外壁に緑色の汚れが見られることがあります。汚れの原因は何なのでしょうか。
この記事では外壁が緑色に汚れる原因や対処法、外壁を緑に変色させないための予防策について解説します。外壁の緑汚れが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
外壁の緑汚れとは?外壁が緑に変色した原因
外壁の緑汚れは、カビや
外壁がカビや苔、藻の発生に適した環境になっていると、外壁が緑に変色する原因になります。たとえば、経年劣化などで外壁材表面の塗膜が劣化していると、カビなどが発生しやすくなります。
日当たりが悪く、じめじめした環境の外壁はカビが繁殖し、緑汚れが発生します。カビの胞子は空気中に漂っているため、付着した外壁がカビに適した環境になっていると、発芽して繁殖し緑汚れの原因となるのです。
苔や藻の胞子も空気中に漂っています。水分を含んだ外壁に付着すると、水分と汚れに含まれる有機物を栄養にして繁殖します。こうして外壁に緑汚れが発生します。
外壁の緑汚れはカビ?苔?藻?見分け方
外壁の緑汚れをきれいにするには、緑汚れの正体がカビなのか苔なのか藻なのか見分ける必要があります。正体を見分けるために、緑汚れが繁殖しやすい条件を確認しましょう。
種類 | カビ | 苔 | 藻 |
---|---|---|---|
環境 | 水分があり、じめじめしている | 水分がある | |
日光の必要性 | 不要 | 光合成をして繁殖するため必要 | |
外壁に付着しやすい状況 | 建物が囲まれた風通しが悪い場所 | 建物周辺に森や林、川や池がある | 建物周辺に川や池がある |
カビの見分け方
カビは菌類です。成長に光合成を必要としないため、日光の当たらない場所でも繁殖します。カビの成長に適した条件を知ることで、何が原因で壁に緑汚れが発生しているか見分けられます。
外壁にできたカビの色は、緑色だけでなく、黒ずんでいたり白っぽかったりするときがあるため、汚れの色で見分けることも可能です。
外壁にカビが発生しやすい条件は以下のとおりです。
- 水分がたまりやすい
- 汚れを放置している
- 日当たりが悪い
- 植物に囲まれている
水分がたまりやすい
カビは水分があり、じめじめした環境を好むため、水分がたまりやすい外壁はカビが発生しやすいです。
たとえば、以下のような外壁は水分がたまりやすいです。
- 経年劣化によって、外壁にひびが入っている
- リシン吹き付け塗装などで、外壁が凹凸のある仕上げになっている
汚れを放置している
外壁についている汚れには有機物が含まれており、この有機物はカビの繁殖に必要な栄養を提供します。そのため、外壁についている汚れが放置されていても、カビが発生しやすくなります。
日当たりが悪い
建物が建っている環境によっても、カビの成長に適した環境がつくられます。
日当たりの悪い北側の外壁や隣の家が近く日光があまり当たらない外壁は、カビが好むじめじめした環境になります。周りを建物に囲まれていたり、物がたくさん置かれていたりして、風通しが悪い環境になっている場合も同様です。
植物に囲まれている
外壁が植物に囲まれていても、カビが発生しやすいです。
空気中に漂っているカビの胞子は植物にも付着しやすく、風が吹くと飛ばされやすいため、植物が近くにあると飛ばされた胞子が外壁に付着しやすくなります。
胞子がじめじめして汚れた外壁に付着することで、カビが繁殖します。
苔の見分け方
苔は植物です。成長には光合成が必要なため、水分があって日光の当たる場所で繁殖します。
苔もカビと同様に繁殖しやすい条件があります。外壁の仕上げや建物が建つ環境などから、緑汚れの原因が苔によるものかどうか見分けられます。
外壁に苔が発生しやすい条件は以下のとおりです。
- 外壁に凹凸がある
- 近くに森や林、川や池がある
外壁に凹凸がある
外壁材表面の仕上げに凹凸があると、苔が繁殖しやすい状態になります。凹凸がある外壁材は、表面に苔の胞子が付着しやすいためです。
また、外壁材表面の塗膜が劣化して剥がれたりすると、胞子が引っ掛かるため繁殖しやすい環境になります。
近くに森や林、川や池がある
建物の近くに森や林があると、苔が繁殖しやすい状態になります。森や林には苔の胞子が多く漂っています。風などで飛ばされた胞子が、外壁に多く付着します。
また、川が近くにあると空気中の水分が多くなるため、外壁表面も湿度が高くなり、苔が繁殖しやすい環境になります。
藻の見分け方
藻も苔と同じように植物のため、繁殖には日光が必要です。
藻は特に水中で育つ植物のため、建物の近くに川や池などがあって緑汚れが目立つようであれば、藻が繁殖していると考えられます。
外壁の緑汚れは自分でキレイに落とせる?その判断基準とは
