マンションの外壁塗装手順を解説。全体の作業期間はどれくらい?

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マンションの外壁塗装手順を解説。全体の作業期間はどれくらい?

マンションの外壁塗装は、戸建て住宅とは異なる手順が必要です。具体的には、どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、マンションの外壁塗装の特徴や工事の手順、全体の作業期間について解説します。

マンションの外壁塗装の特徴

マンションの外壁塗装には、どのような特徴があるのでしょうか。

戸建て住宅との違い

戸建て住宅とマンションとでは、建物の造りに違いがあります。建物の構造体が違えば、外壁塗装を行う際の下地調整にも違いが出ます。

一般的な戸建て住宅では、木造や軽量鉄骨造などの構造が多いです。木造や軽量鉄骨造などの場合は、塗装作業の前に下地調整として、鉄部のケレン作業やサイディングのジョイント部分のコーキング打ち替え、サッシなどの開口部まわりのコーキングの増し打ちなどを行います。

しかし、マンションなどの大型の建築物では、鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造などの構造が多いです。この場合は、塗装作業の前に建物のコンクリートの劣化状況を把握した上で、エポキシ樹脂などによる下地調整を行います。コンクリートを使用したマンションなどでは、経年劣化によって外壁にひび割れやクラックが発生するので、外壁塗装を行う前にそれらの補修を行う必要もあります。これは戸建て住宅ではあまり行われない作業です。

マンション外壁の耐用年数

マンションの外壁の耐用年数は、仕上げに使われている素材の耐用年数に影響されます。

タイル仕上げの場合には、耐用年数は30~40年です。モルタル外壁に塗装仕上げ、といった条件ならば、使用した塗料の耐用年数がそのまま外壁の耐用年数です。

塗料には、耐用年数に応じたグレードがあります。耐用年数の長い塗料は一般的に価格も高いため、マンションの外壁塗装ではコストパフォーマンスの高いシリコン系塗料やラジカル塗料などが使われることが多いです。シリコン系塗料の耐用年数は約12~15年、比較的に新しいラジカル塗料の耐用年数は約15年です。

ベランダ塗装時におけるマンション住人への影響

マンション住人にとってベランダは外部のプライベート空間になっていることが多く、洗濯の物干し場や室内に置けない荷物、鉢植えなどの植栽が置かれています。そのため、ベランダ塗装時にマンションの住人への配慮が欠かせません。

また、ベランダ内の外壁塗装を行う際には、できる限りの荷物の移動を住人の方に行ってもらう必要があります。ベランダで外壁塗装をすることで、荷物に塗料が飛散してしまったり、破損してしまうことを避けるためには、室内に荷物を移動してもらうことが一番効果的です。

ベランダ塗装を行っている期間は、掃き出し窓にも養生を行うため、出入りができません。マンションの住人の方にとっては不便な生活を強いられることになるので、事前に承諾してもらうための告知を行います。

大型のマンションの場合には、階数ごとにベランダ塗装の期間を決めて作業を進めていきます。ベランダ塗装の期間は、マンションの規模にもよりますが約1週間が目安です。

マンションの外壁塗装手順は?

マンションの外壁塗装の具体的な進行手順を紹介します。さらに、これから塗装を依頼するオーナーにとって重要な工期についてもみていきましょう。

塗装の準備や下地調整

マンションの外壁塗装では、塗装作業に入る前に多くの準備や下地調整が必要です。

まず、足場の設置が必要です。大型のクレーン車を使って足場の組み立てをするため、マンションなどの大規模な外壁塗装では、足場の設置にも数日の工期が必要です。

足場の設置が完了した後には高圧洗浄を行います。洗浄面積が広いため複数の高圧洗浄機を同時に使用して作業を行います。マンションの規模によっては2、3日の工期が必要です。

