金属サイディングの種類と特徴|メリットとデメリット、窯業系との違い

更新日:
金属サイディングの種類と特徴|メリットとデメリット、窯業系との違い

金属サイディングは金属でできた外壁材のことです。金属でできているため耐久性が高いのはもちろん、断熱性能、耐凍害性能などにも優れています。その一方でサビやすいという欠点もあります。金属サイディングとはどういった外壁材なのか詳しく解説していきます。

金属サイディングとはどんな外壁材?

金属サイディングとは表面にメッキ塗装された金属板を使い、芯材に断熱材を使用した外壁材です。耐用年数と断熱性能が高いため金属サイディングは人気があり、その特徴から外壁リフォームで需要の高い外壁材です。

金属サイディングの特徴

金属サイディングには、次の特徴があります。

  • 軽量
  • 断熱性能が高い
  • 耐凍害性能に優れる
  • ひび割れ、欠けが発生しない

それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。

軽量

金属という名前から重い印象を受けますが、金属サイディングは軽量な外壁材です。新築でよく使われる外壁材に窯業系サイディングがありますが、重さを比較すると約3分の1の軽さです。

建物への荷重も少なく、地震の揺れを軽減できるので、耐震性に優れるともいえます。

断熱性能が高い

金属サイディングは、断熱性能が高い外壁材です。芯材に断熱材が使われているため、同じ厚さの窯業系サイディングと比べて熱伝導率は約5倍低いという特徴があります。夏の暑さ、冬の寒さを緩和できる外壁材です。

外壁材によっては、断熱材が芯材ではないものがあるため、選ぶときには気をつけてください。

耐凍害性能に優れる

金属サイディングは、外壁を劣化させる凍害に対応できます。凍害とは外壁材が吸水した水分が寒い日に凍って外壁材を膨張させ、温まると水分が溶けて収縮する現象のことです。膨張と収縮を繰り返すことで、外壁材がボロボロになっていきます。

金属サイディングは、窯業系サイディングやモルタル仕上げの外壁材と違い、表面が金属で吸水しないため凍害が起こらないのです。

ひび割れ、欠けが発生しない

金属サイディングは、経年劣化によるひび割れや欠けが発生しない外壁材です。表面が金属製でひび割れや欠けが起こらないため、外観を長い期間きれいに保てます。

金属サイディングのメリットとデメリット

金属サイディングの特徴を知ったところで、メリットとデメリットについて紹介していきます。

メリット

金属サイディングには、次のようなメリットがあります。

  • コストパフォーマンスが高い
  • 耐震性が高い
  • 防音性が高い
コストパフォーマンスが高い

施工性の高さが金属サイディングのメリットです。窯業系サイディングに比べて軽量で加工しやすいため、同じ面積であれば工事費を抑えられます。機能性の高さと工事費を考えると、コストパフォーマンスが高い外壁材です。

耐震性が高い

金属サイディングは、重さが窯業系サイディングの3分の1程度しかありません。外壁材が軽いとそれだけ建物にかかる荷重も減るため、地震による揺れの影響を受けにくくなります。耐震性が高いうえに、地震によるひび割れの心配もありません。

防音性が高い

断熱材と一体になっている金属サイディングを屋根に使用すると、雨音が低減したという外壁材メーカーによるデータがあります。金属サイディングは使い方によって防音性を高められるのです。

デメリット

逆に次のようなデメリットがありますので、金属サイディングの利用を検討している方はご注意ください。

  • サビが発生しやすい
  • 傷つきやすい
  • デザインが限られる
サビが発生しやすい

金属サイディングには、サビが発生しやすいというデメリットがあります。金属サイディングの表面は、合金やサビを防ぐための塗膜が施されていますが、経年劣化によってサビの発生は避けられません。

海が近い地域であれば、塩分を含んだ風による影響(塩害)によってサビが発生することもあります。

傷つきやすい

金属サイディングは先のとがったものが当たったり、小石が飛んできたりしただけでも傷がつくことがあります。傷ついた箇所は塗膜ががれた状態になるため、サビが発生する原因にもなります。

デザインが限られる

窯業系サイディングと比べると、金属サイディングはデザインのパターンがあまりありません。金属質な外観が苦手な方には、向かない外壁材です。金属を加工する必要から板金工事業者でないと施工できないため、対応できる施工会社も限られます。

お気軽にお問い合わせくださいね。

今すぐ無料相談する

今すぐ無料相談する

金属サイディングの種類と特徴を比較!

