外壁塗装にクーリング・オフを適用する条件と手順│拒否されたときの対策

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外壁塗装にクーリング・オフを適用する条件と手順│拒否されたときの対策

商品やサービスの契約トラブルから消費者を守る制度として、クーリング・オフがあります。クーリング・オフは、外壁塗装の契約にも適用されますが、実際に利用するとなった場合、どのような手順で行えばよいのでしょうか。

外壁塗装の工事をクーリング・オフする手順、施工会社が応じない場合の対処法について解説します。

クーリング・オフとはどのような制度か?

クーリング・オフは、商品の購入やサービスを申し込んだあとに、無条件で契約を解約・解除できる制度です。

1970年代に電話勧誘や訪問営業による高額商品の強引な販売が急増したため、消費者を保護する目的で1972年に導入されました。高額な商品やサービスを、訪問販売や電話勧誘販売を使って営業し、消費者が内容を理解しないまま契約させる悪質な事業者はいまだに存在します。

しかし、強引な営業や巧みなセールストークに乗せされて契約しても、クーリング・オフをすれば解約できるため、代金を支払う必要がありません。また、代金をすでに支払っていた場合は、全額返金されます。

クーリング・オフは、英語で「Cooling Off」と書き、「頭をひやして考え直す」という意味があります。その意味のとおり、契約した商品やサービスが本当に必要なものだったかを考え直すための制度です。

クーリング・オフが適用される条件

クーリング・オフをするには、次の適用条件を満たしている必要があります。

クーリング・オフの適用条件
対象となる取引 具体例 適用される期間
電話勧誘販売 事業者からの一方的な電話で売ってきた商品やサービスを契約した 8日間
訪問販売 事業者が自宅や職場に訪問して売ってきた商品やサービスを契約した
特定継続的役務提供 特定商取引第41条に定義されているサービスを契約した
(学習塾、語学教室、家庭教師、エステ、美容医療、結婚相談所、パソコン教室)
連鎖販売取引 ネットワークビジネスやMLMなど、いわゆるマルチ商法に該当する商品やサービスを契約した 20日間
業務提供誘因販売取引 事業者から仕事のために必要と言われた商品を契約した
(モニター商法、内職商法など)

このほかにも、商品やサービスの内容を消費者が曖昧あいまいにしたまま契約したと判断される取引は、クーリング・オフが適用される可能性が高いです。

ただし、クーリング・オフができる期間は決まっており、申込書または契約書のどちらか早く受け取った日を1日目とします。期限を過ぎないように日数を計算するときは注意しましょう

キャンセル料や手数料は発生しない

クーリング・オフが適用された場合、条件や理由に関係なく契約を一方的に解除できます。

契約解除に伴う費用は発生しないため、事業者からキャンセル料や、違約金、損害賠償などの支払いを求められても、応じる必要はありません。また、商品やサービスの代金をすでに支払っている場合は、クーリング・オフが適用されると全額返金されます。

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クーリング・オフが適用されないケース

契約した商品やサービスの取引形態や期間がクーリング・オフの条件を満たしていても、次のケースでは適用されません。

  • 3,000円未満の契約で現金を支払った
  • 自らの意思で店頭に行きサービスや商品を契約した
  • 事業者同士で契約をした
  • 事業で使用するために契約した
  • 通信販売で購入した
  • 購入した商品を開封・使用した分 など
    ※契約書に対象外になる旨の記載がなければ、適用可能

クーリング・オフの目的は、消費者が商品やサービスの内容を理解しないまま契約したことで、発生する被害を防ぐことです。そのため、消費者が自ら行動して契約したと判断される場合には、クーリング・オフが適用されないことがあります

外壁塗装にもクーリング・オフが適用される

クーリング・オフは、外壁塗装の工事に関しても適用されます。

外壁塗装を行う施工会社は、電話勧誘販売や訪問販売で営業を行う会社が多く、なかには契約を獲得するために強引な営業をしている会社もあります。

「営業担当が突然自宅に訪問してきて、高圧的な態度で外壁塗装の契約を迫ってきた」
「検討するといっても帰らず、しつこく営業を続けてきた」
「毎日のように営業電話がかかってくる」

といった状況で、工事内容を理解していないまま契約をした場合は、クーリング・オフが適用される可能性が高いです。ただし、施工会社に問い合わせをしたり、直接足を運んで契約したりした場合は、自らの意思で契約したと判断されるため、クーリング・オフの対象外になる場合があります。

