ジョリパットは外壁塗装で使われる塗材のひとつです。多くのデザインやカラーが選択できるので、自分好みのおしゃれな外壁にできるのが人気の理由です。
本記事では、ジョリパット外壁の塗り替えが必要な劣化症状や具体的な塗装方法を解説します。塗り替えにおすすめの塗料も紹介します。
ジョリパット外壁の特徴
ここでは、ジョリパットを使った外壁の特徴を具体的に解説します。
ジョリパットとは
1975年に発売されたアイカ工業株式会社のオリジナル商品で、外壁の仕上げに使われる塗材です。
- ひび割れしにくい
- 色あせしにくい
- 燃えにくい
上記などの機能を備えた商品が多く、外装から内装までさまざまな場所で使用されています。
140種以上のカラーバリエーションと100種類以上のデザインがあり、選ぶ楽しさがあるのも大きな特徴です。
外壁の見分け方
自宅の外壁にジョリパットが使われているかどうかを見分けたいときは、以下の点をチェックしてみましょう。
- 手触り
- コーキングが見えない
- 艶がない
ジョリパットは、砂や樹脂を混ぜ合わせて作った塗材です。そのため、塗り壁調のザラザラした仕上がりとなります。乾燥すると、通常の塗り壁とは異なり肌の荒い石材のような触り心地の材質です。
また戸建て住宅の場合は、サイディングの上に塗装するケースが多くあります。
サイディングの継ぎ目に施工するコーキングの上にジョリパットを塗装すると、コーキングが見えず、すっきりとしたデザインになります。
また、艶を抑えた落ち着きのある風合いが好きな方にもおすすめの塗材です。
劣化症状
ジョリパットを使った外壁が劣化したかどうかは、見た目に現れるため、一般の方でも簡単に判断できます。
年数を追うごとに、以下の劣化症状が発生します。
- 色あせ
- 水の吸い込み
- カビの発生
- ひび割れ
上から下に向けて、劣化症状が進んでいる証拠です。色あせやカビなどの汚れが目立つようになったタイミングで塗り替えを検討するのがよいでしょう。
また、劣化症状に合わせて耐用年数を把握しておけば、適切なタイミングで塗り替えを実施できます。
外装用ジョリパットのスタンダードタイプは、アクリルシリコン樹脂を主成分とし、防カビ、防藻材を添加した塗材です。
文部科学省「第2章 長寿命化改修各論~耐久性向上編~(2)」によると、アクリルシリコン樹脂の耐用年数はフッ素樹脂より低いものの、約12〜15年です。
比較的高い耐用年数に加え、フッ素樹脂よりも低コストで手に入るため、近年の住宅業界で広く採用されている材料です。
ジョリパットもアクリルシリコンを使用していることから、同等程度の耐用年数を備えていると期待できるでしょう。
塗装方法
ジョリパットの塗り替え方法について、費用や手順、注意点を説明します。
費用
ジョリパットの塗り替えにかかる費用は、1平方メートルあたり約2,000〜4,000円です。
ただし実際の塗装工事は、さらに以下の費用がかかります。
項目 | 円(1平方メートルあたり) |
---|---|
足場設置費 | 1,000〜2,000 |
高圧洗浄費 | 300 |
クラックなどの外壁補修費 | 1,000〜2,000 |
養生費 | 200 |
これらの費用はあくまで目安です。実際の塗装費用は施工会社へ見積もりを依頼して確認しましょう。
塗装の手順
塗装手順は、4つの工程に分かれます。
- 高圧洗浄
- ひび割れ補修、劣化塗膜除去
- シーラー材塗布
- 下塗りと上塗り
高圧洗浄
はじめに、高圧洗浄で外壁表面のカビやコケなどの汚れを洗い落とす作業をします。カビやコケが外壁に残っていると水分が残りやすく、施工不良を起こすおそれがあります。
ひび割れ補修、劣化塗膜除去
高圧洗浄後は、外壁の劣化に合わせて補修作業や塗膜除去作業を行います。劣化塗膜やひび割れをそのままにして塗装すると、塗装後に塗膜の膨れやひび割れが発生するおそれがあります。
専門家の目で判断して、ひとつひとつ丁寧に補修と除去の作業を進めます。
シーラー材塗布
シーラー材とは、下塗り材の一種で、塗装の仕上がりをよくするために通常の塗料を塗る前に使用します。
シーラー材を塗布しておくと、そのあとに塗る塗料の接着性が向上します。
下塗りと上塗り
下塗りと上塗りの施工方法は、以下のように使用する塗料によってさまざまです。
