何十万円、何百万円とかかる外壁塗装では、失敗したくないという想いも強くなるでしょう。仮に失敗した場合、原因が自分にあるならまだしも、依頼した施工会社にあると憤りを感じる方もいるかもしれません。
外壁塗装で失敗してしまったら再塗装の手間もかかりますし、場合によっては余分に修理費用を支払うこともあります。
本記事では、外壁塗装でよくある失敗例9選と修理を依頼したいときの対応手順、失敗を予防するための事前確認ポイント7選をわかりやすく紹介します。
外壁塗装でよくある失敗例9選
以下では、外壁塗装でよくある失敗例9選を紹介します。
1.定期点検しておらず費用が高額に
塗装のひび割れや外壁内側への水漏れといった建物の劣化があると、外壁の塗装工事は補修作業から行う必要があります。補修作業が入ると、外壁の塗装工事に費用が上乗せされるため、費用の総額が高額になります。
劣化が初期症状のうちに外壁、屋根などの補修をすることで、工事は塗り替えや部材の交換のみで済ませられます。
なお、外壁材の内側も劣化することで、外壁材や屋根材の張り替えや下地材の補修が発生します。費用を抑えるには5〜10年の間隔で施工会社に定期点検をしてもらいましょう。
2.中間マージンで費用が高額に
大手のハウスメーカー、工務店、リフォーム業者は、下請けの施工会社や足場の設置業者に工事を委託する場合があります。
施主が外壁塗装工事を依頼し、元請け業者が下請け業者に委託すると、中間マージン(仲介料)が別途発生するため、施主の負担額が増加します。
中間マージンで費用を高額にしないためには、外壁塗装工事の工程をすべて行う施工会社に依頼することが大切です。
施工会社は、下記のような記載がホームページにある業者を中心に探しましょう。
- 自社施工で中間マージンは発生しません
- 見積もりから施工まで当社が担当します
依頼予定の業者へ中間マージンについて再度、確認しておくとより確実に失敗を防げます。
3.塗装の仕上がりが予想と違う
外壁塗装の仕上がりが予想と違った原因として考えられるのが、カラーシミュレーションが不十分だったことです。カラーシミュレーションとは、施工会社が用意しているカラーサンプルをもとに、外壁の色をシミュレーションすることです。
予想と同じ仕上がりにするには、シミュレーション時にできるだけ大きなカラーサンプルをもらうことです。
なぜなら、小さなサンプルだと目の錯覚が起きて、実際の仕上がりとイメージしていた仕上がりの乖離が大きくなってしまうからです。
4.施工ミスによる塗装ですぐに劣化
下地処理作業が不十分だと、耐久性の高い塗料で塗装を行っても外壁の汚れやひび割れにつながります。結果として、塗装は施工から数カ月で劣化するおそれがあります。
下地処理作業は下地調整作業、下地補修作業とも呼ばれ、下記の4点に注意して行う必要があります
- 外壁、屋根の表面汚れを高圧洗浄できれいにする
- ひび割れ、傷などを手作業で修繕する
- 鉄部のサビをとるケレン作業を行う
- サイディングボードの
目地 のコーキング材(シーリング材)を打ち直す
サイディングボードの目地とは外壁やドア、サッシ周りにある継ぎ目のことです。目地にはコーキング(ゴム状の部材)が入っています。
5.近隣住民からクレームが発生
塗装工事前の近隣への情報伝達が不十分だと、近隣住民からクレームが入ることがあります。
工事前には施工会社が工事工程が記載されたチラシの配布などで、近隣へ挨拶をしてくれますが、施主も内容の確認はしておきましょう。
確認事項は工事の内容や騒音、臭いに関することなどです。
6.自分でDIYした結果、不十分な仕上がりに
外壁塗装には高度な技術や経験が必要です。知識や技術がないまま外壁塗装を自分で行うと、失敗するリスクが高くなるため施工会社に依頼しましょう。
