外壁塗装の「剝がれ」をDIYで補修する方法|自力でできる限界は?

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外壁塗装の「剝がれ」をDIYで補修する方法|自力でできる限界は?

外壁の塗装は年月を経ると劣化して塗料の一部剥がれ落ちる、「剥がれ」と呼ばれる現象が起こります。剥がれをそのままにしておくのは見栄えが悪いですし、剥がれた部分から雨水などが浸入するおそれがあります。できるだけ早く補修しましょう。

ただ、剥がれが一部分だけであれば、わざわざ施工会社に依頼するのも面倒ですし、安くない費用がかかります。できるだけDIYで対応したいところでしょう。

DIYで外壁塗装の剥がれを補修する方法、補修にあたって注意すること、DIYで補修すべきでない状態などを解説します。

外壁塗装の「剝がれ」をDIYで補修する方法

外壁の塗膜が剥がれる原因には、主に「施工不良」と「経年劣化」があります。前回の外壁塗装をしてから約10年も経っていれば、経年劣化で塗料の耐用年数を過ぎているのかもしれません。

耐用年数が過ぎた塗膜の剥がれは、そのまま放置し続けるとどんどん進行して、やがて広範囲にわたって見られるようになります。単に見栄えが悪くなるだけではなく、塗装の役割であった外壁の保護性能も失われます。外壁の劣化が進めば、最悪の場合は雨漏りの原因になります。

経年劣化による塗膜の剥がれが見られたら再塗装が必要ですが、安全に作業できる箇所であればDIYで補修することも可能です。

ただし、DIYでの補修は、あくまでも応急処置にしかならないことを覚えておいてください。

DIYでの補修に必要なもの

外壁塗装の塗膜の剥がれをDIYで補修するには、ホームセンターなどで次のものを入手してください。

  • 塗料(下塗り用、中塗り・上塗り用)
  • ローラー、刷毛はけ
  • ローラーバケット(ローラーに塗料を含ませる際に使用)
  • バケツ
  • シーリング材、コーキングガン
  • 脚立きゃたつ
  • 高圧洗浄機
  • サンドペーパー、ワイヤーブラシ、皮スキ
  • 養生ようじょうシート
  • マスキングテープ
  • ビニールシート、マスカー(マスキングテープとビニールシートが一体となったもの)

どうしても手が届かない部分をDIYで補修するなら、業者に依頼して足場を組んでもらう必要があります。足場なしでの高所作業は危険なので、絶対にやめましょう。

準備が整ったら、次の手順で補修作業を行います。

  1. 補修部分の汚れや剥がれかけた旧塗膜を除去する
  2. ひび割れ部分にシーリング材を充填じゅうてんする
  3. 塗料が付着してはいけない部分を養生する
  4. 塗装工程に着手する

それぞれの手順を見ていきましょう。

➀ 補修部分の汚れや剥がれかけた旧塗膜を除去する

高圧洗浄機を使用して補修部分を洗浄します。高圧洗浄機がない、環境的に使用できないのであれば、水洗い後に雑巾などを使って外壁表面に付着している汚れや旧塗膜を落とします。

洗浄でどうしても落ちなかった汚れやサビなどは、サンドペーパーやワイヤーブラシ、皮スキなどを使って磨きます。汚れをきれいに落とすことで、新たに塗る塗料の密着性を高められます。

水洗い後は塗装する面を十分に乾燥させてください。

➁ ひび割れ部分にシーリング材を充填する

補修部分にひび割れが見られる場合は、ひび割れ部分にシーリング材を充填します。シーリングを行う前に周囲へシーリング材が付着しないよう、マスキングテープなどを使って養生(保護)します。

➂ 塗料が付着してはいけない部分を養生する

シーリング作業が終了したら塗装作業を行う前に、塗料が付着してはいけない部分をビニールシートやマスカー、マスキングテープなどを使って養生します。

➃ 塗装工程に着手する

塗装する面の準備ができたら、ローラーや刷毛を使って下塗り用の塗料を塗ります。下塗り用の塗料は、塗装を外壁にしっかり密着させるために使用します。下塗りが終わったら塗料のマニュアルに従って十分に乾燥させてください。

下塗りの乾燥を終えたら、中塗りの塗料を塗ります。中塗りの塗料が乾燥したら、上塗りの塗料を塗ってください。中塗りと上塗りは同じ塗料を使用します。上塗りの塗料が乾燥したら完成です。

自分には難しい!と思ったら施工会社へ任せてください。基準をクリアした技術力のある職人が対応します!

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この症状は施工会社へ! DIYで対応できない症状

外壁の塗装は本来であれば、プロである施工会社に依頼するものです。そのため、DIYでの対応が難しいものは、施工会社へ依頼しましょう。

特に外壁が次のような状態であれば、DIYではなく施工会社へ作業を依頼してください。

  • 広範囲の補修が必要
  • 全面的にシーリングの劣化がある
  • 塗膜の剥がれ、外壁のひび割れが多い

どういった状態なのか、詳しく解説します。

広範囲の補修が必要

外壁塗装の塗膜の剥がれが広範囲で発生している場合は、一部分だけでなく全体的に塗料の寿命が尽きていることを示しています。こういった状態で部分的な補修しても、その後に何度も応急処置を繰り返すことになるでしょう。

広範囲の作業には足場の設置が不可欠で、何度も作業するよりは施工会社へ依頼してまとめて補修したほうが安あがりでしょう。

全面的にシーリングの劣化がある

外壁にサイディングボードなどを使用していると、塗膜の剥がれだけでなくシーリングのひび割れや肉痩せ、剥がれ、欠落などが見られることがあります。シーリング部分から雨水が浸入してしまうため、塗膜の剥がれだけを補修してもあまり意味がありません。

