外壁塗装をおしゃれにしたい方、人とは違うユニークなデザインにしたい方は、外壁をあえて「でこぼこ」にするのがおすすめです。
外壁をでこぼこに仕上げることで、表面をツルツルに仕上げるよりも意匠や立体感、厚みといった要素を壁に付け加えられます。
そこで本記事では、外壁をでこぼこにするメリットとデメリット、デメリットの対処法を紹介します。具体的な実例や手順、注意点も紹介していますので、外壁のでこぼこ塗装に興味がある方は参考にしてください。
外壁をでこぼこに塗装するメリット、デメリット
でこぼこの外壁塗装には、メリットだけでなくデメリットもあります。外壁をでこぼこにする前に、メリットとデメリット、デメリットの対処法を把握しておきましょう。
なお、施工会社に指示していないのに、外壁塗装がでこぼこになった場合は施工不良の可能性が高いです。塗装の性能が発揮されず、建物に悪影響がでるおそれがあるため、施工会社に相談してください。
メリット
外壁をでこぼこに塗装するメリットは、生活者が快適に過ごせる建物や空間を演出できることです。
たとえば、タイルや塗装をツルツルに仕上げた場合、外壁がスッキリしすぎて近くで視認したときにプラモデルや人工物感が強く、物足りなさを感じる人がいます。
でこぼこ塗装は、高級感やシックなイメージにする際に有効です。その際に、外壁の建材そのものに模様があるものを選ぶのではなく、外壁塗装の段階ででこぼこを作ることで、手軽に壁の厚みや立体感などを生み出せます。
自分好みの意匠を表現することで、外観の優れた部分を前面に押し出せます。
デメリット
外壁をでこぼこに塗装するデメリットは、付着した汚れが落ちにくいことです。特に雨や台風のときなどで外壁に付着した汚れは、でこぼこの溝にたまりやすく、泥汚れの残りが色彩を変えてしまい外観を悪くすることがあります。
さらに、外壁に付着したままの汚れは、コケやカビの原因となり外壁塗装の劣化につながるおそれもあります。
また、施工会社と依頼者のイメージする仕上がりに食い違いが出やすいのもでこぼこ塗装のデメリットです。「でこぼこ」と一言で言っても種類が豊富なため、依頼する側が施工会社に仕上がりイメージを正確に伝えられる知識が求められます。
加えて、費用面についてもでこぼこを仕上げるのに別途費用がかかることがあります。そのため、予算で選ぶ際には吹き付けや仕上げの仕方を区別する必要があります。
対処法
上記のデメリットに対しては、いくつかの対処法があります。まず、汚れに対しては定期的に洗い落とすことで汚れがこびりつくのを防げます。場合によっては専門業者に依頼して汚れを取り除きましょう。
そのうえで、予算に余裕があれば塗料の選択時に汚れの落ちやすい「ラジカル制御型塗料」を使用することです。ラジカル制御型塗料は汚れにくく、耐久性に優れているという特徴があります。
もう一点、想定と異なるでこぼこデザインになって失敗するケースです。その場合は、具体的にでこぼこ塗装の内容を細かく指示して、吹き付け・塗りの方法を指定して対処します。したがって、次の実例で紹介する仕上げのバリエーションを押さえておくのが有効です。
どんな、でこぼこ方法がある?実例紹介
外壁をでこぼこデザインに仕上げる方法は次のとおりです。
- リシン吹き付け
- スタッコ吹き付け
- 吹付タイル仕上げ
- 左官仕上げ
吹付の方法や仕上げ方法によって、家の外観に違いが出ます。以下では、外壁をでこぼこに仕上げる方法を実例を挙げて紹介します。
リシン吹き付け
リシン吹き付けとは、モルタル外壁材にでこぼこをつけて仕上げる手法です。スプレーガンと呼ばれる塗装機材を使って、砂や石を混ぜた
モルタル外壁を仕上げる方法の中でも一般的なため、少し古い建物の外壁表面にある小さなでこぼこをイメージするとわかりやすいでしょう。この細かい壁面の粒を「
リシン吹き付けの耐用年数は7~8年と短く、ひび割れに弱く、しかも防水性能は高くないという弱点があります。その一方で、費用は安く済むため、最低限のでこぼこを仕上げに取り入れたい方におすすめです。
スタッコ吹き付け
