鳥のフンで外壁が汚されて困っている方は意外と多く、被害は深刻です。外壁に鳥のフンがつくと見た目が悪くなるだけでなく、健康被害が出たり外壁自体の寿命が短くなったりするおそれがあります。
この記事では、鳥のフンが外壁についた場合の対処法や施工会社に依頼したほうがよい事例について解説します。鳥のフンによる被害で悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
【前提】外壁についた鳥のフンは雨では落ちない!放置するリスクとは
外壁についた鳥のフンは、乾燥するとこびりついてなかなか取れないため、雨が降ったぐらいでは流れ落ちません。
ここでは、外壁についた鳥のフンを放置しておくリスクについて解説します。
病原菌・寄生虫・ウイルスによる被害のおそれ
鳥のフンには病原菌やウイルスが大量に混入しています。外壁に付着した鳥のフンは、乾くと風により周辺に粒子が飛び散ります。この飛び散った粒子はドアや窓を通じて、家の中まで入ってくるおそれがあるため、危険です。
鳥のフンに含まれる病原菌やウイルスが原因で発症する病気には、「クリプトコックス症」や「オウム病」「ニューカッスル症」などがあります。どの病気も健康な方ならば無症状、もしくは軽い症状だけで済みますが、抵抗力が落ちている方は重症化する心配もあるでしょう。
- クリプトコックス症
最悪、死に至るおそれもある真菌感染症。症状は出る場合と出ない場合がある。
参考(国立感染症研究所「クリプトコックス症の概要」)
- オウム病
世界中で見られる呼吸器疾患。突然の発熱で発病。軽症なら風邪程度だが、重症の場合は呼吸困難や意識障害になる。
参考(厚生労働省「オウム病について」)
- ニューカッスル病
急性伝染性疾患。結膜炎などの症状が見られる。
参考(家畜疾病図鑑Web「ニューカッスル病」)
また、鳥類のペットを飼育されている方は、病気がペットに感染するおそれもあります。特に、オウム病は予防のポイントとして「野生のハトのフンに直接触れないように」とあるため、外壁のフンを落とす際は手袋をするなどの対策が必要です。
ドバトのオウム病クラミジアの保菌率は20%と高いことから、野生のハトやハトのフンに直接触れないようにしましょう。
引用:東京都感染症情報センター「オウム病 Psittacosis」
外壁の劣化が早まるおそれ
鳥のフンは白っぽい部分と黒い部分があり、白い部分は人間の尿に該当します。鳥の尿は尿酸で、その名のとおり酸性です。
酸は金属を腐食させる働きがあるため、コンクリートや金属性の外壁に鳥のフンをつけたまま放置しておくと急速に劣化が進むおそれがあります。特に、多量のフンが付着したまま放置すると、劣化が早まりがちです。
近所からウワサをたてられるおそれ
外壁に鳥のフンが付着したままだと、家の美観が損なわれます。
家が建っている場所によっては、「家の美観を地域全体で保っていこう」という意識が強いです。そのような地域で長いあいだ外壁のフンを放置していると、家が悪目立ちしてしまい近所からウワサをたてられるかもしれません。
実際、家の外観で苦情が来ることは珍しくありません。近所からのウワサや苦情を無視していると、深刻なトラブルに発展するリスクもあります。
鳥のフンは自分で落とす?施工会社に依頼?
