塗料の種類や特徴まとめ!外壁などの塗装に使う塗料を用途別に解説

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塗料の種類や特徴まとめ!外壁などの塗装に使う塗料を用途別に解説

家の外壁や屋根、その他家具などの塗装に使う塗料にはさまざな種類があります。

塗料には、防水効果や遮熱効果、セルフクリーニングなど機能に違いがあるため、用途に合った塗料を選ぶ必要があります。

塗料は主に以下の4つで構成されています。

  • 顔料
  • 樹脂
  • 添加剤
  • 溶剤

その中でも特に樹脂は、塗膜の性質や特徴を決める重要な要素です。

また、塗料は塗装がすぐに剥がれてしまわないように、何層も重ねることで塗膜を作ります。一般的には「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3層です。

今回は特に外壁の塗装に使われる塗料について、下塗りや上塗りなど用途別の種類や特徴を紹介します。

上塗り塗料の種類

基本的に中塗りと上塗りは同じ塗料を使用し、仕上げの役割を持っています。

上塗り塗料は一番外側の層のため、外観や耐候性が選ぶ際のポイントです。外壁の状態や周辺の環境によって判断する必要があるため、塗装業者と相談しながら決めるとよいでしょう。

以下の表に、主な塗料の特徴を樹脂別にまとめました。

上塗り塗料の種類と特徴
塗料の種類 耐久年数(年) 費用相場(円/㎡)
ウレタン 7~10 1,700~2,000
シリコン 10~15 2,.300~3,500
ラジカル 10~15 2,500~4,000
ピュアアクリル 12~15 3,500~4,500
フッ素 15~20 3,800~4,800
無機 20~25 4,500~5,500
光触媒 15~20 4,200~5,000
遮熱 15~20 5,000~5,500

それぞれの塗料のメリットやデメリットを詳しくみてみましょう。

ウレタン

ウレタン系塗料は、伸縮性や密着性に優れた塗料です。そのため、金属や木製の部分にも塗りやすいです。

費用がほかの塗料より比較的安価でバランスの良い効果を得ることができます。

また、ウレタン系塗料はシリコン系塗料が広がる以前に普及したため塗装業者が扱い慣れています。そのため、きれいな仕上がりを求められ、コストパフォーマンスが高いといえるでしょう。

しかし、紫外線に弱く変色しやすい性質のため、定期的なメンテンナンスが必要です。

シリコン

シリコン系塗料は、汚れや紫外線に対する耐久性が高い塗料です。 ウレタンのひとつ上のグレートとして広く普及し、外壁や屋根の塗装で最も使用されています。

カラーバリエーションが豊富なため、外観にこだわりがある場合はおすすめです。

その反面、塗膜が硬いため、ほかの塗料よりもひび割れが起こるリスクが高いです。密着性が低いため、技術のある業者に施工してもらう必要があります

ラジカル

ラジカル系塗料は、最近発売された新しい塗料です。耐用年数が比較的高く、白い粉が外壁に出てくるチョーキング現象が起こりづらいです。

また、汚れやカビに強く、サイディングやモルタルなどさまざまな外壁材に塗装できるのもメリットです。

しかし塗料の性質上濃い色がないため、同じ価格帯のシリコンと比較してカラーバリエーションが少ないです。

また、新しい商品のため施工実績が少なく、想定していない欠陥が今後発見される可能性もゼロではありません。

ピュアアクリル

ピュアアクリル塗料は、耐久年数が長く、防水性が高い塗料です。伸縮性があるため、ひび割れが外壁材に起きても塗膜で水の侵入を防いでくれます。

その高い伸縮性のため、汚れがつきやすいという面もあります。 また、冬場にピュアアクリル塗料で塗装すると乾燥しづらいため、工期が長くなる場合があります。

フッ素

フッ素系塗料は、高い耐久性を持つ塗料で、汚れを防ぎ光沢感を長期間保ちます

費用が高額なため、商業施設や大型のビルで使用されることが多いです。 一般的な住宅では、屋根部分など紫外線が強く当たる箇所のみ塗装するケースがあります。

無機

無機塗料は、フッ素系塗料よりもさらに高い耐久性を持ち、親和性が高い塗料です。 親和性とは、水となじみやすい性質のことです。そのため、水が汚れと混ざって流れるセルフクリーニング効果があります。

費用は高価ですが、耐久年数が非常に長いため、定期的に外壁塗装をメンテナンスする手間を避けたい方におすすめです。

光触媒

光触媒塗料は、雨風や太陽の光など自然の力で汚れを浮かして洗い流すセルフクリーニング機能がある塗料です。そのため、長期間外観を美しく保ち、耐久年数が長いです。

また、抗菌や空気清浄の効果もあるため、室内にも使用できます。

しかし、雨風や太陽の光が当たらない外壁面では、塗料のセルフクリーニング機能を発揮できないという欠点があります。

遮熱

遮熱系塗料は、太陽の光や熱を反射するため、熱による外壁材へのダメージを抑え、夏場に室内の暑さを軽減して快適に保ちます。環境にやさしい省エネ効果のある商品として国に推奨されているため、自治体によっては補助金がもらえる場合があります。

しかし、外壁が汚れると、太陽の光を反射しづらくなり効果が落ちてしまうリスクがあります。

なお、遮熱系塗料は、断熱と違い、保温効果はないことに注意しましょう。

塗料選びに迷ったら、まずは塗装業者に相談してみましょう!

