陸屋根の防水マスター!耐用年数・費用・工期から見る、最適な防水方法

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陸屋根の防水マスター!耐用年数・費用・工期から見る、最適な防水方法

陸屋根(りくやね、ろくやね)とは、傾斜のない平らな屋根のことをいいます。主にマンションや事務所などの高層建築物に使用されており、最近では一般住宅でも多く見られます。

陸屋根の防水時期は、防水工事をしてから約10〜20年が目安です。本記事では、具体的な防水時期の目安や防水工事の費用相場などを解説します。

陸屋根の防水時期は?耐用年数を確認しよう

陸屋根は屋上のスペースを有効活用できる一方で、水がたまりやすいというデメリットがあります。そのため、傾斜のある三角屋根よりも定期的なメンテナンスが必要です。

陸屋根の防水メンテナンスに適した時期は、次の8つのチェックポイントで確認できます。下記のような状態だと、いますぐ補修すべきです。

  • 雨漏りしている
  • 防水層が膨らんでいる
  • 剥がれている箇所がある
  • ドレン(排水溝)を清掃しても詰まりが直らない

ほかにも下記のような症状の場合は、補修を検討しましょう。

  • コンクリートに、ひび割れがあったり剥がれが見られる
  • 雨の日に水たまりができる箇所がある
  • 雑草が生えている
  • ドレン(排水溝)が詰まっている

陸屋根の状態が上記8つのポイントに当てはまらない場合は、防水層の耐用年数を確認しましょう。

防水層の耐用年数は防水の種類によって異なりますが約10〜20年です。以下では陸屋根の防水を行う際に検討される3種類の防水について、それぞれ詳しく解説します。

シート防水

シート防水

シート防水

シート防水は床面に防水シートを貼る工法で、一般的な住宅の陸屋根に使われています。ゴムシート防水と塩ビシート(塩化ビニルシート)防水があり、どちらも耐用年数は約13年です。

工事費用、維持費用ともに安いですが、強風の多い地域や床が平らでない場合は、シートがはがれるリスクがあります。

アスファルト防水

アスファルト防水

アスファルト防水

アスファルト防水は床面をアスファルトで覆う工法のことで、耐用年数は約20年です。

熱工法やトーチ工法、冷工法の3種類があります。改修工事ではあまり使われず、新築工事で使われます。

アスファルト防水は防水性能と耐久性が高いのがメリットです。デメリットは、アスファルトを溶かす際に臭いが出ることや費用が高いことです。

塗膜防水

塗膜防水

塗膜防水

塗膜防水とは、床面に防水材料を塗る工法のことです。主にFRP防水とウレタン塗膜防水の2種類あります。どちらも住宅に多く使用されており、耐用年数は約10年です。シート防水やアスファルト防水ができない屋根は、塗膜防水を行います。

塗膜防水は屋上の形状を問わず、突起物があっても施工できるのが強みです。ただし、ウレタン塗膜防水は乾燥期間が必要なため、施工期間が長くなる傾向にあります。

防水の種類・工法別の費用相場、耐用年数、工期

防水工事には多くの種類があり、それぞれ費用や耐用年数が変わってきます。下記が種類別にまとめた表です。

防水の種類・工法別の費用相場、耐用年数、工期
防水方法 種類・工法 費用相場(円/m2 耐用年数(年) 工期(日)
シート防水 ゴムシート防水 2,500〜7,500 13 1〜4
塩ビシート防水 2,100〜7,500
アスファルト防水 トーチ工法 5,500〜8,000 20 4〜10
冷工法
熱工法 6,000〜8,000 25
塗膜防水 FRP防水 4,000〜8,000 10 1〜2
ウレタン塗膜防水 3,000〜7,500 3〜10

表にあるようにシート防水が最も安い傾向に、アスファルト防水が最も耐用年数が長い傾向にあります。

迷ったら塩ビシート防水がおすすめ!

