外壁塗装では、契約前から工事完成後までに、いくつか注意すべきポイントがあります。それらを把握していなければ、事業者選びや契約、工事、出来栄えなどで失敗したと感じる可能性が高いです。
そこで今回は、外壁塗装の注意点について徹底解説します。外壁塗装で失敗したくない人はぜひ参考にしてください。
外壁塗装の契約前後の注意点は?
外壁塗装は、契約の前と後で注意すべきポイントが異なります。具体的に、どのような違いがあるのかみていきましょう。
事業者を選ぶ際の注意点
外壁塗装を依頼する事業者選びの際の注意点は、以下の3つに分けられます。
費用
一般的な塗料を使用した場合、費用には目安となる相場があります。もし費用相場からかけ離れた見積もり金額を提示する事業者があれば、注意が必要です。
ただし、事業者の中には自社開発したオリジナル塗料を使って外壁塗装を行う場合もあります。オリジナル塗料の費用に関しては比較検討することが難しいこともあります。
施工実績や所持資格
事業者の施工実績や、作業を行う職人が持っている資格についても確認したほうがよいでしょう。優良事業者ならば多くの施工実績があり、作業する職人に一級塗装技能士などがいることが多いため、適切な塗装を行ってくれることに期待できます。
なお、事業者の中には実際の施工は下請けの職人が作業するケースもあります。工事内容や施工方法が伝わりにくいこともあるため、自社の職人が施工する事業者を選んだほうがよいでしょう。
保証やアフターフォロー
外壁塗装では、施工直後よりも数年後に不具合やトラブルが発生することが多いです。事業者によって塗膜の保証やアフターフォローの有無が異なるため、事前に確認しましょう。
契約する前の注意点
事業者と外壁塗装の契約をする前には、以下の3点に注意しましょう。
見積書の確認
外壁塗装の契約前に、見積書を確認しましょう。複数の事業者から同じ条件で見積書を出してもらうことで、比較検討がしやすくなります。
また、見積書の明細に、屋根や外壁などのほかに破風や鼻隠し、雨樋といった付帯部分の塗装が含まれているかどうかなどをチェックしましょう。
塗料の種類を理解する
外壁塗装に使われる塗料にはさまざまな種類があります。契約前になぜその塗料を使うのかをしっかりと理解することが大事です。
経年劣化の状態によって、メンテナンスに適した塗料は変わってきます。また、塗料の耐用年数やセルフクリーニングなどの機能性について、詳しく説明してもらいましょう。
過度な値引きには注意
塗装事業者が、外壁塗装の契約をしてもらうために過度な値引きを行うことがあります。数十万円単位の値引きには注意しましょう。
また、外壁塗装に必須の「足場工事費サービス(無料)」にも注意が必要です。足場を無料にできるということは、足場代以外の項目で十分な利益を得ているため、実際には何もサービスされていません。
事業者との契約時の注意点
外壁塗装の契約時には、契約後の作業を円滑に進めるための注意点が多くあります。契約前の最後の交渉の場でもあるので、不安な点については納得いくまで説明をしてもらいましょう。
外壁塗装の工期や工程
契約時には外壁塗装の工期や作業工程を確認しましょう。外壁塗装は工期が伸びるほど足場の設置期間も長くなり、日当たりや換気の悪化により、施主の負担が増えてしまうからです。
また、工事中は足場が設置されるため、通常よりも防犯面での対策も必要です。そのあたりの対策が十分かどうかも確認しておくとよいでしょう。
また、契約後すぐに外壁塗装の工事が始まるとは限らないので、工事の開始時期の確認も大切です。
「春先に契約してすぐに工事をしてもらえると思っていたのに、実際には真夏の暑い時期に工事を行うことになった」などのトラブルもあるので注意しましょう。
費用の支払い方法
契約時に、代金の支払い方法を確認しておきましょう。一般的には、工事が完了してから全額を支払うことが多いですが、中には着手金や中間金を求める事業者もいます。
なお、工事前に費用の全額を求める事業者の場合には、支払い方法を変更してもらうなどの対策が必要です。また支払い方法として現金や振込のほかにクレジットカード決済が可能かどうかも確認しておいたほうがよいでしょう。
トラブルが起きた場合の対処方法
万が一のトラブルが起きた場合の対処方法にも注意が必要です。
外壁塗装では、仕上がりの良し悪しのほか、完成イメージの違いなどが原因でトラブルに発展することがあります。トラブルが発生した際の対処方法や費用負担などを契約時に確認することが大事です。
工事前の挨拶まわり
外壁塗装の期間中は近隣の方に迷惑をかけることがあります。工事前の挨拶まわりを事業者と契約者のどちらが行うのか、もし一緒に回るのであれば、その際の日時などを確認しておくとよいでしょう。
外壁の塗装作業中の注意点は?
外壁の塗装作業中は、依頼した工事内容に沿って進められているか確認する必要があります。外壁の塗装作業中の注意点について解説します。
実際の工程を確認する
外壁の塗装作業中は、予定している工程通りに作業が進められているかチェックしておきましょう。
また、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りで仕上げられているかなども確認する必要があります。中塗りと上塗りの工程で同じ塗料が使われる場合には、塗装が完了した後では、工程通りに作業が進められたかどうか確認するのが難しくなるので、塗装作業中に確認しましょう。
作業内容を確認する
工程通りに作業を行っている場合でも、外壁の塗装作業中には、使われている塗料の種類や、メーカー推奨の希釈率が守られているかなどを確認する必要があります。
希釈率が守られているかどうかは、計量カップや計りを使用しているかどうかで確認できます。
塗装作業中は在宅が必要?
外壁の塗装作業中は基本的に在宅の必要はありません。外壁や屋根などの外部の作業が多いので、不在でも作業を進めることができます。
ただし、建物に足場が設置されているため2階の窓などから簡単に出入りが可能になります。外出する際には建物全体の施錠を必ずしてください。
外壁塗装で失敗しないための心得とは
外壁塗装は一般的な戸建住宅で100万円前後の費用が必要といわれています。大きな金額が必要になる外壁塗装で失敗しないための心得を紹介します。
外壁塗装について知識を増やす
外壁塗装は職人が作業する、専門的な工事です。しかし、外壁塗装で失敗しないためには、依頼する側もある程度の知識を持っておく必要があります。
今はインターネットがあるので、費用相場や塗料に関する知識なども簡単に入手できます。専門家のように詳しくなる必要はありませんが、知識を増やすことで怪しい事業者からの営業をかわすことができます。
複数の見積もりを比較検討する
外壁塗装を検討する際には、複数の事業者から見積もりをもらいましょう。
相場はあくまでも一般的な金額です。建物の経年劣化は、立地や使用されている外壁材などのさまざまな要因によって異なるため、現在の建物の状況に合わせたメンテナンスが必要です。
複数の事業者の見積もりを比較検討することで、最適なメンテナンス方法を知ることができます。
信頼できる事業者に依頼する
外壁塗装で失敗しないためには、信頼できる事業者に依頼することが大事です。
費用を抑えられても、適切な工程で作業を進めなければ耐用年数は短くなります。高性能な塗料を選択しても、メーカーが推奨する方法を守らなければ塗料本来の性能を発揮することはできません。外壁塗装を依頼する事業者を信頼できるかが重要です。