全体的なシーリングの補修はDIYで対応できる範囲を超えるため、施工会社に依頼して本格的なシーリングの増し打ちや打ち替えなどを行いましょう。

塗膜の剥がれ、外壁のひび割れが多い

塗膜の剥がれが発生しているだけでなく、外壁に多くのひび割れが見られるときもDIYで対応できる範囲を超えています。特に0.3mm以上のひび割れには樹脂注入工法やUカットシール材充填工法といった、特殊な工法で補修する必要があります。

外壁がこういった状態のときはDIYで応急処置をする段階ではないため、施工会社による対応が必要になってきます。早めに施工会社へ相談しましょう。

補修してからも外壁を長く良好な状態を保つには、DIYの補修では不十分なことが多いです。さまざまな劣化が外壁に見られたら、家を守るため、プロによる補修を受けてください。

劣化症状を見つけたら、そろそろ塗り替えのタイミングです。外壁の塗装や補修を施工会社に相談してください!

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外壁塗装が剥がれる原因

外壁塗装の塗膜が剥がれる原因には施工不良と経年劣化のほかに、「環境」や「建物の構造」があります。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

施工不良

塗装から数年しか経過していないのに塗膜が剥がれた場合は、施工不良が疑われます。塗装後の乾燥が十分でないのに次の塗料を塗り重ねたり、雨の降っているときや気温5℃以下の低温のときに塗装を行ったり、下地の清掃が不十分だったりすると、塗膜が密着せずに剥がれやすくなってしまうのです。

そのほか、下塗りの塗料と外壁材の相性が悪い場合にも、塗膜が剝がれてしまうことがあります。

経年劣化

常に雨風や紫外線に晒されている外壁塗膜は、どんなに高価な塗料であっても経年劣化を避けられません。耐久性を失って、もろくなった塗膜が崩落してしまう現象が「剥がれ」です。

外壁材や塗料の種類によって耐用年数が異なるものの、塗り直すタイミングの目安は10年前後とされています。塗料の耐用年数を経過すると、塗膜が劣化して剥がれやすくなります。

前回の塗装から10年前後経過しているのなら、塗膜の剥がれは経年劣化が原因で生じていると考えられます。

環境によるもの

外壁は常に外気に触れているため、周辺環境の影響を大きく受けます。海から近い地域であれば潮風による塩分、交通量の多い幹線道路沿いであれば排ガスに含まれる大気汚染物質が外壁の塗装へ影響します。日当たりに優れた環境のよい場所でも、日光の紫外線が塗装へ影響するため注意が必要です。

塗装から10年はあくまでも目安で、環境によって劣化する時期が前後することを覚えておきましょう。

建物の構造上の問題

サイディングボードを貼りつける工法のひとつに、直貼り工法というものがあります。直貼り工法にはコストを抑えられるメリットがあるものの、通気性が悪いというデメリットがあります。そのため、湿気が外壁内部に溜まってしまい、カビを発生させてしまったり、外壁を劣化させてしまったりします。

そのため、直貼り工法を使用している家だと湿気によって外壁の塗装が劣化して、塗膜の剥がれを起こしてしまうことがあります。

剥がれた外壁塗装をそのまま放置するのはNG!

外壁を塗り直すには、100万円程度と安くない費用がかかります。そのため、DIYで対応できないときは、そのまま放置してしまいがちです。

しかし、塗膜が剥がれたまま放置し続けていると、次のような危険性があります。塗膜の剥がれに気づいたら、放置せず、早めに対処しましょう。

防水機能が低下する

外壁塗装の塗膜には、防水性を高める重要な役割があります。塗膜が剝がれると外壁から防水機能が失われるため、雨水などが浸入してしまうのです。

雨水を吸い込んだ外壁は膨張して破損など、家を守る機能を発揮できなくなってしまうため注意しましょう。

建物の構造躯体に腐食が生じる

破損や劣化によって外壁の防水機能が低下すると、建物内部へ雨水が浸入するようになります。雨水は建物内部の湿度を高めてカビを発生させるだけでなく、長期的には構造躯体(柱やはりなど)を腐食させる原因になります。

腐食した構造躯体は、耐震性能を著しく低下させるため要注意です。また、構造躯体の修繕には高額な費用がかかるため、外壁塗装が劣化したら早めに対処しましょう。

建物の美観を損ねる

外壁の塗膜が剥がれた家は、決して見栄えのよいものではありません。ポロポロと塗膜が剥がれ落ちた家は、誰も住んでいない放置された空き家のように見えるでしょう。家族が楽しく暮らす家には、あまりふさわしくない状態です。

建物の資産価値が低下する

剥がれた外壁塗装を放置しておくと美観が悪くなるだけにとどまらず、いずれ構造躯体の腐食など深刻な問題に発展します。

建物そのものの資産価値も大きく低下するため、建物を売却しようとしたときの売却価格に大きく影響するでしょう。

塗膜の剥がれを見つけた時点で適切な補修を行っていれば、最低限の費用負担で済みます。しかし、建物に腐食や雨漏りが発生したときに修繕費用は、非常に高額です。

塗膜の剥がれは軽視せず、早急な対応を心掛けてください。

外壁塗装の施工会社選びには「ぬりマッチ」

ぬりマッチは複数の施工会社へ、外壁塗装の見積もりを一括して依頼できるサービスです。サービスの利用にかかる費用は無料ですので、外壁の劣化症状に気づいたら、ぬりマッチで見積もりを依頼してください。

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