外壁塗装にかかる費用は、家の大きさによって大きく変わります。たとえば、建坪30坪の家であれば費用はどれくらいかかるのでしょうか。また、相場と異なる費用になってしまう要因には、どういったものがあるのでしょうか。
建坪30坪の家で外壁塗装をするときに知っておきたい、費用の相場と外壁塗装の基礎知識を紹介します。
建坪30坪、2階建ての外壁塗装の相場は？
建坪30坪の家とはどのような家のことをいうのか、そして建坪30坪、2階建ての家で外壁塗装工事を行ったときの費用相場はどれくらいになるのかを紹介します。
建坪とは？
建坪とは一般的に建築面積のことをいい、建物を上から見たときの面積のことです。そのため一般的な形状の2階建て住宅であれば、建坪は1階の面積と同じになり、1階よりも2階のほうが大きい場合には2階の面積と同じになります。
そして単位は坪になるので、㎡であらわす場合は、1坪≒3.3㎡で計算します。したがって、建坪が30坪の家は、一般的に1階の面積が30坪（約99㎡）の家のことです。
対して延べ床面積は建物の各階の床面積を合計した面積なので、基本的に2階建て以上の建物の場合は、建坪よりも延べ床面積のほうが大きくなります。
建坪30坪・2階建て 外壁塗装の費用相場
建坪30坪、2階建ての家といっても、1階の面積は30坪でも2階の面積はさまざまなので、ここでは2階の面積を15坪（延べ床面積45坪）としておおまかな外壁塗装工事費用の相場とその内訳を紹介していきましょう。
| 項目 | 数量 | 単価（円） | 合計（円） |
|---|---|---|---|
| 仮設足場 | 285㎡ | 900 | 256,500 |
| 飛散防止ネット | 285㎡ | 200 | 57,000 |
| 高圧洗浄 | 180㎡ | 250 | 45,000 |
| 養生 | 180㎡ | 200 | 36,000 |
| 下地処理 | 1式 | 30,000 | |
| シーリング打ち替え | 250ｍ | 1,000 | 250,000 |
| 外壁塗装 (シリコン塗料3回塗り) | 180㎡ | 2,500 | 450,000 |
| 付帯部分塗装 | 1式 | 120,000 | |
| 廃棄物処分 | 1式 | 20,000 | |
| 諸経費(10%) | 1式 | 126,500 | |
| 合計 | 1,391,000 |
※住宅のおおまかな外壁塗装面積は、延べ床面積×1.2～1.4程度といわれているので、ここでは1.2を採用して計算しています
※既存の外壁をサイディング張りと仮定しています
上記において、外壁塗装の面積は目安の数量です。建物の建坪だけだと正確な外壁の塗装面積がわからないため、建物形状や窓の数、大きさなどによっては価格が大きく変動する場合があります。
外壁塗装の価格を決める要素
外壁塗装の価格を決める要素には、さまざまなものがあります。ここでは外壁塗装費用を決める主な要素を見ていきましょう。
塗料の種類
外壁塗装に使用する塗料には数多くの種類がありますが、どんな塗料を使用するのかによって耐用年数が異なり、耐用年数が長い塗料ほど費用が高額になる傾向があります。
外壁塗装に使用する塗料の種類とその費用相場（塗装面積1㎡あたりの単価）、耐用年数の目安は次の表のとおりです。
| 塗料の種類 | 費用相場（円/㎡） | 耐用年数の目安（年） |
|---|---|---|
| アクリル塗料 | 1,000～1,800 | 5～8 |
| ウレタン塗料 | 1,500～2,500 | 7～10 |
| シリコン塗料 | 1,800～3,000 | 10～15 |
| ラジカル（制御型）塗料 | 2,200～4,000 | 12～15 |
| 光触媒塗料 | 3,800～5,500 | 12～20 |
| フッ素塗料 | 3,500～5,000 | 15～20 |
| 無機塗料 | 4,500～5,500 | 20～25 |
塗装面積
外壁塗装の工事費は、塗装面積が増えるほど必要な塗料の量と施工する手間が増えるので高額になります。
また、一般的に建物の延べ床面積が大きくなるほど外壁の塗装面積も大きくなるため、延べ床面積が大きい家ほど外壁塗装の費用が高額になるでしょう。
塗装面の劣化状況
外壁の塗装面が劣化して傷んでいる場合は、塗装工事に着手する前に補修作業が必要です。そのため、それだけ費用が割高になります。
外壁の種類
外壁塗装の工事費用は、外壁の種類によっても変動します。たとえば、外壁がサイディング張りやALCの場合は目地のシーリング打ち替えが、モルタル外壁の場合にはひび割れ補修などが必要です。
建物の立地条件、周辺環境
外壁塗装の工事費用は、建物の立地条件や周辺環境によって影響を受けることがあります。建物と建物のあいだが狭くて特別な足場が必要になる、自動車が停める場所が家から遠いなど、工事の手間が増えるとそれだけ費用がかさみます。
塗装を行う時期
施工会社のなかには、受注が減少する閑散期などにキャンペーン期間を設けて、通常の価格より安価に受注していることがあります。上手く依頼するタイミングが合えば、このようなお得な情報を入手して、安価に工事を依頼できるでしょう。