クーリング・オフの手順

外壁塗装の工事をクーリング・オフする場合は、次の手順で進めます。

  1. 施工会社に通知する書面※1または電磁的記録※2に必要事項を記載する
  2. 施工会社に向けて通知する
  3. クレジットカードやローンを組んでいる場合は、クレジットカード会社や金融機関にも通知する
※1:原稿用紙、ハガキなど
※2:電子メール、USBメモリ等の記録媒体、Webサイトのクーリング・オフ専用フォームなど

クーリング・オフは、電話や口頭で行うことはできません。必ず、書面か電磁的記録で通知しましょう。

なお、クーリング・オフは施工会社に通知した時点で成立するため、事前の連絡は不要です。

施工会社に契約解除を通知する

施工会社に通知するための書面または電磁的記録に記載する項目は次のとおりです。

  • 商品やサービスを契約した日
  • 契約者の氏名
  • 契約した商品やサービスの名称
  • 契約金額
  • 事業者の名称
  • クーリング・オフの通知する日

また、施工会社に通知の目的が伝わりやすいように「契約解除通知」の記載をしておきましょう。

契約解除通知の例

契約解除通知の例

書面は内容証明郵便で提出するのが確実

クーリング・オフの通知を書面で郵送する場合は、内容証明郵便(※)で送りましょう。普通郵便で送ると、施工会社にどのような内容を送ったのか、そもそも通知をしたかどうかを証明できないためです。

内容証明郵便は字数・行数に制限があるため書き方に注意が必要です。横書きであれば、1行26字以内で一枚に20行以内、または1行13字以内で一枚に40行以内です。

枚数には制限がないため、文字数が越える場合は複数枚に分けて書きましょう。

※郵便局が郵便物の内容について公的に証明してくれる郵便

施工会社は現状回復の義務がある

クーリング・オフをした場合、購入した商品が手元にある場合は、事業者に返却します。送料は事業者の負担です。

契約したサービスをすでに利用していても、その分を返還する義務はありません

民法第703条では不当利得が定められていて、他人の財産で利益を得て、他人に損失を与えた場合は返還する義務があります。しかし、クーリング・オフでは、不当利得が適用されないため、一切の負担なしで解約ができます。

(不当利得の返還義務)

第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

e-Gov法令検索「民法第七百三条」

そのため、外壁塗装を契約して、足場の設置や塗装が進んでいたとしても、クーリング・オフをした場合、施工した分の費用を請求されることはありません。

クーリング・オフを断られたときの対処法

クーリング・オフは、事業者に通知した時点で成立しますが、なかには「対応していない」「違約金が発生する」など理由をつけて拒否してくることがあります。クーリング・オフに応じない事業者がいた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

返金されない場合は消費生活センターに相談する

クーリング・オフの通知をしても施工業者が応じない場合は、消費生活センターに相談しましょう。消費生活センターに相談をすることで、解決に向けたアドバイスや、施工会社との間に入り解決に向けた交渉のサポートを行ってくれます。

消費生活センターへの問い合わせは、市外局番なしで「188」にかけると、お住まいの地域から近い消費生活相談窓口に案内してもらえます。

なお、施工会社からのいやがらせや身の危険を感じる脅迫などを受けて、緊急性を要するときは警察に相談しましょう。

妨害行為があればクーリング・オフの期限が延長される

外壁塗装のクーリング・オフをしても、何か理由をつけて期限が過ぎるまで逃げ切ろうとする施工会社がいます。施工会社がクーリング・オフを回避するために妨害する行為は、「クーリング・オフ妨害」といわれます。

クーリング・オフ妨害があった場合、クーリング・オフの期限が延長されます

たとえば、訪問販売によって外壁塗装を契約したあと、クーリング・オフ妨害によって8日間が経過した場合は、改めて契約解除の通知をすればクーリング・オフが適用されます。

クーリング・オフの通知をしても施工会社が応じない場合は、消費生活センターに相談しましょう。

信頼できる施工会社を探すなら比較が大切

建物の外壁塗装は、日光や雨風で劣化が進むため、10年を目途に塗り替えが必要です

そのため、外壁塗装のクーリング・オフができたとしても、塗装が劣化している場合は、いずれはどこかの施工会社に依頼しなければいけません。

外壁塗装は、信頼できる施工会社に依頼することが成功の秘訣ですが、それには複数社の提案を比較して選ぶことが重要です。

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