モダンでシック、存在感のある外壁にしたいと思ったら、黒色の外壁も選択肢に入るでしょう。しかし、外壁は家の印象を左右するため、存在感を際立たせる黒色を採用するかは慎重に判断したいところです。
本記事では、黒色の外壁のメリットデメリットや黒色の外壁にして失敗しないための対策、注意点を紹介します。「自宅の外壁を黒色にしたいけど、デメリットも気になる」「黒色の外壁にして失敗したくない」という方は、ぜひ参考にしてください。
再確認!黒い外壁のメリット6つ
黒く塗装された外壁は、デザイン的にオシャレであること以外にも以下のように複数のメリットがあります。
- 虫が集まりにくい
- 黒っぽい汚れが目立たない
- 冬は室内が暖まりやすい
- 花が映える
- ライトアップで幻想的な雰囲気になる
- 色あせしにくい
それぞれ、詳しく解説します。
虫が集まりにくい
虫は色に反応して寄りつく傾向があります。虫の種類によっては色に反応しないこともありますが、多くの虫は明るめの色に集まりやすく、暗めの色を避けるとされています。
黒は暗めの色に分類されるため、虫が集まりにくい色です。虫は紫外線を感知して近づいてくるため、「紫外線をよく吸収する色である黒色には寄りつかない」という説もあります。
黒っぽい汚れが目立たない
建物の外壁には排ガスやコケ、雨水のたれた跡などで黒っぽい汚れがつきやすいものです。黒い外壁には、このような黒い汚れが目立ちにくいというメリットがあります。
白い外壁では比較的早い段階で黒っぽい汚れが目立つようになりますが、黒い外壁だとそれがありません。
ただし後述しますが、黒い汚れが目立たないということは、白い汚れが目立つことの裏返しでもあるため、注意しましょう。
冬は室内が暖まりやすい
黒色は太陽光を吸収しやすい色です。そのため冬は室内が暖まりやすくなり、特に寒い地域では暖房費を抑えることにつながります。
こちらも後述しますが、そのぶん夏場は暑くなりやすいことに注意が必要です。
花が映える
黒色は植物や花との相性が抜群です。特に白・黄色・ピンクなどの花と組み合わせると、黒い壁とのコントラストで花の色が引き立ち、華やかで美しいリッチな雰囲気を演出できます。
壁を背景として花壇などを設置するのも好印象です。
ライトアップで幻想的な雰囲気になる
黒い壁をライトアップすると、美しく幻想的な雰囲気を演出できます。特に夜に照明をともすと、黒い壁が反射して光が広がり、魅力的な空間を作り出せます。
また、どのように彩光するか考える楽しみも得られます。光の角度や明るさを変えたり、カラフルなライトを使ったりすると、幻想的な雰囲気を強調できるでしょう。
さらに、黒い壁とのコントラストを強調すれば、鮮やかな色彩が際立ちます。
色あせしにくい
色あせは、主に紫外線によって塗料が劣化することにより起こります。しかし、黒色の色素は紫外線に強いため、塗料の中でも色あせしにくい色です。
色あせに伴い、壁を触ると粉が出るチョーキング現象が起こるものですが、ほかの色でできた壁に比べ、黒色の壁はチョーキング現象が起こりにくいでしょう。
黒い外壁のデメリット3つと対処法
黒い外壁にはメリットの裏返しのようなデメリットもあります。
- 夏は室内が暑くなりやすい!外壁を触るとやけどのおそれも
- 隣人から「迷惑」と苦情が来るおそれ
- つやの減少・白っぽい汚れは目立ちやすい
外壁を黒く塗装する前に、上記のデメリットについても把握しておきましょう。
夏は室内が暑くなりやすい!外壁を触るとやけどのおそれも
黒い外壁は太陽光をよく吸収するため、特に夏場は室内が暑くなりやすいデメリットがあります。メインの居室でエアコンをしっかりかけても、廊下やトイレなどで壁からモワッとした熱気を感じられる場合があるため、注意が必要です。
また、室内だけでなく外壁そのものの温度上昇にも注意が必要です。仮に断熱材などで室内の温度上昇を抑えたとしても、場合によっては外壁を触るとやけどをするくらい熱くなることがあります。
対処法
壁の中に性能の高い断熱材が入っていれば、室内の温度上昇を抑えることが可能です。
また、塗料の中には「遮熱塗料」といって、太陽光からの熱(赤外線)を反射する効果の高い塗料があります。遮熱塗料を使って外壁を塗れば、室内の温度上昇を抑えやすいでしょう。
断熱材や遮熱塗料を使えば、室内の温度上昇の問題は軽減されます。しかし、外壁そのものの温度上昇は仕方ありませんので、玄関ドアや庭の近くにペットや小さな子どもがいる際は、壁に触らないよう注意して見ておきましょう。
隣人から「迷惑」と苦情が来るおそれ
黒い外壁が太陽光で熱くなると、壁からの輻射(放射)などによって隣家にも熱が伝わります。そのため、隣に住む人から「暑くて迷惑」と苦情が来るおそれは十分考えられます。
温度の問題以外にも、以下のような理由で付近の人から苦情が出ることもあります。
- 街並みに合わない