外壁塗装の価格が相場よりも高くなる要因
外壁塗装の価格には使用する塗料ごとに、一定の相場があります。なかには同じ塗料を使用しても、相場よりも高くなってしまうケースがあるので注意が必要です。
ここでは、外壁塗装の価格が相場よりも高くなる要因を紹介します。
塗装面に著しい劣化があって補修する箇所が多い
外壁の劣化には汚れや変色、退色、チョーキング※、塗膜の浮き・剥がれ、ひび割れ、欠損などがあります。塗装面に著しい劣化が数多くある場合は、それだけ補修費用が余分にかかってしまうことになります。
※チョーキング
塗膜が劣化して塗装面を指で触ったときに白い粉がつくこと
そのため、長い間メンテナンスを行わずに放置しておいた場合は、一般的な外壁塗装の費用相場より高くなりやすいでしょう。劣化状況により補修作業の内容や費用が変わるため、塗装工事に着手する前に外壁の状態をよく確認したうえで適切な処置を施すことが重要です。
狭小地に建っていたり周辺道路が狭かったりする
次のようなケースでは、一般的な相場価格では外壁塗装ができないことがあります。
- 敷地が狭くて人が入りにくい
- 敷地内に足場を設置できず道路や隣地を借用する必要がある
- 周辺道路が狭くて足場材や資材を運搬する車両が通行できない
以上のようなときは、通常より手間がかかったり、警察に「道路使用許可」を申請する必要があったりするため、工事費が割高になります。
高性能な塗料を使用する
高性能な塗料は耐用年数が長いため、塗装のサイクルを延ばせるメリットがあります。しかし、フッ素塗料や無機塗料などの高性能な塗料は価格が高く、一般的なシリコン塗料を使用するときと比較すると工事費が高額になりがちです。
ハウスメーカーや工務店などに工事を依頼する
外壁塗装をハウスメーカーや工務店などに依頼すると、外壁塗装を行う施工会社に依頼したときと比べて割高になります。ハウスメーカーや工務店は自社で塗装職人を抱えていないため、下請けの施工会社へ依頼します。
そのため中間マージンが発生して、施工会社に直接依頼するより2～3割ほど割高になってしまうのです。
外壁塗装の価格を抑えるには
外壁塗装にかかる費用は、決して安くはありません。そのため、少しでも安くするには、さまざまな工夫が必要です。少しでも費用を抑えるためにできることを紹介します。
あえて耐用年数の長い塗料を使用する
耐用年数の長い塗料を使用すると工事費が高くなるものの、メンテナンスサイクルが長くなるため、次回の塗り替え時期を先送りできます。つまり、長い目で見た場合に、トータルコストを安く抑えられるのです。
外壁と屋根の塗装を同時に行う
将来的には外壁だけでなく、屋根の塗装工事も必要になりますが、屋根の塗装でも足場代がかかります。そのため、外壁と屋根の塗装を同時に行うことで、1回分の足場代の約15～20万円を節約できます。
地方公共団体（自治体）の助成金を活用する
全国の地方公共団体には、住民が自宅のリフォームなどを行う際に、補助金や助成金を受け取れる制度があります。なかには外壁塗装でも助成制度を設けている地方公共団体があるため、自分が居住している地方公共団体にどのような補助・助成制度があるのかをあらかじめ確認しておきましょう。
施工会社の閑散期に工事を依頼する
多くの施工会社では、真夏や真冬、梅雨の時期などが閑散期になります。このような時期に工事を依頼すると価格交渉がしやすくなり、通常より割安価格で工事を依頼できることがあります。
複数社に相見積もりを依頼する
複数の施工会社に相見積もりを依頼することで、業者間での価格競争が促され、よりよいサービスや値引きなどが受けられることがあります。
また、各社に相見積もりを依頼するときは、塗装範囲や工事に使用する塗料などの条件をそろえることが必要になります。これにより、同じ条件で各社の見積もりを比較できるようになるため、最適な業者の選定がしやすくなります。
地元の施工会社に工事を依頼する
ハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などに外壁塗装を依頼しても、実際に現場で施工するのは下請けや孫請けの施工会社になります。そのため、中間マージン（紹介料）が発生してしまうため、それだけ費用が割高になってしまいます。
つまり、地元の施工会社に直接工事を依頼することで、余分な費用の発生を抑えることが可能です。
家を建てた会社に外壁塗装を依頼したい方も多いと思いますが、塗装費用を抑えたいのであれば、下請けに委託しない塗装専門の会社に依頼することをおすすめします。
相見積もり、地元の施工会社への依頼はぬりマッチで！
リビン・テクノロジーズ株式会社が提供する「ぬりマッチ」は、自宅の情報などを入力するだけで複数の施工会社を紹介してもらえるサービスです。地元にある複数の施工会社へ見積もりを依頼できるため、手軽に相見積もりを取れます。
家を建ててから10年経ったら、そろそろ外壁を塗装するタイミングです。外壁の劣化など、気になる症状があれば、ぬりマッチを利用して施工会社に相談しましょう。