どの防水にするか迷ったら、塩ビシート(塩化ビニルシート)防水がおすすめです。塩ビシート防水とは、塩ビシートの原料である塩化ビニール樹脂の防水シートを接着剤で貼っていく防水方法のことです。

防水工事をしたあとは防水層に傷をつけないために、基本的には歩行できません。しかし、塩ビシート防水であれば防水層がないため施工完了後に日常的に歩行可能です。そのため住宅の陸屋根だけでなく屋上でも、よく使用されています。

塩ビシートは7工法の中でも1番費用が安く、耐用年数も13年とそこそこ長いため、コストパフォーマンスに優れているといえます。

デザイン性も高いといわれているため、見た目の美しさやコストパフォーマンスで選ぶなら、塩ビシート防水がよいでしょう。とはいえ、シート防水はシートの継ぎ目の処理に技術が必要なため、施工会社を選定するときは実績のある会社を選ぶのが望ましいです。

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また、陸屋根の床が平らでない場合や強風の多い地域ではウレタン塗膜防水といった、ほかの防水方法を検討する必要があります。

床が平らでないと、シートを適切に付けることができません。また、強風の多い地域では風でシートが剥がれてしまい、何度も張り替えになるおそれがあります。

屋上を歩く場合はFRP防水がおすすめ!

洗濯物を干すなどで屋上を歩く場合は、強度に優れたFRP防水がおすすめです。

FRP防水は「ガラス繊維強化プラスチック(FRP)」を使用した工法で耐久性に優れているのが特徴です。そのため、ベランダや屋上駐車場などによく使用されます。

防水層のうえに保護層(コンクリート)が不要なため、建物を軽くできます。ほかの防水工法と比べて、工期が短いのもメリットです。

ただし、以下の点に注意しましょう。

  • 伸縮性が低く、木造の大きな陸屋根に使用できない
  • 施工時に臭いが発生するので依頼者は施工会社に、どれほどの臭いがするか事前に確認する必要がある(臭いのない、ほかの工法は確認不要)

屋根の形状が複雑な場合はウレタン塗膜防水がおすすめ!

ウレタン塗膜防水は、液状のウレタンを何層も塗り重ねることで防水層をつくります。「ウレタンを塗り、乾燥させる」という単純な工程の繰り返しになるため、安価で人気のある工法です。

別の素材の防水層があっても重ね塗りできるため、撤去費用がかかりません。そのため、メンテナンス費用を抑えられます。

また、屋根の形状を問わないため、ほかの防水工事で施工できない陸屋根も施工できます。しかし、施工中に乾燥期間をとる必要があり、工期が長くなってしまいます。

防水工事は自分でしないほうがよい

費用が高いからといって、自分で防水工事をするのはやめましょう。費用を抑えたい、急いで防水したいという気持ちはわかりますが、自分で行わずに施工会社に依頼するのが賢明です。

ここからは、自分で防水工事をしないほうがよい理由を説明します。

転落、落下の危険性がある

屋上での防水工事の場合、落下してしまうと大けがをし、最悪の場合は命を落とすことがあります。

また、床が濡れていたり苔が生えていたりすると、滑って転倒するかもしれません。手すりがあっても、寄りかかった際に手すりごと倒れてしまうおそれもあります。

高額になってしまう

雨漏りしている際に自分で防水の補修をした場合、一時的に水は止まるでしょう。しかし、施工手順や管理ポイントを理解していないと、すぐに不具合が生じてしまいます。そうなると、結局は施工会社に補修を依頼することになります。

自分で補修したところを施工会社が撤去する必要があるため、追加費用がかかり高額になってしまいます。「最初からプロに依頼したほうがよかった」と後悔しないよう、自分で補修しないようにしましょう。

品質の確保が難しい

防水工事は施工や管理が難しく、高い技術が必要です。施工前に下地を確認したり、天候の様子を見ながらいつ施工するかを決めたりしなければなりません。

施工中も接着剤や防水材の塗り厚、乾燥期間、材料が使える時間を注意するなど、管理すべきことがたくさんあります。防水工事は快適な生活をするうえで重要な工事であるので、専門会社に依頼して品質のよい防水をしてもらいましょう。

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