金属サイディングには、表面に使っている素材にいくつかの種類があります。金属サイディングで使用されている素材とその特徴について解説します。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とはアルミニウム亜鉛あえん合金めっき鋼板のことで、アルミニウムを55%含んだめっき鋼板です。亜鉛の防食作用に加えて、アルミニウムの耐久性を併せもつ優れた鋼板です。

塗装溶融亜鉛とそうようゆうあえんめっき鋼板

スチール鋼板に亜鉛を溶融めっきしたものが、溶融亜鉛めっき鋼板です。それに焼き付け塗装を施したものが、塗装溶融亜鉛めっき鋼板です。亜鉛は鉄よりサビやすい素材で、亜鉛がサビるまで鉄がサビないという犠牲防食ぎせいぼうしょくという作用を活かしています。ガルバリウム鋼板と比べると耐久性は劣ります。

溶融めっき
高温で溶かした金属のなかに鋼板を漬けるめっきの方法のこと。

アルミニウム合金塗装板

アルミニウム合金塗装板は、アルミニウム鋼板に塗装が施された素材です。ガルバリウム鋼板がスチール鋼板に塗装を施しているのに対し、サビにくいアルミニウム鋼板を使用しているため耐久性やメンテナンス性に優れています。ガルバリウム鋼板に比べ、費用が高い傾向があります。

塗装ステンレス鋼板

塗装ステンレス鋼板は、ステンレス鋼板に塗装が施された素材です。ステンレス鋼板を使っているため優れた耐食性があり、非常にサビにくい特徴を持ちます。加工のしやすさにも優れます。

ガルバリウム鋼板と比較すると高価な外壁材になりますが、耐久性を考慮すると長期的なコストはそれほど変わらない可能性があります。

金属サイディングを比較

それぞれの金属サイディングの素材の特徴をまとめると、次の表のようになります。

金属サイディングの種類
種類 特徴
ガルバリウム鋼板 スチール鋼板にアルミニウムを含んだめっき塗装を施した金属を使用。耐久性・耐食性に優れる
塗装溶融亜鉛めっき鋼板 スチール鋼板に亜鉛の溶融めっきを施した金属を使用。ガルバリウム鋼板に比べ耐久性・耐食性に劣る
アルミニウム合金塗装板 アルミニウム鋼板に塗装を施した金属を使用。耐久性・メンテナンス性に優れる。ガルバリウム鋼板と比較して高価
塗装ステンレス鋼板 ステンレス鋼板に塗装を施した金属を使用。耐食性に優れる。サビにくい。ガルバリウム鋼板と比較して高価

金属サイディングと窯業系サイディングの違い

新築住宅でよく使われている窯業系サイディングと金属サイディングの違いを見ていきましょう。窯業系サイディングとは新築住宅の7割で使用されているポピュラーな外壁材で、セメントと繊維などを板状に形成したものです。

金属サイディングと窯業系サイディングの違いをまとめると次のようになります。

金属サイディング・窯業系サイディングの比較
  金属サイディング 窯業系サイディング
デザイン性
耐火性
防水性
メンテナンス性

それぞれの特徴について、金属サイディングと窯業系サイディングを比較していきます。

デザイン性

デザインの豊富さは、窯業系サイディングに分があります。窯業系サイディングは、木目柄やタイル柄など多くの柄があり色も豊富なため、好みに合ったデザインのものを選べます。

耐火性

耐火性は窯業系サイディングが優れています。窯業系サイディングは、建築基準法に基づいた防火性能試験を受け、不燃材料や準不燃材料として認められた外壁材です。

耐火等級3~4級の認定を受け、火による熱を40~60分もさえぎる性能を持つ製品もあります。

防水性

防水性で見ると金属サイディングが優れています。金属サイディングは表面から吸水しないため、塗膜が劣化すると表面から水が染み込む窯業系サイディングと比べ、防水性が高いです。

メンテナンス性

メンテナンス性は金属サイディングが優れていて、なかには耐用年数が30~40年という製品もあります。また、金属サイディングはひび割れが発生しにくい素材のため、メンテナンスにかかる費用を抑えられます。

金属サイディングを選ぶポイント

金属サイディングには前述したように表面の素材の違いにより、いくつかの種類があります。自分に適したものを選ぶには、次の4つの基準で判断するとよいでしょう。

価格の安さで選ぶ

金属サイディングは他のサイディング材と比較して低価格であることが多く、安いものであれば1㎡あたり4,000円前後、平均的なものであっても6,000~9,000円/㎡程度が目安です。

