家の外壁にぷっくりと盛り上がった水ぶくれを見つけたら、早めの対処をおすすめします。水ぶくれを放置すると、家に深刻なダメージを与えるおそれがあるためです。
どうして水ぶくれができるのか、どうして家にダメージを与えるのか、どのように対処すればよいのかなど、外壁にできた水ぶくれについて解説します。
外壁に塗装の「水ぶくれ」ができる原因
外壁塗装をしてから時間が経つと、塗膜に「水ぶくれ」が発生することがあります。外水ぶくれ(気泡)は、外壁の塗膜の表面がふくれて浮き上がったり、ふくれて剥がれたりしている状態のことをいいます。
水ぶくれは塗膜のなかに空洞ができているため、見栄えが悪くなるだけでなく、塗膜の外壁の保護機能が低下している状態です。
塗膜に水ぶくれができる原因には、次のようなことが考えられます。
- 塗料の経年劣化
- 不適切な下地処理などの施工不良
- 熱ぶくれなどの不可抗力
それぞれの原因について解説します。
塗料の経年劣化
外壁の塗膜は雨風や紫外線の影響を受けて徐々に劣化し、やがて弾力性や密着力が失われていきます。そのため、塗膜内部に空気が浸入しやすくなり、塗膜が外壁から浮き上がって水ぶくれのような状態になるのです。
さらに外壁と塗膜のあいだに水分が浸入すると、太陽光で温められて水蒸気が発生し、塗膜を下から持ち上げます。それにより、水ぶくれの範囲が少しずつ大きくなっていきます。
ひび割れのようなすき間があると水分が浸入してくるため、劣化した外壁塗装には注意が必要です。
不適切な下地処理などの施工不良
施工不良も水ぶくれの原因になります。塗料の耐用年数が残っているにもかかわらず、塗膜に水ぶくれが発生している場合は施工不良が疑われます。
塗料を正しい比率で希釈しなかった場合や外壁塗装に適さない気温5℃以下、または湿度85%以上などの条件で塗装を行うと、塗料の付着力が低下して水ぶくれが発生しやすいのです。
そのほかにも、塗装前の高圧洗浄やケレン作業※などの、適切な下地処理も重要です。きちんと下塗りができないと塗料が密着できず、小さな空洞が生じて内部の水分蒸発が水ぶくれにつながります。十分な乾燥時間をとらずに塗料を塗り重ねた場合も、水ぶくれの原因になります。
※ケレン作業
施工前に壁や床の表面の汚れを除去する作業のこと
熱ぶくれなどの不可抗力
経年劣化でも施工不良でもない原因で、水ぶくれが発生することがあります。それが、熱ぶくれです。
熱ぶくれとは塗料のなかの水分が太陽光による急激な温度上昇で水蒸気になり、軟化した塗膜を押し上げてふくれを発生させることをいいます。
単層弾性塗料※はひび割れを起こしにくいものの、熱で伸びるためにふくれが生じやすいといわれています。熱を集めやすい濃色は、さらに熱ぶくれを起こしやすくなります。
外壁がサイディングボードだと蓄熱性が高く、弾性塗料で塗装をすると高い確率で熱ぶくれが発生するといわれています。外壁にできるふくれは、塗料の選択も大きく影響しているのです。
※単層弾性塗料
弾力性のある塗料を厚く塗ることで、防水性と耐久性を高める塗料のこと。建物の動きに追従するため、ひび割れを防止する
水ぶくれの放置はキケン!