スタッコ吹き付けは、リシン吹き付け同様にモルタル外壁材にでこぼこデザインをつける手法のひとつです。「
リシン吹き付けより厚めに塗ったイメージに近く、川が干からびて乾燥した土が形作るでこぼこ模様を思い浮かべると、仕上がり時の理解が早いでしょう。
リシン吹き付けより耐用年数が長く、耐久度も少し高いです。しかも、費用が高価でなく、和式建築だけでなく洋式建築にも適しています。ただし、リシン吹き付けより汚れやすいという欠点があります。
吹き付けタイル仕上げ
吹き付けタイル仕上げは、
名前にタイルとありますが、建材のタイルは貼り付けません。
骨材を入れないためザラザラ感はありませんが、自然なでこぼこ感を作り上げるのに向いています。イメージとしては、大陸地図の島を細かく描いたような、不規則な地形の模様の仕上がりです。リシン吹き付けより防水性能が高く、質感のよい表面が出来上がります。
左官仕上げ
左官仕上げは、専門の職人がローラーやコテといった外壁塗りに必要な道具を使用して、でこぼこ模様に仕上げる方法です。ローラーやコテ以外にも、でこぼこを表現するための刷毛(はけ)を使う場合もあります。
ほかの吹き付け方法に比べて自由度が高く、塗材(漆喰、
でこぼこに塗装する手順と注意点
ここでは、でこぼこに塗装するときの手順と注意点を解説します。
1.外壁塗装の見積依頼
外壁塗装を依頼する際は、まず最初に施工会社へ見積もりを請求します。その際に、どのようなでこぼこの塗装ができて、費用はどれくらいなのか、施工会社に確認することが必要です。特に、塗装前に具体的な料金をチェックします。
手法によって料金体系が変わる施工会社もあるため、希望する仕上がりによっては予算が変わってくるので注意しましょう。
また、左官仕上げを希望する場合は、職人の有無についても確認が必要です。近年は職人が減っており、施工会社に経験豊富な職人がいないケースも考えられます。これらは見積もり前後で施工会社に問い合わせて確認する必要があります。
2.でこぼこイメージ・デザインの共有
見積もりを確認して、予算のイメージを把握したあとは、でこぼこの仕上がりイメージを共有します。施工会社によっては完成図となるデザインを3Dイメージで画像提示して確認を取る場合もあります。
施工会社には得意な仕上げ方法が存在しているため、仕上げの選択肢が絞られる場合もあるでしょう。そのため、施工会社とのイメージ共有は重要な手順です。
施工会社と上手くイメージを共有できないと、完成した外壁表面が想像と異なることがあります。塗装は一度すると修正が難しい場合もあり、自己費用での修復は大きな負担となります。
依頼者は自分の好みのイメージを具体的に言葉にして提示しましょう。
3.施工開始
イメージの共有と日時が決まったら、早速施工が始まります。施工時は、吹き付け手法などを使った場合に周囲に塗材が飛散することがあります。したがって、事前に汚れては困るものは片付けておき、周囲の建物や人が被害を受けないような対策が必要でしょう。
外壁を塗装する場合に共通する注意点としては、人が通れる場所を確保して機材を設置できるスペースを設けることです。住宅の外壁塗装では外壁下の荷物や植物が思わぬ障害となることもあるため、施工前のタイミングで気をつけましょう。
希望どおりのでこぼこを実現するには、施工会社選びが大切
外壁塗装のデザインにこだわり外壁を「でこぼこ」にするなら、でこぼこの完成度を重視したいところです。
しかし、せっかく外壁を自分好みの「でこぼこ」にしようと費用をかけて発注したのに、実際の仕上がりがイメージと違うことも少なくありません。修正をお願いするにしても労力や時間がかかりますし、場合によってはプラスの費用がかかることもあります。
でこぼこの塗装を1回の施工で希望どおりに仕上げるためにも、施工会社は慎重に選びましょう。施工会社を選ぶポイントは相見積もりです。複数社の外壁塗装会社と比較検討し、実際に担当者の話を確認してから施工会社を選べば、失敗のリスクは少なくなるでしょう。
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