一方、同じ金属サイディングでも、ステンレス鋼板やアルミニウム合金のサイディングは、1㎡あたり10,000~18,000円程度と非常に高価です。

したがって特にこだわりがなく、費用をできるだけ抑えたい場合には、溶融亜鉛めっき鋼板製のサイディングを選択すると、材工価格(工賃を含んだ価格)を6,000円/㎡程度に抑えて施工することが可能です。

しかし、1㎡あたり4,000円を下回るものは断熱性や遮音性が低いため、避けたほうが無難でしょう。

メンテナンス頻度で選ぶ

金属サイディングはセメントを主原料にして成形された窯業系サイディングよりも水に強いため、吸水しにくくメンテナンスの頻度は少ないといえます。

しかし、さらにメンテナンス頻度を少なくしたいのであれば、雨水で汚れが落ちやすい「セルフクリーニング機能」がついたものや「光触媒塗装」された金属サイディングがおすすめです。

また、汚れの目立ちにくさで選ぶのであれば、グレー系やベージュ系の色のサイディングを選ぶとよいでしょう。

デザインで選ぶ

金属サイディングは柄づけされた金属板と断熱効果の高い裏打材によって構成された外壁材で、金属らしいシンプルでモダンな飽きのこないデザインが本来の魅力といえます。

しかし、近年の金属サイディングは表面加工技術の進歩により、塗り壁調、レンガ調、石目柄、木目調などといったほかの外壁材そっくりに見えるものも増えています。

そのため、過去の金属サイディングは窯業系サイディングと比較するとデザイン性が劣るといわれてきましたが、造形技術や塗装技術などの進歩で、より本物に近い表情を再現できるようになっています。いまでは金属サイディングでも、デザイン面での選択の幅が広がっています。

メーカー保証期間・保証内容の充実度で選ぶ

サイディングの耐久性を重視するのであれば、メーカーの保証期間の長さや保証内容に注目することが大切です。

金属サイディングのメーカー保証には、変褪色保証、塗膜保証、穴あき保証、赤さび保証などがありますが、保証期間は赤さび保証(全体の5%を超えて発生した赤さび)が10年、穴あき保証が10~25年、その他の保証が10~15年程度になることが多いようです。したがってできるだけ保証期間が長いものを選んでおくと安心です。

保証期間内に上記の不具合が発生した場合には、メーカーから再塗装や交換工事費の保証を受けることができます。

金属サイディングでも塗装が必要

耐久性があり、メンテナンス性に優れる金属サイディングですが、年数を経ると塗装工事が必要です。鋼板表面の塗装が紫外線の影響などにより劣化すると、雨水によってサビが発生するおそれがあります。

築10~15年が塗装時期の目安です。ただし鋼板の違いや、住宅の周辺環境によって塗装時期は前後します。

塗装の劣化に気づいたら外壁塗装の目安

金属サイディングの塗装時期の目安は10~15年程度ですが、必ず塗料の性能が10年以上持つとは限りません。海に近い場所にある住宅だと潮風の影響で、劣化が早まることがあります。

次のような症状があるときは、10年未満でも外壁の塗装を検討しましょう。

金属サイディングの劣化症状
劣化症状 特徴
チョーキング 外壁の表面をなでると、手に粉末がつく。手につく粉末の量が多い場合は、塗料が劣化した状態
塗装の剥がれ 塗装が外壁から剥がれている。塗料の劣化が原因
塗装のふく 外壁表面の塗装が膨れあがっている。塗装と外壁の間に水が入って生じる
サビ 赤サビと白サビがある。塗装の劣化や傷によって雨水が入り込んで生じる

外壁塗装の費用は施工会社によって違いがあるため、塗装を依頼するときは複数社の見積もりを比較することが大切です。なかにはあいまいな見積もりで高額な請求をする悪質な施工会社もあるため、見積もりの比較は欠かせません。

複数の施工会社へ見積もりを依頼するにはぬりマッチからお申し込みください。自宅の情報や連絡先などを入力するだけで、自宅の施工に対応できる施工会社へ見積もりを依頼できます。あとは見積もりの価格や施工会社の対応などをもとにして、外壁塗装を依頼しましょう。

お気軽にお問い合わせくださいね。
私、白井が全力でサポートします。

今すぐ無料相談する

今すぐ無料相談する

おうちの塗装あなたの地域の相場は?

完全無料診断する 完全無料診断する