失敗した場合は塗装を取り除く費用がかかるなど、余計に塗装費用がかさむことがあります。
7.保証書を受け取っていなかった
外壁塗装の内容によっては、失敗されても無料で対応してくれることがあります。しかし、保証書を受け取っていなかった場合は、失敗されても対応してもらえないことがあるため、事前に注意しておく必要があります。
施工会社によっては契約などを口頭だけで済ませてしまう事例があり、保証書を受け取っていないケースがあります。以前に施工をしてもらった場合は、油断してしまうことがあるので特に注意が必要です。
たとえば、施工会社は外壁塗装の施工後を保証しないことで費用を削減することがあります。反対にいうと、契約する際に保証書の話をしていれば、施工後の保証を踏まえた費用を提示してもらうことも可能でしょう。
しかし、すでに契約してしまった場合は見積金額が保証を抜きにした安い費用であるため、施工後に保証書を出してもらうことは難しいです。
外壁塗装の保証書は、家電製品の保証書と同じようなものです。家電製品で保証書がない場合は、初期不良であろうと交換、修理の対応をしてもらえません。外壁塗装の場合も同様で、外壁塗装の施工不良が判明したときに、補修や修繕をしてもらえないのです。
保証書は契約の際に契約書と引き換えにもらうものなので、外壁塗装の施工が終了している場合にはもらえないおそれがあります。
外壁塗装では契約の段階で保証書についても話しをするようにして、契約書と引き換えに保証書がもらえるかどうかを施工会社に確認しましょう。
8.失敗された箇所が保証対象外
施工会社の保証対象は「剥がれ(塗膜の剥離)」だけの場合がほとんどで、経年劣化や環境が原因の「ひび割れ」などは保証対象外になることが多いです。しかし、地域の工務店は「剥がれ」以外にも対応してくれることがあります。
また、「木部と鉄部の傷や劣化」は保証内容に含まれていないことが多いです。木部と鉄部は傷がついたり劣化しやすかったりする箇所のため、注意しましょう。
失敗された箇所が保証対象外ということがないよう、契約時に保証対象の範囲や条件を確認しておきましょう。
9.外壁塗装業者の倒産で保証が適用されない
保証条件の対象であっても施工会社が倒産していたために、保証が適用されないことがあります。
外壁塗装を依頼する際は、倒産リスクも考慮しておきましょう。また、依頼前に
瑕疵保険に加入すると施工に欠陥があった際に、保険会社から施工会社に保険金が支払われます。
施工会社に追加で費用を支払い保険に加入するため、費用がかさんでしまいますが、外壁塗装の工事後に第三者検査を受けられるのがメリットです。
リフォーム瑕疵保険を提供している保険会社には、「JIOリフォーム瑕疵保険」などがあるため、参考にしてみてください
失敗されたかも!修理してほしいときの対応手順
以下では、外壁塗装を失敗されたと感じ、修理を依頼したいときの対応手順を紹介します。
1.保証内容を確認して施工会社へ相談する
まず、契約した施工会社の保証内容を確認します。業者のミスの場合は無償で修理してくれる可能性があるからです
また、 失敗された箇所や内容が保証の適用範囲かどうかを相談前に確認しておくことで、業者の言い逃れを防ぐことにつながります。業者へ相談する際は、手元に契約書などを準備しておきましょう。
2.解決しないときは第三者機関に相談する
業者の施工不良が原因だと明らかなのに対応してもらえない場合は、以下の第三者機関に相談しましょう。
- 住宅リフォーム紛争処理支援センター:国土交通大臣指定の住まいの相談窓口
- 国民生活消費者センター:全国の消費生活センター等の国民生活ホットライン
- 各都道府県の弁護士会
失敗リスクを減らすために!この7つを確認して予防しよう!