外壁についた鳥のフンは、道具さえあれば自分で落とすことも可能です。その一方で、施工会社に依頼したほうがよい事例もあります。
ここでは、自分で対処できる事例と施工会社に任せたほうがよい事例の特徴をそれぞれ紹介します。
自分で落としてもよいシチュエーション
外壁についた鳥のフンは、以下のようなシチュエーションならば自分で落とせます。
- 外壁の手の届く高さに鳥のフンがついている
- 鳥のフンがついて時間が経っておらず、すぐに落とせる
- 鳥のフンがついた部分が数カ所程度で、時間をかけずに落とせる可能性が高い
ただし、家の軒下やベランダなどが鳥の寝床や休憩所になってしまい、頻繁に鳥のフンの掃除が必要な場合は、鳥の駆除を専門とする業者に依頼するなどの対処が必要です。
施工会社に依頼したほうがよいシチュエーション
外壁についた鳥のフンの掃除を施工会社に依頼したほうがよいシチュエーションは、以下のとおりです。
- 外壁の手の届かない高さに広範囲で鳥のフンが付着している
- 鳥のフンが付着して時間が経ち、中性洗剤でも落としにくい
- 鳥のフンが大量に付着している
鳥のフンは時間が経つほど落としにくくなるため、大量に付着している場合は個人では対処が難しいでしょう。
前述したように、家が鳥の寝床や休憩所になっているほか、近所に鳥が好んで利用する寝床や休息場所があり、その場所を鳥が行き来している場合もフン害がひどくなるおそれがあります。
鳥のフンを落とすのに必要な道具と掃除の手順
ここでは、鳥のフンを自分で落とす手順について解説します。鳥のフンは前述したように病原菌や寄生虫が多量に含まれており、素手で掃除をするのは危険です。
また、水で落ちない場合は洗剤などを使う必要があります。ここでは、必要な道具や使ってはいけない道具なども紹介するので参考にしてください。
鳥のフンを落とすのに必要な道具
まずは、必要な道具をそろえましょう。外壁についた鳥のフンを落とすのに必要な道具は、以下のようなものです。
- 使い捨て手袋
- 使い捨てのマスク
- 雨カッパ(必要あれば)
- ごみ袋
- ぼろ布・新聞紙
- 外壁用洗剤(中性のもの)
- 消毒用アルコール
外壁についた鳥のフンを掃除する場合は、手袋とマスクを着用しましょう。また、汚水をかぶる心配がある場合は、100円ショップなどで購入できる簡易的な雨カッパを羽織って掃除してください。
さらに、外壁用の洗剤は基本的に中性のものが望ましいです。中性の洗剤は、一般的に家庭用洗剤などに多く使われています。酸性やアルカリ性の洗剤は外壁塗装や素材を傷めるおそれがあるため、使用しないようにしましょう。
外壁専用の洗剤は外壁の素材や塗装に優しい成分が含まれています。中性の洗剤を使うことで、より効果的かつ優しい洗浄ができるでしょう。
高圧洗浄機は基本的に使用しない
高圧洗浄機は、その名のとおり水を高圧で噴射してその勢いで汚れを落とします。外壁は面積が広いので、高圧洗浄機を利用して一気に掃除をしたくなる方もいるでしょう。しかし、外壁に使うと塗装や外壁そのものを傷めるリスクがあります。
特に、外壁塗装を行って10年以上が経過している場合、高圧洗浄を行うと塗装が傷んだりはげたりするリスクが高いため、気をつけましょう。
高圧洗浄機を使わなければ落ちない場合は、外壁塗装を専門に行う施工会社に依頼したほうが外壁を傷めずに鳥のフンを取り除けます。
外壁についた鳥のフンを落とす手順
外壁についた鳥のフンを落とす手順は以下のとおりです。
- 手袋・マスク、必要ならば雨カッパを身につけて鳥のフンが素肌につかないように注意する
- 鳥のフンがついたばかりで湿っているなら、新聞紙やぼろ布でふき取ってそのままごみ箱に捨てる
- 鳥のフンが乾いている場合は、病原菌が飛び散らないようにぬるま湯でふやかす
- ぬるま湯でふやかしても取れない場合、外壁用の洗剤を少量つけて新聞紙などでこすり落とす
- 鳥のフンが取れたら、消毒用アルコールをまいて消毒する
- ごみ袋に鳥のフンを掃除した新聞紙やぼろ布、手袋・マスク・雨カッパを入れて袋の口をしっかりと縛ってごみとして捨てる
鳥のフンが多量にある場合は、デッキブラシなどを使ってこすり落とす方法もあります。この場合は、使ったブラシは入念に水洗いし、最後に消毒用アルコールをかけて消毒してください。安価なものなら、使い捨てにしてもよいでしょう。
鳥のフンが外壁につかないための対処法
せっかく掃除をしても、鳥のフンが再び外壁に付着するとまた掃除が必要です。外壁に鳥のフンがつかないようにするには、以下のような方法があります。
- 鳥が来ないように忌避剤※をまく
- 光の反射を利用し、不要なCDなどを鳥よけにする
- 上記のような鳥よけグッズを外壁近くに設置する
- ※忌避剤
- ハトや虫などが嫌うニオイが配合された薬剤
なお、効果が薄い場合は鳥の駆除業者に相談しましょう。
鳥のフンに困ったら、プロに相談しよう
鳥のフンが外壁の広範囲に付着している場合や、時間が経過し取り除きにくい場合は、プロの施工会社に依頼しましょう。鳥のフンの付着状態によっては、外壁塗装や外壁そのものが傷んでいるおそれがあります。
外壁塗装のプロに依頼すれば、外壁をきれいにするだけでなく、修理や予防措置もしてくれるでしょう。外壁の掃除や塗装を行う会社は数多くありますが、一括見積もりサイトを利用することで、簡単に複数社の見積もりを比較できます。
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