得ておきましょう。
塗装工事を始めるには、近隣住民への配慮が必要になることを理解しておきましょう。
外壁塗装のトラブルの実例と対策
実際にどのようなトラブルがあるか、対策と併せて紹介します。
無理やりに契約をさせられた
悪徳業者に無理やり契約をさせられるケースがあります。
悪徳業者は言葉巧みに契約をすすめてきます。たとえば、以下のような手法をよく使います。
- 「いますぐ外壁を塗らないと、雨漏りする」など不安をあおる
- 「いまなら足場代を無料にする」など、大幅な値引きの提案
- 「地域限定モニターに選ばれました」などの特別感を出す
- 「無料で点検します」とお得感を出す
中には、契約をするまで帰らないという強引な業者もいるようです。
万が一、無理やりに契約をさせられた場合は、クーリングオフ制度を使用しましょう。
クーリングオフ制度は、業者から法定書面を受け取った日から8日以内であれば、契約や申込を解除できる制度です。商品の購入やサービスの契約などに適用され、外壁塗装の契約も対象です。
塗装対象外に塗料が付着した
塗装工事中に塗料が車や花壇、物置など塗装対象外の部分に付着するトラブルがあります。
塗装対象外の場所に塗料が付着する危険がある場合、塗装業者は養生をする必要があります。
万が一、車や花壇など対象外の部分に塗料が付着した場合は、塗装業者に報告して弁償してもらうように話しましょう。
近隣の家に塗料が飛散した
塗装工事中は、近隣の家にも塗料が飛散することがあります。
隣の家のものに塗料が付着した場合は、まず塗装業者と依頼者が謝罪に行く必要があります。 塗装業者の不手際であっても、業者だけ謝罪に行かせるのではなく依頼者も謝罪することで、隣人との関係性が悪化する可能性が低くなります。
また、近隣住民とのトラブルを防ぐには、事前のあいさつが重要です。さらに塗料の飛散が考えられる場所は、近隣の家にも養生をするよう塗装業者と打ち合わせをしておきましょう。
塗料が剥がれた
施工完了後に塗料が剥がれるなど、不具合が発生することがあります。塗料が剥がれるなどの不具合は、施工不良のおそれがあります。
施工不良は、主に以下が原因です。
- 塗料を塗る前に下地処理がされていない
- 下塗りが乾かないうちに、上塗りをする
- 塗料が適切に配合されていない
- 塗料が密着しにくい場所に塗っている
塗装工事が完了してから塗料が剥がれた場合は、すぐに施工業者に連絡をして確認してもらいましょう。
施工不良は、再施工や補修をしてもらう必要があります。時間が経過するほど不具合を認めてもらえる可能性が低くなるので、気づいたらすぐに連絡を入れましょう。
保証期間中であれば無料で補修をしてもらえる可能性があるので、契約書をしっかりと確認しましょう。
外壁塗装のトラブルを防ぐ方法
外壁塗装のトラブルは事前の準備や行動で防げる可能性があります。
近隣住民にあいさつをする
外壁塗装の工事日程が決まったら、近隣住民にあいさつをしましょう。事前にあいさつをすることでトラブル回避につながります。
近隣住民からくるクレームの原因には、以下のものがあります。
- 足場を組むときの騒音
- 工事車両の駐車や通行
- 塗料の飛散
- 塗料の臭い
外壁塗装は、高所の作業であれば足場が必要で、塗装工事に臭いは付き物です。そのため、工事を進めるには近隣住民の理解が必要です。
また、塗料の飛散を防ぐために、近隣の建物などに養生が必要なケースもあります。工事が決まったら、近隣住民へのあいさつと配慮を忘れずにしましょう。
塗料の情報を確認する
一般の方で外壁塗装の知識を持っている人は多くはありません。そのため、塗装をどのように行うかも把握していないことがほとんどです。依頼者がわかっていないからと、手抜き工事をする悪徳業者もいるようです。
まずは、塗料のメーカーや品名などを塗装業者に詳しく確認しましょう。確認ができれば塗料の正しい施工方法をインターネットで調べたり、メーカーに問い合わせたりすることができます。
塗料について聞いても業者が答えたがらない場合は、悪徳業者の可能性が高いので注意が必要です。
契約内容をしっかりと確認する
外壁塗装の契約をする際には、しっかりと契約内容を確認しましょう。内容を把握しないで契約してしまうと、優良業者でもトラブルにつながるおそれがあります。
契約書の以下のポイントをチェックしましょう。
- 工事明細書通りの契約金額か
- 追加料金の可能性がないか
- 工事の着工日と完了日
- 保証はあるか
- 工事場所
- 支払い条件と支払い方法
- 請負契約約款の確認
また上記以外にも、瑕疵保険に加入できるか、近隣住民へのあいさつや説明があるか確認しておくとよいでしょう。
契約をすすめられてすぐに契約をするのではなく、内容をしっかりと確認してから行うことが重要です。
複数の塗装業者から見積もりをとる
外壁塗装の見積もりは、1社だけでなく複数の塗装業者に依頼しましょう。
複数の見積もりをもらうことで、相場がある程度わかります。極端に安い塗装業者はあとから大幅な追加料金が発生することがあり、極端に高い塗装業者は不当に利益を得ようとしているおそれがあります。
また、外壁塗装はただ塗料を塗るだけでなく、下地処理や下塗り、中塗り、上塗りなどたくさんの工程があります。見積もりの内容が大ざっぱすぎるものは注意しましょう。
悪徳業者はいかに契約をもらうか、いかに利益を出すかしか考えていません。そのため、手段も選ばず、依頼者の意見など聞く耳も持っていません。
複数の塗装業者を見極めて優良業者を選ぶことが、トラブル回避につながります。
優良業者であれば、打ち合わせや見積もりと工事の説明をしっかりと行ってくれますし、依頼者の意見も親身になって聞いてくれるでしょう。
なお、複数の塗装業者に1社ずつ依頼するのは時間や手間がかかるため、一括比較サイトを利用しましょう。一括比較サイトは、簡単な物件情報などを入力するだけで、対応できる塗装業者を複数紹介してくれます。
また、ぬりマッチであれば、厳しい審査を通過した優良施工会社のみが加盟しているため、安心して利用できます。
外壁塗装のトラブルに関するよくある質問
- 外壁塗装のトラブルにはどんなものがある?
- 悪徳業者に無理やりに契約をさせられるトラブルなどがあります。優良業者でも、しっかりと事前に打ち合わせをしていないと、イメージと仕上がりが違ったり、施工不良などがあったりします。また、騒音や塗料の飛び散り、臭いなどがきっかけで近隣住民とのトラブルに発展することもあります。
- 外壁塗装のトラブルを事前に防ぐことはできる?
- 契約内容や塗料の情報を確認することで、事前にトラブルを防げます。また、近隣住民あいさつをしておくことも重要です。