FRP防水とは?寿命はいつ?最適な施工方法から補修単価まで全網羅

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FRP防水とは?寿命はいつ?最適な施工方法から補修単価まで全網羅

FRP(繊維強化プラスチック)防水は、繊維強化プラスチックを防水に応用した工法で屋根やベランダに多く施工されています。寿命は条件にもよりますが約10〜13年です。

本記事ではFRP防水について詳しく知りたい方や自宅の屋根やベランダがFRP防水の方へ向け、FRP防水のメリット、デメリットや寿命、FRP防水から補修する場合に最適な施工方法、FRP防水の補修単価を紹介します。

FRP(繊維強化プラスチック)防水とは?

FRP(繊維強化プラスチック)防水のFRPは、英語名“Fiber Reinforced Plastics”の頭文字を取ったもので、樹脂や繊維などを組み合わせて強度を高めた強化プラスチックのことです。

屋根やベランダの施工に利用することが多く、塗膜防水の工法として利用されています。これを建築業界では「FRP防水」と呼びます。

※塗膜防水の工法
水を防ぐための防水膜を作り出して層を重ねて、建材に浸水しないようにする工法です。「塗膜防水工法」と呼ぶこともあります。

FRP防水のメリット

FRP防水の施工には、以下のメリットがあります。

  • 防水性能が高まる
  • 耐久性が高い
  • 軽くて建材や建物への負担が少ない
  • 施工期間が短く済む

防水性能が高まる

FRP防水は建材の表面にシートを敷いて防水層を構築することで、優れた防水機能を発揮します。

通常、FRP防水は風呂場のバスタブやプールに使用されます。そこから、高い防水性能を生かして駐車場やバルコニー、ベランダ、屋根にも防水塗膜工法の意味で利用されるようになりました。また、通常の防水加工ではなく、強い透水とうすい防止効果があり、「水密性が高い」ともいえます。

耐久性が高い

FRP防水は、衝撃や振動などさまざまな外的刺激に対して耐久力をもっています。これが、野外の駐車場にFRP防水が使われる理由です。

重歩行性(表面がすり減らない性能)を有しているため、人が歩いて出入りするような場所にも使いやすいでしょう。しかも、ウレタンの防水塗膜とは異なり摩擦にも強く、摩擦が生じるような場所での使用も可能です。

軽くて建材や建物への負担が少ない

FRP防水に使用される素材が、ほかの素材に比べて比較的軽量な点もメリットです。そのため、耐震性を考慮した住宅にFRP防水を使用することが増えており、建材の下地にかかる重量ダメージを最小限にします。

建材の具体的な重さは1m2につき3~5kg程度の重さです。屋上に施工する場合、緑化防水にも向いており、根が貫通するのを防ぐだけの耐性があります。

施工期間が短く済む

FRP防水は防水塗膜を作る際の樹脂が固くなるスピードが早いため、最大約2時間で次の層を作る工程に進めます。

そのため、短期間で工事を終わらせたい方はFRP防水がおすすめです。

FRP防水のデメリット

FRP防水には以下のデメリットがあります。

  • コストが高い
  • 使用場所に制限がある(広い場所・木造など不可)
  • 建物の動きに弱い(伸縮性が低い、ひび割れの原因)
  • 紫外線からの保護が必要(FRP自体は紫外線に弱い)

コストが高い

FRP防水は防水の性能面で高い評価を得ている一方、一般的なウレタンの防水塗膜の工事に比べ費用が高いです。単純に比較して2倍近く高い相場となっており、工事だけでなく、メンテナンスについてもそれ相応のコストが発生します。