- ローラーを使用する
- コテで仕上げる
- 上塗りだけで完結する省施工タイプ
自分がどのような仕上げにしたいかで下塗り材と上塗り材は違います。
注意点
ジョリパットは、気温が5~35℃の状態で施工する必要があります。
施工中に塗料が高温になると、ムラや塗料の膨れ、乾燥条件の違いによる仕上がり不良が発生するおそれがあります。
なお、寒冷地仕様のノンフリーズシリーズの最適な施工の温度は-6〜10℃です。
さらに、下地が乾燥しているかどうかに注意しましょう。
乾燥が不十分な状態で施工を進めてしまうと、下地に含まれた水分の逃げ場がなくなり、塗料が膨れたり、剥離したりといった不具合が発生します。そのため施工前に雨が降った場合は、下地が乾燥するまで施工を控えるなどの対応が必要です。
ジョリパットの塗り替えに使う塗料の選び方
ここでは、ジョリパットの塗り替えに使う塗料を選ぶ際のポイントとおすすめ塗料を紹介します。
専用の塗り替え塗料を選ぼう
ジョリパットの塗り替えには、専用の塗料を使用することをおすすめします。その理由は、一般的な外壁塗料とは雨水に対する性質が大きく異なるためです。
一般的な外壁に使われる塗料は
そのため、ジョリパットの上に一般的な塗料を塗装すると、それぞれの性質が混在してしまいます。これが原因で、塗膜の膨れや剥がれが発生するかもしれません。
リスクを避けるために、ジョリパットの塗り替えは専用の塗料を選びましょう。
艶ありか艶なしを選ぼう
塗料の種類によって、艶ありか艶なしが選べます。艶の有無で家全体の雰囲気が大きく変わるため、しっかり考えて選びましょう。
風合いを残したいのであれば艶なしを、サイディングのようなツルッとした風合いに変えたいのであれば艶ありを選ぶとよいでしょう。
おすすめの塗料
ここでは、ジョリパット外壁の塗り替えにおすすめな塗料を3つ紹介します。
アイカ工業株式会社「ジョリパットトップシリコーン」
アイカ工業純正の改修用塗料で、以下の特徴があります。
- 高耐候、防藻、防カビ、低汚染性で長持ち
- 艶あり、半艶、艶なしの3種類から選択可能
- 純正ならではの豊富なカラーバリエーション
特におすすめできるポイントは、艶の度合いを選べることと、豊富なカラーバリエーションがあることです。
カラーバリエーションは140種以上あるため、外壁を自分のイメージ通りの色に仕上げられます。
参考:アイカ工業株式会社「改修用トップコート・ジョリパットトップシリコーンチラシ」
ジョリパット系外壁専用の塗料
商品名 | メーカー |
---|---|
アートフレッシュ | エスケー化研株式会社 |
グラナダフレッシュ | 菊水化学工業株式会社 |
上記2つは社外製ですが、ジョリパット系外壁専用の塗料です。この2つの塗料は、以下の特徴が似ています。
- シリコン樹脂製と光安定剤によって高耐候
- 透湿性の塗料
- 微弾性で追従性が高い
どちらも独特の風合いを残して施工が可能な艶なしタイプの塗料です。
塗装実績が豊富な施工会社に依頼しよう
ジョリパットの塗り替えは、材質の特性を理解した施工会社に依頼をしましょう。
経験がある会社と経験がない会社では、仕上がりに大きな差が出るでしょう。
とはいえ、ジョリパットの塗装経験が豊富な施工会社を自分の足で探すのは、手間と時間がかかります。
そこで、外壁塗装の一括比較サイト「ぬりマッチ」を利用しましょう。ぬりマッチは、簡単な情報を一度入力するだけで、複数の施工会社に塗装の見積もり依頼ができます。
複数の提案を比較して、信頼して任せられる施工会社を選びましょう。
まずは塗装をしたい外壁に、ひび割れや白い粉が出てくるチョーキングの症状がないかを自分の目で確認してください。それが確認できたら、早速ぬりマッチを利用しましょう。
ジョリパットの塗装に関するよくある質問
- ジョリパットとは?
- 1975年に発売されたアイカ工業株式会社のオリジナル商品で、外壁の仕上げに使われる塗材です。ひび割れや色あせが発生しにくいなどの機能を備えた商品が多く、外装から内装までさまざまな場所で使用されています。
- ジョリパットの塗り替えに使う塗料は?
- 専用の塗料を使用することをおすすめします。風合いを残したいのであれば艶なしを、サイディングのようなツルッとした風合いに変えたいのであれば艶ありを選ぶとよいでしょう。