- 建物が不気味に感じられる
- 周辺が暗い感じがする
対処法
上記の事態を防ぐには、塗装前に近所の人とのコミュニケーションを取って、理解を求めておく必要があります。
特に景観に関しては、塗装後のイメージ写真などを作って近所の人に見せられれば効果的です。外壁塗装会社の力を借りて、外壁を黒色にしても弊害がないことを説明してもらうのもよいでしょう。
つやの減少・白っぽい汚れは目立ちやすい
黒い色は色あせしにくい色ではあるものの、永久的に塗装当時と同じ色は保てません。長期間たつと、つやが減った感じになります。
また、黒っぽい汚れが目立たないことの裏返しで下記のような白っぽい汚れがつくと、目立ちやすくなります。
- 砂ぼこり
- 鳥のフン
- 車による泥はね
対処法
塗料の色あせは、経年によって必ず起こるものです。しかし、こまめに清掃して汚れを流しておくことで、色あせの発生を遅らせることは可能です。
汚れがつきにくく落ちやすい低汚染塗料を選ぶと、さらに色持ちしやすいでしょう。
黒色の外壁にして後悔しないためのポイント5選
外壁を黒にするメリットとデメリットは、表裏一体の場合が多いです。塗装したあとで「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためのポイントを解説します。
- 景観法に適合しているか確認する
- メンテナンスに費用や時間をかけられるか考慮する
- 断熱に気を配る
- 近所の人とのコミュニケーションを十分に取る
- 複数社に見積もり依頼して、優良会社を選ぶ
景観法に適合しているか確認する
外壁の色の好みは人それぞれですが、景観法という法律に基づく条例により、外壁に使ってよい色が限定されている場合があります。有名なところでは京都市や奈良市などがありますが、これ以外にも多くの地方公共団体(自治体)で何らかの条例が定められていますので注意しましょう。
外壁塗装会社であれば周知の事実ですが、中には知らない会社や知っていても黙認している会社もあります。 塗装前に届出が必要な場合もあるため、塗装会社に任せきりにせず、自身でも塗装したい地域の決まりを確認しておきましょう。
景観条例については、景観行政ネットの「景観法に基づく景観条例等一覧」で確認できます。
メンテナンスに費用や時間をかけられるか考慮する
外壁を何色に塗ったとしても経年劣化で色あせしてしまうものですが、特に黒い外壁の場合は色あせが目立ちやすいです。そのため、こまめな清掃は欠かせませんし、思っていたよりも早めの塗り直しが必要になるかもしれません。
また、黒っぽい汚れが目立たない代わりに、砂ぼこりなどの白い汚れは目立つため、これを防ぐ意味でも清掃はこまめに行う必要があります。このような時間や費用をかけられるかどうか、事前に検討しておきましょう。
断熱に気を配る
十分に性能のよい断熱材を使わないと、真夏に家の中が暑くなってしまいます。新築物件でない場合は、「壁を黒く塗っても大丈夫」といえるような断熱材が使われているのか、事前に調べておくことが大切です。
どうしても現在の断熱材では性能が不十分となった場合は、断熱材を入れ替える工事が必要です。そのような手間や費用をかけられるか検討したほうがよいでしょう。
近所の人と十分にコミュニケーションを取る
景観法や温度のことをクリアしても、近所の人と心理的な距離があると、トラブルが起こるおそれがあります。たとえば、風水的に黒色は不吉といわれることがあるため、風水を気にする方は黒色を嫌がるかもしれません。
しかし、隣に黒色の家があっても、色のバランスや配置次第で不吉なエネルギーを避けられます。自身の家が黒色であっても同様の対策が取れます。
風水を理由に「黒色の外壁にするか迷っている」「隣から黒色にすることを反対されている」場合は、下記の記事が参考になるでしょう。
良好な関係を築くためにも、塗装前後には必ず近所の人とコミュニケーションを取り、黒い外壁に対する不安や疑問を解消するよう努めましょう。
複数社に見積もり依頼して、優良会社を選ぶ
日本では、景観法によって外壁に使用してよい色と使用できない色があります。こうした外壁塗装の常識は優良会社であれば熟知しているのが当然ですが、個人で外壁塗装をしている会社や開業したばかりの会社は知らないことがあります。
また、黒色は他色に比べ近所の人からの賛否が分かれる色です。そのため、外壁を黒色に塗装するなら、ルールを熟知しているだけでなく、近隣トラブル対策にも定評のある会社へ依頼することが大切です。外壁塗装の一括見積もりサイトぬりマッチなら、それが可能です。
ぬりマッチに加盟しているのは、電話でのヒアリング調査などをもとに、厳選した外壁塗装会社のみです。優良会社の見積もりや対応などをもとに、慎重に会社を選べば外壁を黒色にしてもトラブルなく終えられるでしょう。完全無料で利用できるので、特に外壁を黒色にしたい方はぜひご活用ください。