使用場所に制限がある

FRP防水の工程に必要な防水層を作るには、制限があります。たとえば、広い場所や木造、鉄製の下地には施工できません。

また、FRP防水は伸縮性がないため、木造の広いバルコニーなどの変形した場所には使用しにくいことがあります。

建物の動きに弱い

FRP防水は素材の伸縮性が低く、建物の動きに弱いというデメリットがあります。伸縮性は温度や振動の変化に対応する性能です。

たとえば、熱による膨張や、雨の水を吸収した建築材の下地では、伸縮性のなさがマイナスに働くのです。つまり、伸縮性がないと、変化に対応できず亀裂が入ったりします。

亀裂が入るにもかかわらず下地にFRP防水を施すと、建物そのものの動きによって亀裂や破損が生じるリスクが高まります。

紫外線対策が必要

FRP防水は、素材そのものが紫外線に弱いため、施工時に紫外線から保護するための表層施工を加える必要があります。

そのため、リフォームなどで追加の防水塗膜をする場合は、紫外線のコーティング保護も含めましょう。

FRP防水の寿命

FRP防水で施工した箇所について、防水塗膜としての耐用年数は10~13年ほどです。条件次第では、25年ほどまで長くなる場合もありますが、5年前後でトップコート(樹脂の上となる最上部の施工)を塗装し直すメンテナンスも必要です。

塗装し直すメンテナンスが必要な理由は、紫外線や雨風の影響で外側の劣化が起こるためです。ウレタン防水に比べると、約1~2年早い(6~7年が5~6年と短い)塗り直しが必要となるため、メンテナンスにかかる費用も高めです。

FRP防水の最適な施工方法

ここでは、FRP防水でベランダや屋根を造って、新たに補修する場合の最適な施工方法について解説します。

FRP防水

FRP防水で工事した箇所を補修する場合は、同じFRP防水を再び施工するのが最適です。なぜなら、FRP防水は各種防水塗膜工法のなかでも高い性能を誇っており、防水を必要とする場所に施工されることが多いためです。

屋根やベランダでは、雨水による浸水をできるだけ防ぐためにも、FRP防水を選択して間違いはありません。

また、FRP防水は全部が剥がれて劣化するケースよりも、何層もの樹脂の上にあるトップコートが剥がれることのほうが多いでしょう。そのため、FRP防水をすべてやり直すのではなく、メンテナンスという形で補修をしやすいというメリットがあります。

ウレタン防水

FRP防水を施した屋根やベランダが、経年劣化で破損した場合や形状が変わって上に浮き出た場合に補修工事が必要です。その際に、安く施工したいときには、ウレタン防水がおすすめです。

ウレタン防水は、ウレタン樹脂を使用することで耐久性は高く、費用もFRP防水より安いという特徴があります。

ただし、工事にかかる時間は少し長めに必要です。また、拡張工事やリフォームで施工範囲が広がり、FRP防水でカバーできる範囲を超えて工事や補修ができない場合、ウレタン防水に切り替えるというのもありでしょう。

もちろん、使用する樹脂が異なるため、下地の上から工事をし直す形となり、部分補修ではありません。

シート防水

費用をかけずに工事にかかる期間も短くしたいときはシート防水の施工がおすすめです。

シート防水は、シートを被せるだけでさまざまな場所に防水塗膜の工事ができます。施工の際に接着やビス止め(ネジで留める)をするなどを状況によって選べます。下地の種類を選ばないという点も魅力的でしょう。

ただし、シートが密着する必要があるため、凹凸がある場合には注意が必要です。

FRP防水の補修単価相場

FRP防水の補修単価相場は下記の表にまとめています。

FRP防水の補修単価
補修項目 単価相場( 円/m2
メンテナンス(30年総額単価) 2万5,000
初期工事費用(1回) 4,000~8,000
ウレタン防水との差額 1,000

メンテナンス(補修)

FRP防水の補修単価は、メンテナンスに含まれるため、約2万5,000円/m2が相場です。メンテナンスは約2万5,000円/m2で補修範囲が4㎡とした場合、総額10万円、その住宅に30年住むとして、30年の間にかかるメンテナンス(補修)費用となります。

初期工事費用

初期工事費用は、最初に必ずかかる費用となっており、耐用年数が過ぎた場合にも改めて除去費用と合わせて費用が発生します。

メンテナンスはあくまでもトップコートの塗り直しであり、工事費用は樹脂のコーティングも含めたすべて(下地の上にある樹脂からの新たな工事)の費用の合計です。

ウレタン防水との差額

ウレタン防水には、3,000~7,500円/m2の工事費がかかるとしており、30年単位では2万円/㎡が相場です。

メンテナンス(30年総額単価)約2万5,000円/m2と比較して5,000円程度高めで、初期工事費用(1回)は約4,000~8,000円/m2です。つまり、FRP防水はウレタン防水と比較して1,000円~1,500円/m2高くなります

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