「外壁の一部にキズやひび割れが…」。 そんなとき、気になる部分だけDIYで補修できたら費用を抑えられますよね。しかし、外壁の部分塗装を自分でするには、相応のデメリットがあります。
そこで、本記事では外壁を部分塗装する際のメリットやデメリット、確認したいポイントをお伝えします。併せて、塗装にかかる費用を抑えるポイントも紹介しますので、参考になれば幸いです。
外壁の部分塗装とは
外壁の部分塗装は、単に塗料を塗って終わりではありません。部分塗装とは、塗装前に外壁の劣化部分を補修してから、塗装することです。
部分塗装の流れや補修費用
自分でDIYする場合でも、施工会社へ依頼する場合でも、一般的な部分塗装の流れは同じです。
1.近隣住民に「部分塗装」について告知する
部分塗装する際は、作業時に騒音が出たり周りに塗料やホコリが舞ったりするおそれがあります。近隣住民からの理解を得るために、必ず事前に挨拶しておきましょう。
なお、DIYの場合は自分で挨拶する必要がありますが、施工会社に依頼する場合は会社のスタッフが挨拶してくれます。
2.足場を設置する
作業時に必要な足場を設置しましょう。なお、足場の設置は自分でできないので施工会社へ依頼する必要があります。
3.下地処理する
下地処理とは、塗料の耐久性を高めるために行う作業のことです。また、下地処理には外壁の劣化を補修する作業も含まれます。
外壁の劣化部分を「どう補修するか」は、外壁の状態や塗装する範囲により異なります。
具体的な補修方法や費用の目安については、下記の表をご確認ください。
状態 | 対策 | 内容 | 費用相場(円)/㎡(平方メートル) |
---|---|---|---|
ひび割れ | コーキング(シーリング)材の使用 |
外壁と外壁の隙間を埋める | 1,700~2,500 |
鉄、金属部分のサビや汚れ | ケレン作業 | 塗装前に表面をキレイにし、塗料の密着度を高める | 200~2,000 |
カビやコケなど | 高圧洗浄※1 | 外壁に付着した汚れやカビ、コケなどを取り除く作業 | 100~300 |
チョーキング※2 | 塗装 | 高圧洗浄で粉を洗い流し、そのうえに塗装する | 1,700~5,000 |
- ※1 高圧洗浄
- 高圧洗浄せずに塗装した場合、塗装による効果が薄れてしまったり、塗装後の見た目に悪影響が出たりします。
- ※2 チョーキング
- 触れると、白いチョークのような粉が付く状態のことです。
5.塗装しない部分を保護する
塗装前に、周りに塗料や汚れが付着しないよう塗装しない面を覆いましょう。できれば、養生シートと呼ばれる工事の際に使う専用のシートが望ましいです。
業者に依頼する場合は、下記のような養生シートが張られるのが一般的です。DIYの場合は、ブルーシートなどで代用することもできます。
6.外壁を下塗りする
通常、外壁の塗装は3回に分けて行います。
最初に行う1回目は、「
- 外壁材と塗料の粘着力が高まる
- 塗料が外壁材に吸い込まれ、色ムラができるのを防ぐ
7.下塗り後に中塗り、上塗りする
下塗り後に塗装することを「
下塗り後に仕上げとしてしっかり2回重ね塗りすることで、外壁の見た目を整える効果があります。
8.足場を解体する
最後に足場を解体し、現場をキレイに片づけましょう。なお、足場の設置と同様に解体も施工会社へ依頼する必要があります。
部分塗装は外壁全体の劣化を防げない
部分塗装の目的は、すでに発生している外壁の劣化を改善することです。つまり、これから劣化する箇所に対しては予防できません。
部分塗装を検討中の方は、下記のようなデメリットを理解しておきましょう。
- 部分塗装していない箇所は、劣化の予防ができない
- 点検しなかった場合、外から見える部分しか補修できない
- せっかく部分塗装で補修しても、時間がたつと別の部分が劣化し、再度塗装する必要がある
- 外壁が劣化するたびに塗装するので、ランニングコストがかかる
なお、外壁の塗装は使う塗料によって効果の持続期間が異なります。部分塗装をすべきかの判断目安として、以前に使った塗料の耐用年数を確認しましょう。
以前に使った塗料の製品がわかる方は、塗料メーカーのホームページから確認できます。
わからない方は、塗装工事をした「施工会社の書類を確認」するか「施工会社へ問い合わせ」ましょう。
下記は、基準となる塗料の耐用年数です。製品によって異なるため、参考情報としてご確認ください。
塗料の種類 | 耐用年数(年) |
---|---|
アクリル系 | 4~7 |
ウレタン系 | 6~10 |
シリコン系 | 8~15 |
ラジカル系 | 8~15 |
ピュアアクリル系 | 12~15 |
フッ素系 | 15~20 |
セラミック | 10~15 |
光触媒 | 10~15 |