外壁の水ぶくれは塗料の塗膜が外壁材から浮き上がった状態なので、そのまま放置するとさまざまな問題が発生します。
ここでは、水ぶくれを放置すると発生する問題を紹介します。
塗膜が剥がれ落ちて見た目が悪化する
外壁の水ぶくれを放置すると、時間の経過とともに水ぶくれの範囲が広がったり塗膜が剥がれたりします。大きな水ぶくれや塗膜の剥がれのある外壁は、建物の外観を著しく損なうでしょう。
経年劣化による水ぶくれの場合、塗膜の防水性も低下しているため、外壁に付着した汚れが目立つようにもなります。見栄えの悪い建物は周辺の景観にも悪影響があるため、早めに対処してきれいな状態に戻しましょう。
水が浸入して外壁が傷む
水ぶくれの発生は、塗膜が外壁を保護する機能を失っていることを示しています。塗膜はさまざまな外的要因から外壁材を守るバリアのような役割を持っているため、水ぶくれの放置は大きなリスクです。
劣化して塗膜の防水機能が著しく低下すると、外壁材に雨水が浸入するようになります。外壁材は水に弱いものが多いため、やがて外壁材そのものが劣化して、建物内部へ雨水が浸入して雨漏りの原因になるのです。
最悪のケースでは、柱や梁などの構造躯体の腐蝕やシロアリの繁殖などを引き起こすおそれがあり、大きな地震が発生したときに建物が倒壊してしまうことも考えられます。
水ぶくれができたときの対処法
外壁の塗膜に水ぶくれができたら、広がりを防ぐために早めに対処する必要があります。
水ぶくれを発見したときの、対処法について紹介します。
外壁に水ぶくれを見つけたらまず何をする?
塗膜の水ぶくれを発見したら、施工会社へ相談しましょう。塗料の耐用年数がまだ残っているのであれば、前回塗装した会社に相談してください。
良心的な会社であれば水ぶくれの原因が施工ミスによるものなのか、塗料の寿命によるものなのか、あるいは不可抗力によるものなのかを調査します。そして明らかに施工ミスといえる場合は、無償で修理してもらえることがあります。工事保証書等があれば確認してみましょう。
ただし、塗装から10年以上経過しているなら経年劣化と考えられ、補修でなく塗り替えのタイミングが来ていると考えられます。
水ぶくれの補修はDIYでも可能?
数カ所に小さな水ぶくれが見られる場合は、DIYで補修することも可能です。DIYで水ぶくれを補修するには、次の手順で行います。
1.浮いた塗膜や汚れ、油脂を高圧洗浄機で洗浄する
家庭用の高圧洗浄機で浮いた塗膜や外壁表面の汚れ、油脂を高圧洗浄機で洗浄します。高圧洗浄機がなければ、洗剤とスポンジを使ってこすり、水で洗い流してください。
2.十分に表面を乾燥させる
汚れをしっかり落として乾燥させることで、塗膜が外壁の表面にしっかりと密着するようになります。
3.補修する箇所に塗装をする
補修箇所が乾燥したら、塗料を下塗り、中塗り、上塗りの3回に分けて塗装します。下塗りには専用の塗料を使用してください。塗装するときは各工程で時間をかけて乾燥させることが大切です。
乾燥時間が不足すると、再び塗膜が水ぶくれを起こす原因になります。
範囲が広い、高所作業があるなら専門の施工会社へ依頼する
DIYで対応できるのは、あくまでもごく一部を補修するときだけです。脚立や足場が必要になる高所作業は危険なため、DIYでの補修を行わないでください。
水ぶくれの原因が経年劣化によるものなら、いま水ぶくれが発生していない箇所でも劣化が進んでいると考えられます。その場合には一部の補修だけでなく、外壁全体の塗り替えが必要になるでしょう。施工会社に点検してもらうことをおすすめします。
外壁塗装を依頼するときは、複数社から見積もりをもらうことが大切です。会社によって金額だけでなく、施工内容が異なることもあるためです。納得したうえで点検、施工してもらうため、一括見積もりサイト「ぬりマッチ」から依頼しましょう。
ぬりマッチではいくつかの必要項目を入力するだけで、対応できる施工会社に点検や見積もりを依頼できます。初期段階で対処できるよう、早めにご依頼ください。