そして、マンションのコンクリートの経年劣化状況にあわせて、ひび割れやクラックの補修を行います。症状が軽ければ、ひび割れやクラック部分に低圧でエポキシ樹脂を注入していきます。外壁材の種類や状態によっては、コーキングの打ち替えを行います。コーキングの打ち替えには約1週間の期間が必要になることもあります。

打ち替え後、コーキングが乾燥してから玄関ドアやサッシなどの開口部まわりの養生を行います。

外壁塗装の手順

外壁塗装ではマンションも戸建て住宅も手順には大きく異なる点はあまりありません

一般的には外壁塗装の作業前に行う下地調整での手順が異なることが多く、塗装作業に関しては通常の3回塗りが基本となります。

階段やホール、廊下などの共用部の塗装を行う際には、ベランダ塗装と同様に事前に告知してから作業します。

下塗り工程では、外壁の仕様にあわせた下塗り材を塗装します。下塗り塗料には、シーラーやフィラーなどを使用することが多く、下地調整で質感が変わってしまった場所には柄付けを行うこともあります。

中塗りと上塗りの工程では同じ塗料を使って2回塗りを行うことが一般的です。

マンションの場合、外壁部分の塗装だけでなく、以下のような箇所に防水塗装などを行うこともあります。

  • 階段やホール、廊下の天井
  • ベランダ
  • 屋上部分

塗装業者だけでなく、下地調整を行う業者や防水業者など多くの業者が同時に作業を進めます。

塗装にかかる期間

マンションの外壁塗装にかかる期間は、規模や外壁塗装を行う塗装面積によって異なります。

戸数が50戸程度であれば、2~3カ月の期間が必要です。50戸以上の場合には3カ月~半年かかることもあります。

また足場の設置から解体までの期間としては、約半年になることも多いです。

外壁塗装のほかにも屋上やベランダの防水工事、タイルの補修工事などさまざまな補修を同時に行い期間を短縮しますが、それでも一定期間はかかると考えておきましょう。

マンションの外壁塗装にかかる費用

マンションの外壁塗装では、どれくらいの予算をみておけばよいのでしょうか。また、コスト抑えるためのポイントはあるのでしょうか。

塗装費用はどれくらい?

マンションの外壁塗装で必要な塗装費用は、シリコン系塗料やラジカル塗料を使用した場合で、1平米あたり2,300~3,000円です。

マンションの形状や規模によっても異なりますが、3階建てや4階建てのマンションの塗装面積は800~1000㎡、5階建て以上のマンションとなると1500㎡超の塗装面積になることもあります。

平米単価に面積をかけあわせれば、マンションの外壁面積が1,000㎡なら230~300万円が塗装費用(塗料代)として必要です。

外壁塗装を行うには、以下のような費用も必要になるので、その分も加算する必要があります。

  • 足場の設置費用
  • 養生費用
  • コーキングの打ち替え費用
  • 管理費用

事業者によって異なるところでもあるので、見積もりをもらうとよいでしょう。

外壁の補修費用はどれくらい?

総費用については、マンションの大きさや規模、劣化状況によって影響を受けるため、一概に言うのは難しいところです。

外壁の補修費用の目安
補修方法 劣化状況 補修費用の目安(円)
エポキシ樹脂の低圧注入 コンクリートなどのひび割れやクラック 4,000(1mあたり)
Uカットシーリング工法 1.0mm程度のひび割れやクラック 2,000~2,500(1mあたり)
エポキシ樹脂アンカーピンニング工法でコンクリートの落下を防ぐ モルタルの浮きや剥がれ 5,000~8,000(1平米あたり)

補修を行った部分には、補修でできた凹凸が残ってしまうことがあるので、パテによって平滑にする作業も必要です。下地が整っていない場合には、左官工事によるモルタル下地の調整なども行います。

マンションの外壁塗装費用を抑えるコツ

費用を抑えるための最も有効な方法が、相見積もりです。複数の塗装事業者に相談をすれば、相場がわかるだけでなく情報収集にもなり、コストを抑えるためにできることもみえてきます。

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