遮熱系 | 15~20 |
すでに耐用年数を過ぎている場合、外から見える部分だけでなく、住宅の中も劣化しているおそれがあります。たとえいま劣化していなくても、多くの場合は外壁全体に対し補修が必要です。
全面塗装は長期的に見るとメリットが大きい
外壁の塗装方法は部分塗装だけではありません。外壁全体を塗装する全面塗装もあります。
部分塗装を検討中の方は全面塗装と比較したうえで、どちらを採用するか判断しましょう。下記で、部分塗装と全面塗装のメリットをそれぞれ紹介します。
費用を減らしたい方は部分塗装
部分塗装のメリットは、大きく分けて下記の2つです。
費用が安い
部分塗装の最大のメリットは費用が安いことです。塗料を使う範囲が「劣化部分のみ」と限られているためです。外壁全体に塗料を使うのに比べ、費用を低く抑えられます。
工期が短い
さらに、工期が短いのもメリットです。外壁の塗装は1回で終わりません。二度三度と重ね塗りをすると、塗装の効果を高められます。部分塗装の場合、一部分のみの塗装のため塗装した箇所が乾くのも早く、工期を短くできます。
仕上がりや耐久性を重視したい方は全面塗装
全面塗装のメリットは、大きく分けて下記の4つです。
見た目のバランスを統一できる
メリット1つ目は、見た目のバランスを統一できることです。全体を一気に塗装するため、きちんとした施工会社に頼めば色ムラが出ません。
外壁全体の傷みや劣化を予防できる
メリット2つ目は、外壁全体の傷みや劣化を予防できることです。外壁は紫外線や風、雨に触れると、徐々に劣化していきます。
気づかず放置するとカビやシロアリが発生するおそれがあります。劣化する前に全面塗装で予防しておけば、二次被害を防げます。
足場の設置費用を節約できる
メリット3つ目は、足場の設置費用を節約できることです。塗装する際には、危険防止のために足場を設置する必要があります。
足場の設置にかかる費用は、2階建て住宅の場合で約10~20万円が目安です。塗装のたびに設置費用が必要な部分塗装に比べると、トータルの費用を抑えられます。
メンテナンス時期を統一できる
メリット4つ目は、メンテナンス時期を統一できることです。部分塗装で補修した箇所と補修しなかった箇所とでは、適したメンテナンスの時期に差が出ます。全面塗装であれば、メンテナンス時期が同じなので工事時期や工事回数を統一できます。
リスクを最小限に抑えるなら、専門家に依頼しよう
塗装を自分ですると、作業の手間はかかりますが人件費分をカットできますよね。ただし、自分で作業する分、作業中にケガをしてしまうおそれがあります。
また、DIYの場合近隣トラブルのリスクもあります。作業中に塗料が飛んで、近隣住民の住宅や車に付いてしまったら大変です。修理費用として費用を負担しなければいけませんし、近隣住民との仲も悪くなってしまうかもしれません。
安易に経験のない方が塗装作業するとトラブルになってしまうので、できれば作業はDIYではなく施工会社に頼みましょう。適切な施工会社に頼むことで、近隣トラブルを防げます。また、万が一トラブルが発生した場合でも、施工会社に責任を追及できます。
全面(部分)塗装で費用を抑えるポイント2選
自分でDIYしなくても、塗装の費用は抑えられます。 下記では、費用を抑えるポイントを2つご紹介します。
相見積もりで施工会社を比較する
相見積もりとは、最低2社以上の施工会社から工事の見積書を提示してもらうことです。同じ条件であっても施工会社により価格設定は異なります。最初から1社に絞らず、他社と比較検討したうえで、施工会社を選びましょう。
なお、見積金額が安すぎる施工会社は下記のようなリスクがあります。
- 依頼主に知らせないで、効果の薄い塗料を使う
- 作業時、塗料が飛び散るのを防ぐ養生シートを設置しない
- 見積後、依頼主に追加費用を請求する
施工会社を選ぶ際は、価格以外にも作業を行うスタッフの経験値や担当者の対応の仕方なども確認しましょう。
補助金・助成金を利用する
利用すると塗装にかかる費用を一部支給してもらえます。ただし、「市税に滞納がないこと」「今後も住宅に住み続けること」といった、条件を満たす必要があるので注意しましょう。
また、補助金の場合は年度ごとに地方公共団体(自治体)の予算を設定しているケースがあります。申請者が多い場合は、先着順や抽選となる場合があるので、覚えておきましょう。
支給金額の平均は約10~30万円です。条件は地方公共団体によって異なるので、気になる方は「お住まいの地域(例:東京都大田区)外壁塗装 補助金」といったワードで検索してみてください。
なお、下記では外壁塗装に使える補助・助成制度を紹介しています。併せてご確認ください。
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