外壁塗装工事をどこに依頼するかは、最終的な仕上がりや費用、耐久性にも影響する大事なポイントです。さらにいえば、外壁塗装の事業者選びを間違えると、高額な費用を請求されたり塗装後数年で不具合が発生したり、トラブルにもなりかねません。
しかし、外壁塗装を行っている事業者はさまざまで、大手のハウスメーカーや工務店、リフォーム会社、外壁塗装専門会社など、どこに頼むべきか判断が難しいでしょう。そこで今回は、外壁塗装を頼むならどこがいいのか、いくつかの観点から解説していきます。
外壁塗装の事業者選びに正解はない?
建物は1軒1軒経年劣化の状況や構造、外壁材の種類などが違います。そのため、外壁塗装の事業者選びには、正解がありません。少しでも正解に近づけるためには、どのようなことを考えておけばよいのでしょうか。
外壁塗装の回数を考える
1回目の外壁塗装であれば、建物を建てたハウスメーカーや工務店に依頼するとメリットがあります。
ハウスメーカーや工務店は、建物の構造や使用している外壁材の種類など、建物の細かな仕様を把握しています。そのため、使用している材料や工事中の納め方などから、適切なメンテナンス方法を判断し、対処してくれるでしょう。
また、不具合やトラブルがあれば、ハウスメーカーや工務店の担当者が塗装事業者との間に入ってくれるでしょう。建築後もハウスメーカーや工務店との関係性が良好なら、リフォームなども継続して依頼するとよいかもしれません。
一方で、外壁塗装の施工自体は下請けや協力会社が行うため、費用が高くなりやすいというデメリットもあります。
見積もりの金額を見比べる
外壁塗装の見積金額は、依頼する事業者によって差が出ることがよくあります。
たとえば、外壁塗装専門の会社では自社の職人が塗装を行うことが多いので、余計な費用がかからず、予算を抑られることがあります。また、会社によって広告宣伝にかけるお金に差があり、事業者の規模や立地などによっても、金額に差が出ることがあります。
急いで外壁塗装を決めない
外壁塗装は専門性が非常に高いため、自身でもある程度の情報収集をしておくと判断を間違えにくいです。
注意が必要なのは、営業を受けてすぐに決めてしまうケースです。外壁塗装の場合、外観から必要性が判断できるため、訪問販売やチラシによる営業が行われています。しかし、これらの販促方法から出会った事業者の場合、本当に外壁塗装が必要かどうか、金額が高いのか安いのかなどの判断が困難です。
その場で契約せずにしっかりと時間をとって、見積もり内容や提供元の事業者を確認しましょう。誤って契約してしまうと、クーリングオフなどの制度が適用されず、損をしてしまう可能性もあります。
住んでいる地域の特性を考える
外壁塗装の目的は、外壁の美観の保持や修繕だけではありません。建物全体のメンテナンスも含まれています。そのため、住んでいる地域の特性も踏まえて、塗装事業者を選ぶ必要があります。
地元で多くの施工実績のある塗装事業者であれば、建物のメンテナンス時に注意すべき点を把握しています。ひとつの考え方として、その地域のことを熟知した塗装事業者かどうかというのが、見極めのポイントになるでしょう。
外壁塗装でどこがいいかわからないときのポイントとは
外壁塗装でどこがいいか分からないときには、費用相場や職人の技術力、悪徳事業者でないかなど、見極めのポイントを絞るとよいでしょう。
外壁塗装の相場と比較
外壁塗装は使用する塗料や施工方法によって、ある程度の費用や相場が決まっています。地域や建物の種類によっても異なりますが、まずは、費用相場から大きく離れていないないかどうかを確認することが大事です。
坪数(坪) | 塗装面積(㎡) | 費用相場(万円) |
---|---|---|
20 | 約80 | 50~80 |
30 | 約120 | 70~120 |
40 | 約160 | 90~150 |
60 | 約240 | 140~220 |
80 | 約320 | 170~260 |
100 | 約400 | 230~350 |
相場と合わせて、建物の劣化状態や使用している外壁材などの影響についても見積もり時点で考慮されているか確認しましょう。また、外壁塗装の中の高圧洗浄や下地処理費など、細かな作業が費用に含まれているかどうかもポイントです。
さらに、外壁以外の付帯部分の塗装費用の有無もチェックしておくとよいでしょう。
作業する職人で比較
外壁塗装の最終的な仕上がりの質は、作業する職人の技術力で決まります。そのため、実際に作業する職人が自社の職人なのか、下請けや協力会社なのかどうかというのは、重要なポイントです。
とはいえ、職人の技術力を一般の方が判断することはとても難しいです。
そのため職人の技術力を測るには、塗装技能士などを所持しているかなどを確認するのが一般的です。「一級塗装技能士」ならば、最低でも7年の塗装経験がなければ受験資格が与えられません。事業者の公式ホームページなどで確認をしてみるとよいでしょう。
ただし、外壁塗装工事は、職人が一級技能士を持っていなくても工事を進めることができます。複数の職人で作業する場合には、ベテラン職人と数年の経験しかない職人がチームになって作業することが一般的なので、作業体制全体で見極める必要があります。
悪徳事業者を避ける
外壁塗装を頼む際に避けなければいけないのが、悪徳事業者です。
悪徳事業者は、相場の費用からかけ離れた金額を提示したり、その場での契約を催促したり、お客様目線を持ち合わせていません。
また、より悪質なのはそれを隠している事業者で、たとえば、外壁塗装の見積もりに必要なすべての工事が含めない場合もあります。工事が始まってから追加費用がかかってしまうこともあるので、見積書の内容や費用の詳細には目を通しておきたいところです。
確認が面倒な方は、相見積もりで解決できます。飛び抜けて高い金額を提示してきたり、作業工程に不足がある場合には、その事業者を避けるとよいでしょう。
最適な外壁塗装事業者を見つける方法は?
ここで、外壁塗装に最適な塗装事業者を見つける方法を紹介します。
地元密着の塗装事業者を探す
地元密着の塗装事業者を探すと、よりよい会社が見つかるかもしれません。地元密着の塗装事業者であれば、自宅周辺での施工実績も豊富なことが多く、実際に塗装を依頼した人からの口コミなど、情報収集もしやすい傾向があります。
大手の塗装事業者のような手厚い保証などがない可能性はありますが、その分減額してもらえることもあるので、問い合わせをしてみることをおすすめします。
複数の塗装会社に見積もりを依頼する
最適な塗装事業者を見つけるには、やはり複数の塗装会社に見積もりを依頼することが重要です。
適切な塗装方法や塗料の選択は塗装事業者に一任されることが多いため、見積書にはそれぞれの塗装会社の特徴が多く見られます。塗料のグレードによる費用単価やパック料金ではなく、建物に合わせた見積もりを複数依頼することで、現在の建物の状態に合わせた最適な塗装方法を知ることができます。