外壁の緑汚れは、自分で落とせる場合と専門業者に依頼したほうがよい場合があります。
自分で落とせる汚れ
自分で緑汚れを落としてもよいのは、以下のときです。
- 緑汚れの範囲が比較的小さい
- 緑汚れが手の届く範囲にある
- 外壁材の塗膜が劣化していない
緑汚れの範囲が比較的小さい
緑汚れが発生したばかりで、比較的範囲が狭いのであれば、中性洗剤などを利用して水洗いすれば汚れを除去できます。
作業をするうえで手の届く範囲にあるかどうかも、自分で汚れを落とせるかどうかの判断基準のひとつです。
外壁材を触ったときに手にチョークの粉のようなものが付着するチョーキング現象が見られるのであれば、塗膜の劣化が始まっていると判断してください。
外壁が劣化している状態で高圧洗浄機を使用すると、外壁材を破損させるおそれがあります。
業者に依頼したほうがよい汚れ
緑汚れの状況が以下のような場合には、専門業者に依頼しましょう。
- 広範囲に緑汚れが広がっている
- 2階の外壁など高所に緑汚れがある
- 外壁材の塗膜が劣化している
広範囲に緑汚れが広がっている
広範囲に緑汚れが広がっている場合、すべてを除去するのは難しいです。
カビや苔、藻はキレイに除去できなければ再び繁殖してしまうおそれがあります。専門業者に任せましょう。
2階の外壁など高所に緑汚れがある
高所に緑汚れが広がっている場合も専門業者に依頼してください。作業中に転落してしまうという、最悪の事態も予想されます。
外壁材の塗膜が劣化している
外壁材塗膜の劣化が著しい場合は、外壁塗装などを含めて専門業者に除去の依頼をしましょう。単に緑汚れを取り除くだけでなく、将来に向けて建物の維持管理を含めてメンテナンスできます。
外壁を緑に変色させないための予防策2選
外壁を緑に変色させないためには、カビや苔、藻の繁殖を防ぐ必要があります。一旦繁殖してしまうと繁殖を止めるのが難しいため、早めのメンテナンスを心がけましょう。
外壁を緑に変色させないための予防策は、次のとおりです。
- 金属サイディングへの張り替え
- 防カビ効果のある塗料を使って塗装
金属サイディングへの張り替え
金属サイディングに張り替えるとカビや苔の繁殖を防げるため、緑汚れの予防になります。
ガルバリウム鋼板などでできている金属サイディング表面は凹凸が少なく、水を含むことがないのでカビや苔、藻が好む水分のある環境になりません。金属サイディングに張り替えることでカビや苔、藻が繁殖しにくい環境をつくり緑汚れの発生を予防できます。
ただし、張り替えには高い費用がかかることを理解しておいてください。
防カビ効果のある塗料を使って塗装
金属サイディングに張り替える予算がないときには、防カビ効果を持つ塗料を使って外壁を塗装するのも予防策になります。
雨水を利用したセルフクリーニング効果を持っている塗料を使うと、カビや苔の栄養となる有機物を含んだ汚れを落とせるため、緑汚れの発生を予防できます。
外壁表面塗膜の劣化は、カビや苔、藻の繁殖につながります。外壁塗装をすることで緑汚れの原因を絶てるため予防策になります。
緑汚れを拡大させないための予防策2選
外壁に緑の変色が少しでも見つかったときにできる対策は、次のとおりです。
- 水洗いをする
- 洗浄剤、漂白剤を使って洗う
水洗いをする
緑汚れを広げないために、外壁に発生しているカビや苔を見つけたら水洗いをする方法があります。
スポンジを使ってカビや苔をこすって、水で洗い流してください。外壁が傷んでいるようであれば力を加減して行うか、傷んでいる箇所には手を出さないようにします。
落としにくいと感じるときは、家庭用の中性洗剤を使用してみるのもよいでしょう。
洗浄剤、漂白剤を使って洗う
水洗いで落とせないときにホームセンターやインターネットで購入できる洗浄剤や漂白剤を使うと、発生してからそれほど時間が経っていない緑汚れであれば除去できます。
ただし、洗浄剤や漂白剤は強い除菌力がある一方で、外壁の塗膜を傷めてしまうおそれがあるため、目立ちにくいところで試してから使用しましょう。
外壁の緑汚れは早めの対策を
緑汚れの原因である外壁に繁殖したカビや苔、藻は、放置しておくと雨漏りの原因となり建物の構造を傷めてしまいます。また、住む人の健康に悪影響を与えるおそれがあります。
早めの対策で被害を最小限に抑えられるため、外壁の緑汚れを見つけたときは、除去や予防について早めに検討しましょう。DIYである程度の対策は可能ですが、根本的な解決を図るのであれば専門業者に相談することが最適です。
外壁の張り替えや外壁塗装による対策を検討するのであれば、一括見積もりサイトを利用すると複数の専門業者に簡単に見積もり依頼ができます。ぜひ利用してみてください。