以下では外壁塗装での失敗を予防するために、業者を選定する前に確認すべきポイント7選を紹介します。
1.資格や建設業許可を確認
外壁塗装業は資格の有無にかかわらず営業可能です。そのため、失敗リスクの低い業者か判断するには保有資格の確認が大切です。
以下に、外壁塗装業に有用な資格を紹介します。
- 建設業許可(塗装工事業許可)
- 塗装技能士(1級・2級)
- 外壁劣化診断士
- 外壁塗装マイスター
- 雨漏り診断士
上記の資格は確かな知識と技術がある方が保有しているため、建物の状態を見て正確な提案をしてくれるでしょう。
2.工事期間を確認
天候によっても変動しますが戸建て住宅の外壁塗装は、通常1〜4週間かかります。工事期間が極端に短い場合は手抜き工事のおそれがあります。
業者の選定前に工事期間を確認しておきましょう。
3.見積書の内訳を確認
外壁塗装は、補修の下地調整作業後に3回塗りを行うのが通常です。1度目は下塗り塗料、2度目3度目に上塗り塗料を使った塗装を行うことが多く、よりよい仕上がりを重視して4回塗りまですすめる業者もあります。
見積書には何回塗りの記載がありますので、どの部分にどのような塗料が使用されるか担当者へ確認しておきましょう。
また、見積書を確認する際は下記のポイントもチェックしておきましょう。
作成年月日の記載はあるか
修正の依頼をする可能性があるため、いつの時点の見積書かわかるよう作成年月日の記載があるか確認しましょう。
見積書に押印や署名はあるか
押印や署名がない書類は見積もりの内容でトラブルになった際に対応してもらえないことがあります。
型番、単価の記載はあるか
施工に使う設備や部材の商品名、メーカーの型番、単価が記載されているかを確認しましょう。商品名や型番をインターネットで検索すると、単価が適正かどうか確認できます。
また、施主が施工会社に使ってほしい設備や部材のメーカーを指定した場合は、メーカーに誤りがないか型番を確認しましょう。
施工時間や材料の数量は適量か
施工時間や材料の数量などの数が多すぎないか、不自然な数字がないかを確認しましょう。
数が多い場合は、水増しのおそれがあります。
諸経費は何%か
諸経費には事務所の水道光熱費や通信費、営業担当者等の交通費や車両費など、詳細に計算できない費用が含まれることがあります。
一般的に諸経費は施工費全体の10〜15%といわれています。費用が高いと思ったら担当者に詳細を確認しておきましょう。
合計金額は一致しているか
合計金額は一致しているか、二度目、三度目の見積もりの際は、合計金額が更新されているか確認しておきましょう。
有効期限はいつか
見積書には有効期限があります。期限を過ぎると金額が変更になる場合があるので注意しましょう。
4.塗装現場を確認
外壁塗装の手抜き工事には、下記のような事例があります。
- しっかりと下地処理を行わない
- 3回塗りをしていない
- 塗料を薄めて使用している
手抜き工事は隠したがるのが通常のため、依頼前や依頼後に施工中の現場を見せてもらえるかどうか、担当者へ尋ねてみるとよいでしょう。
また、マナーや技術に優れた職人は作業場が整頓されていることが多いです。見学できない場合は、施工した現場の写真を確認できる業者もあります。
5.保証や保険を確認
外壁塗装業者に依頼する際は施工完了後の保証や、アフターフォローについて確認しておきましょう。
塗装工事は塗料メーカーの「メーカー保証」、塗装業者の「工事保証」の2種類あります。
また、リフォームの
6.保証期間を確認
施工会社の自社保証期間は業者によって変わり、1~10年が一般的です。そのため、20~30年などの長期間の保証を適用している業者は避けたほうがよいでしょう。
20~30年すると塗料の耐用年数を過ぎているため、通常は再塗装の必要があります。
7.複数社を確認
施工会社を選ぶ際は、複数社を確認して比較検討することが大切です。
知人から紹介された会社にしてしまったり、見積もりを依頼した会社の対応に満足したからと別の会社を見ないで契約してしまったりしたら、後悔することになるかもしれません。
なぜなら施工会社は通常、お客様が他社と比較検討していることを知ると、自社で契約してもらうためにサービスをしてくれたり、見積金額を値引きしてくれたりする傾向があるためです。
また、複数社を比較することで「どのような業者がよいのか」判断しやすくなります。
一括査定サイト「ぬりマッチ」を使って、失敗リスクを減らそう
数ある施工会社の中から失敗しない業者を見抜くには、自分ひとりで判断せず知識のある人へ意見を求めるのがよいでしょう。
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