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塗料の分類

グループ分けのイメージ

塗料は、同じ樹脂成分の中でも性質や混ぜ方によって特徴が異なります。

水性と溶剤

それぞれの塗料は、塗料を構成する4つの成分のうち、溶剤に何を使うかで「水性」と「溶剤」の2種類に分けられます

水性塗料は水を、溶剤塗料はシンナーをそれぞれ溶剤として使用します。

それぞれの特徴を以下にまとめました。

  水性塗料 溶剤塗料
メリット
  • 扱いやすいため仕上がりがきれい
  • 工事中のにおいが少ない
  • 塗膜が硬いため、耐久性が高い
デメリット
  • 塗料の種類によっては耐久性が低い
  • 扱いづらく、技術がない業者が施工すると塗装にムラができるリスクがある
  • 工事中のにおいがきつい

1液型と2液型

塗料の分類方法として、混ぜ方の違いで「1液型」と「2液型」の2種類に分けられます。

1液型
塗料を単体で塗ることができる
2液型
塗装する直前に硬化剤を混ぜる必要がある

どちらも塗る際には伸びを作るために、水またはシンナーと混ぜ合わせ塗装します。それが前述した水性か溶剤の分類です。

1液型と2液型それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

  1液型 2液型
メリット
  • 手間がかからない
  • 単価が安い
  • 耐久性が優れている
デメリット
  • 耐久性が2液型に比べて低い
  • 塗装できる材質が限られている
  • 扱いが難しい

特に2液型は、硬化剤の分量を多くすると硬くなりすぎて塗装が難しいため、注意が必要です。

下塗り塗料の種類

下塗りは何層もの塗装の中で、外壁材との密着性を上げる役割があります。

この下塗りを適当に扱うと、せっかく中塗りや上塗りで見栄えをよくしても塗装が剥がれてしまったり、ひび割れが起きたりするおそれがあります。

主な下塗り塗料の特徴を以下の表でまとめました。

下塗り塗料の種類と特徴
下塗り塗料 特徴
シーラー 塗料の密着性を高めるだけでなく、上塗り塗料が外壁に吸収されてしまうのを防ぐ効果があります。そのため、下地である外壁材の補強としての役割があります。
プライマー 基本的にはシーラーと同じ役割があります。主に、金属製の外壁材に塗り、上塗り塗料の密着性を上げるために使われます。
バインダー シーラーやプライマーと同様に上塗り塗料を定着させる役割があり、外壁材の吸収性が高くない場合でも使用します。
フィラー 粘り気のある材質のため、外壁の細かいひびなどの凹凸を埋める役割があります。外壁材の表面を整えることで塗料が剥がれるのを防ぎ、仕上がりをきれいにします。モルタル外壁など表面に細かい凹凸がある場合におすすめです。
サーフェイサー 厳密には中塗りに使用される塗料です。シーラーやプライマーの上に重ねて、表面を微調整して整える役割があります。「プラサフ」といわれるプライマーとサーフェイサーの機能を併せた塗料もあります。

上記以外にも下塗り塗料の種類はあるため、外壁材や外壁の状態に合わせた製品を選びましょう。また、外壁の状態によっては複数の下地を何回かに分けて塗る場合もあります

塗料選びのポイント

塗料には用途や効果が異なる数多くの種類があります。

また、本記事で紹介した塗料以外にも各塗料メーカーが新しい機能の塗料を日々開発しています。 そのため、どの塗料を選べばよいか決められない方も多いでしょう。

最近では、自身で塗料を購入してDIYするケースも多いです。しかし、自身で塗装を行うと塗料が剥がれやすいため、おすすめしません

塗装を検討する際は、塗料選びの段階から専門業者に相談しましょう

外壁塗装の場合、外壁塗装専門業者やハウスメーカー、工務店などさまざまな業態の会社が行っています。外壁の状態や自身の予算に見合った塗料を選ぶためにも、複数の業者に相談して見積もりを依頼して、比較するとよいでしょう。

その際一括査定サイトを利用することをおすすめします。簡単な情報を一度入力するだけで複数社に手軽に問い合わせできます。

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